自衛隊卒のセラピスト

セラピスト&自衛官の経験と共に、笑顔になる話題をお届けします。

【銃と爆発物から命を守る④】もしも不発弾を見つけたら

令和5年12月27日

滅多に見ることのない不発弾。実は不発弾は、普通の爆発物なんかと比べ物にならないくらい危険なんです!その理由と、見つけた際の対処法をお伝えします。是非ご覧ください。

お疲れ様です。自衛隊卒のセラピストの岡田 凰里(おかだ おうり)です。ブログを読んで頂いてありがとうございます。

 

12月もあとわずか。

 

お勤めの方は、今週が仕事納めという方も多いかもしれませんね。

 

先週から寒波の影響で、東京ではとても寒い日が続いています。

 

体調管理には十分注意して、楽しい年末を迎えましょう。

 

 

さて、前回のブログでは爆発物に関する事件に遭遇した際の、対処法についてお伝えしました。

 

「その場にすぐに伏せる」

 

これが対処方法でした。

 

また、伏せることが難しい場合には"ダンゴムシのポーズ"をとるんでしたね。

 

 

一度で構いませんので、練習してみて下さいね。

 

爆発物の対処法についてご興味のある方は、前回のブログも是非ご覧ください。

 

このブログの最後にリンクがあります。

 

 

さて、今回のブログは「不発弾」について説明しようと思います。

 

 

うーん…(^^;

 

 


実は、不発弾について書くのは本当に迷ったんです。

 

皆さん、こんなことに興味あるのかなと…(^n^;

 

ただ、今月のテーマは

『銃と爆発物から命を守る』

 

こんなテーマでブログを綴ることは二度とないと思ったので、お伝えすることにしました。

 

不発弾を見つけた際の対処法は、次の通りです。

 

決して触らないで、ゆっくりその場を離れて下さい。

 

最低でも50ⅿは離れて下さい。

 

そして離れ終わったら、すぐに警察に通報してください。

 

110番で大丈夫です。

 

海で見つけた場合は118番ですね。

 

それでは、なぜこのような対処をするのか、今回のブログで詳しく説明していきますね。

 

ブログは以下の内容です。

1 どっちが危険?

2 爆発の仕組みと信管&雷管

3 不発弾の事故の事例

4 陸上自衛隊「不発弾処理隊」

5 まとめと来月のテーマ

それでは始めていきますね。

 

 

1 どっちが危険?

まず初めに、ちょっと皆さんに質問です。

 

 

爆弾と不発弾

 

 

どっちが危険だと思いますか?

 


え?

 


いやいや、両方危険でしょ!?

 

 

あ、はい(^^;

 

 

確かに両方危険です(^o^;

 

 

おっしゃる通りなんですが、答えは片方なんです。

 

 

 

 

 

はい!

 

考える時間は終わりです(^m^)

 

 

今回のブログの題は「もしも不発弾を見つけたら」です。

 

 

予想がついている方もいらっしゃるかもしれませんが…

 

 

答えは「不発弾」です。

 

 

爆弾と不発弾、危険なのは圧倒的に不発弾なんです。

 

 

爆弾を見て、

 

「イヤイヤ、導火線に火がついて今にも爆発しそうなんだから、爆弾の方が危険でしょ!?」

 

そんな風に感じた方も、いらっしゃるかもしれません。

 

その気持ち、本当によくわかります。

 

おっしゃる通りなんですが…

 

 

「導火線が燃え尽きるまでは、絶対に爆発しない」

 

 

とも言えます。

 

ですから、それまでは安全なわけです。

 

その他にも、こんな感じの爆弾もドラマで出てきたりしますよね。

 

この爆弾も、時間になるまでは爆発しません。

 

つまり爆弾というのは、爆発させようとしないと爆発しないように作ってあるんです。

 

なぜなら、運んでいる最中に爆発してはいけないからです。

 

って、

 

「当たり前でしょ!」

 

と思いますよね(^^;

 

 

それでは不発弾はどうでしょうか。

 

 

何かを破壊するために、投じられた爆弾。

 

それが爆発しなかったわけですが…。

 

爆発しなかったんだから、大丈夫でしょ?

 

そんな風に感じますか?

 

前回のブログでお伝えしましたが、わたしは陸上自衛隊「不発弾処理」の訓練を受けています。

 

不発弾の恐ろしさを、しっかり学んだわたしが声を大にしてお伝えします。

 

 

 

不発弾、メチャメチャ危険です!

 

 

 

ハイパーウルトラ危険です!!!

 

 

 

不発弾は

「いつ爆発してもおかしくない爆発物」

 

 

絶対に触れてはいけません!

 

 

わずかな振動も与えてはいけません!

 

 

近くで携帯電話を使ってはいけません!

 

 

 

ゆっくり落ち着いて、まずはその場から離れるようにしてください。

 

そして、距離を取ってからで構いませんので、警察に通報してください。

 

なぜここまで強くお伝えするのか。

 

その理由を説明していきますね。

 

 

2 爆発の仕組みと信管&雷管

前項で爆弾は、
「爆発させようとしないと爆発しない」

 

とお伝えしました。

 

じゃあどうやって爆発するの?

 

そんな風に感じる方も、いらっしゃると思います。

 

ここで不発弾の危険性をお伝えするためにも、簡単ではありますが爆発の仕組みをお伝えしようと思います。

 

わかりやすさを優先しているので、だいぶざっくりです。

 

細かい部分が違うというご指摘は、どうかご勘弁ください(^^;

 

 

さて、それでは早速説明していきますね。

 

爆弾というのは、「爆弾本体」「信管」に分けることができます。

 

普段は安全管理のために、爆弾本体と信管は分けて保管されています。

 

手りゅう弾のように爆弾本体と信管が一体型になっているものもありますが、そのようなものには必ず安全装置がついています。

 

そして、本体と信管がセットされただけでは、爆発しません。

 

信管の安全装置が解除されて、信管と爆弾本体の接点にある「雷管」が破裂して、その衝撃が爆薬(火薬)に伝わることで爆発します。

 

そして不発弾というのは、

安全装置が解除されたにも関わらず信管の不良により、雷管が破裂しなかった状態の爆弾

 

ということです。

 

信管が不良だったんだから大丈夫でしょ?

 

そんな風に感じますか?

 

 

イヤイヤイヤ…。

 

 

その爆発しなかった理由は、調べないとわからないんです。

 

 

信管が「雷管」を破裂させる仕組みは、色々なものがあります。

 

 

雷管をたたいて破裂させる”ばね式"のもの…

 

 

導火線のような”時限式”のもの…

 

 

中には電波や電流を使った"電磁式"のもの…

 

 

細かく分ければまだまだあります。

 

 

わたしが

 

 

「絶対に触れてはいけない!」

 

 

とお伝えしたのは、触れた拍子に”ばね”が作動してしまったり、静電気で"電気"が流れてしまう可能性があるからです。

 

 

「ゆっくり離れる」

 

 

これは慌てて離れてしまうと地面に振動が伝わり、振動による摩擦で信管内の導火線の燃焼が進んでしまう可能性があるからです。

 

 

「離れてから警察に連絡してください」

 

 

皆さん、携帯電話で警察に連絡しますよね。

 

その電磁波で、信管に電気信号が流れてしまう可能性があるからです。

 

 

 

不発弾の危険性、お判りいただけましたか?

 

 

 

絶対に触れないで、ゆっくり慌てず不発弾から距離を取ってから、警察の110番や海上保安の118番に、通報するようにしてくださいね。

 

 

3 不発弾の事故の事例

「不発弾らしきものが見つかりました」

 

たまにそんなニュースが流れてきます。

 

民間地で発見される不発弾は、戦時中のものが多く、特に沖縄県で多く見つかります。

 

沖縄県のHPには

「不発弾を発見したら」

 

というページがあります。

 

そこには

「絶対に近づかない」

「さわらない」

「うごかさない」

 

そして警察に連絡してください、と記載されています。

 

沖縄県糸満市のHPには、不発弾の写真付きで解説があります。

 

もし興味のある方は、ご覧になってみて下さい。

 

このブログの最後に、リンクをつけておきます。

 

 

最近でも、北海道で爆弾と思われるようなものが発見されたりしています。

 

 

こんな際には、決して触れずにゆっくり離れてから、警察に通報するようにしてください。

 

そして、世の中には色々な趣味の方がいらっしゃって、過去にはマニアの方が自宅に持ち帰って…。

 

泥が着いていたんでしょうか。

 

手入れをしていたら、そのままドカン!

 

なんて事故、いや事件ですかね。

 

事件後の写真も拝見したんですが…。

 

その方のご自宅、木っ端みじんでした…(*_*)

 

 

え?、、、ご本人は…?

 

 

えー、、、ご想像にお任せします(*_*;

 

 

不発弾の所持はもちろん、爆発物の所持は法令で禁止されています。

 

 

ま、このブログを読んで下されば、法令で律される前に、不発弾を所持するなんて言う考えには至らないと思いますが…(^^;

 

そのために、今回のブログを書かせていただきました。

 

もう不発弾の危険性は、お判りいただけましたよね。

 

 

さてさて、そんな危険な不発弾。

 

 

いったい誰が対処するんでしょうか?

 

 

その危険な任務を担っている方を、ご紹介したいと思います。

 

 

4 陸上自衛隊「不発弾処理隊」

ここで、少しだけ自衛隊の紹介をしたいと思います。

 

わたしは「不発弾処理」の訓練を受けたわけなんですが、不発弾処理隊に所属していたわけではありません。

 

自分の所属する部隊で出てしまった不発弾を処理するために、訓練を受けたわけです。

 

 

普段のニュースで

自衛隊が不発弾を処理している」

 

と流れた際には、

 

『不発弾処理隊』
通称:EOD
EOD:Explosive Ordnance Division〕

 

の皆様が対処してくれています。

 

わたしはその処理隊の方から、教育を受けました。

 

その際に何度もおっしゃっていたのは、

 

 

「不発弾が危険だと思っている間は、安全である。」

 

 

耳にタコができるほど聞きました(^n^;

 

 

そりゃそうですよね(^^;

 

 

失敗すなわち…、、、

 

 

ですからね…(^ω^;)

 

 

ちなみに不発弾処理隊が対処した不発弾処理では、1件の失敗もありません。

 

 

そんな隊員の皆様が、安全安心を守ってくれています。

 

 

本当に頭が下がるばかりです。

 

 

心から感謝致します。

 

 

ありがとうございます。

 

 

5 まとめと来月のテーマ

今回のブログでは、不発弾を発見した際の対処法についてお伝えしました。

 

決して触れずに、ゆっくり離れてから警察に通報するんでしたね。

 

そして、なぜ不発弾が危険なのかも説明しました。

 

爆発の仕組みがわかれば、その危険度もリアルにイメージできますよね。

 

ちなみになんですが、今回ご紹介した陸上自衛隊の不発弾処理隊以外にも、

 

 

海上自衛隊「水中処分隊(機雷等の処分)

 

 

警察の「爆発物処理班」(爆発物対処)

 

 

そんな方々も不発弾や爆発物に、対処してくれています。

 

本当に感謝ですね。

 

〔※航空自衛隊でも不発弾処理要員の方がいらっしゃるようですが、対処をしているかどうかまではわかりませんでした。〕

 


そんなに遭遇することはない不発弾ですが、先の大戦の不発弾がまだ埋まっている地域もあります。

 

今回ご紹介した対処方法を、頭の片隅で構いませんので留めておいてください。

 

 

最後に改めて、安心安全を守ってくださっている皆様に感謝致します。

 

 

ありがとうございます。

 

 

以下、来月のブログテーマのご案内です。

 

来月のテーマは

『新年の抱負とわたしの日常』

 

わたくしごとで大変恐縮ですが、ご覧いただければ幸いです。

 

皆さん、新年の抱負は決めていますか?

 

実はわたし、もう決まっています(^^;

 

わたくしごとで恐縮ですが、その抱負とわたしの日常をご紹介できればと思います。

 

是非ご覧ください。

 

それでは良いお年を☆

 


参考資料

1 沖縄県HP「不発弾を見つけたら」

2 糸満市HP「【危険】不発弾を見つけたら」

3 北海道テレビHP

4 航空自衛隊「東北町分屯基地HP」

 ウィキペディアHP  「不発弾処理」

 

参考文献

武器と爆薬 小林源文著 大日本絵画 2007年5月

 

 

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陸上自衛隊に15年勤務。レンジャー隊員。公認心理師産業カウンセラー

 

在職時は、年200件以上の面談に対応するカウンセラーの任務を行うと共に、隊員に対して災害派遣の心構え」を教育をしていました。

 

そんな自衛隊での教育や、自身の災害派遣の経験をアレンジして、現在は一般向けに「災害の心構え」をお伝えするセミナー講師。

 

 

『どんな災害も乗り越える』

 

 

その心構えを”自衛隊式”で学べるセミナーを提供しています。

 

 

このブログでは、防災のこと、身心の健康、そしてちょっとだけ自衛隊の話を綴っています。

 

自衛隊での経験やセラピストとして学んだことが、皆様のお役に立てば幸いです。

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【銃と爆発物から命を守る③】爆発物の対処法とその限界

令和5年12月20日

起きてしまうと被害が大きくなってしまう、爆発物による事件。対処法はあるんですが、どうしても限界があります。未然に事件を防いでくださっている皆様に、感謝を捧げます。是非ご覧ください。

お疲れ様です。自衛隊卒のセラピストの岡田 凰里(おかだ おうり)です。ブログを読んで頂いてありがとうございます。

 

12月もいよいよ下旬。

 

今年も残すところ、10日ほどになりました。

 

なんだか寒暖の差が、例年になく激しい冬になりましたね(^^;

 

気温の変化についていくのは大変ですが、体調には注意して過ごしていきましょう。

 

 

さて、前回のブログでは銃に関する事件に遭遇した際の、対処法についてお伝えしました。

 

「射線から外れて離脱する」

 

これが大切でしたね。

 

そして、離脱が難しい時の対処法についてもお伝えしました。

 

詳しい内容は前回のブログをご覧ください。

 

このブログの最後にリンクがあります。

 

 

さて、今週のブログでは爆発物の対処法についてお伝えします。

 

 

ところで、皆さん。

 

先日、東京都世田谷区の成城学園前駅で、鉄パイプ爆弾の騒ぎがあったのをご存じですか?

 

警察の方の職務質問から、犯行前の逮捕につながったそうです。

 

結局はナイフを所持していたのみで、鉄パイプ爆弾は起爆装置のついていない、火薬入りの鉄パイプを所持していただけだったようです。

 

個人的な恨みから、凶器のナイフと爆発物を所持していたようです。

 

ブログを始める前に、まずは安心安全を守ってくださった、警察の方に感謝したいと思います。

 

 

ありがとうございます。

 

 

警察の方が危険を事前に察知して、被害者が出る前に犯行を未然に防いでくださいました。

 

地道な職務質問が、防犯につながった一例ですね。

 

 

本当にありがとうございます。

 

 

そして今回のように「未然に防止する」という方法を取らなければ、爆発物に対処するのはとても難しいんです。

 

 

今回のブログの題は

『爆発物の対処法とその限界』

 

 

なぜこのような題にしたのか、詳しく説明していきます。

 

ブログは以下の内容です。

1 なぜ爆発物を使うのか

2 爆発物の特性と対処法

3 対処には明確に限界がある

4 恐れず怯えず感謝の気持ちで

5 まとめと次回のテーマ

 

それでは始めていきますね。

 

 

1 なぜ爆発物を使うのか

「爆発物」

 

つまり火薬を、日常生活で使うことはまずありません。

 

一般の方が触れるのは、夏の風物詩の花火くらいですよね。

 

専門の方になると、ビルの爆破解体やトンネル工事での岩盤の爆破で使用する機会があります。

 

そしてわたしのように自衛隊で訓練を受けている人間は、その任務に応じた爆薬を使用します。

 

これらの場合はしっかりとした目的があって、法律の定めに基づいて使用が許可されています。

 

それでは犯罪を企てる人間は、なぜ爆発物を使うのでしょうか。

 

先日の成城学園の事件のように、個人的な恨みを晴らすために爆発物を使うことはほとんどありません。

 

大抵の場合は、自分たちの意見を主張するための手段として使われます。

 

そして被害者を多くだし、恐怖によってその主張を通そうとするものです。

 

 

そうです。

 

 

爆弾テロです。

 

 

標的が、ある特定の組織である場合もあれば、無差別に行われる場合もあります。

 

こんなことに巻き込まれることは滅多にありませんが、実際に起きている事件です。

 

そんな現実に対して、対処法を全く知らないわけにはいかないと思うんです。

 

それでは早速ではありますが、爆発物の特性と対処法を説明していきますね。

 

 

2 爆発物の特性と対処法

さて、爆発物の特性をお伝えする前に、わたしの爆破経験を少しご紹介しておこうと思います。

 

自衛隊で爆破を行う職種は、大きく分けると2種類あります。

 

それは施設科と武器科です。

 

施設科は昔で言う工兵のことです。

 

施設科の爆破は、「破壊」がメインです。

 

任務を行う上で妨げになるものを、爆薬で破壊するという感じですね。

 

普通科の施設作業小隊も、このような任務を行います。

 

そして武器科は、名前の通り武器の整備や弾薬の管理を行う職種です。

 

その中に「不発弾処理」という任務があります。

 

たまに戦時中の不発弾が見つかって、自衛隊が対処しているというニュースが流れますよね。

 

あの命懸けの対処をしているのは、武器科の不発弾処理隊の皆様です。

 

不発弾が持ち運びができない状態の時には、その場で爆破して処理します。

 

 

そしてわたし自身は、施設科の「破壊」武器科の「不発弾処理」、両方の訓練を受けています。

 

実際にTNTやC4などを使って爆破の経験があります。

 

そんな経験にもとづいて、爆発物の特性と対処法をお伝えしていきますね。

 

 

まずは特性です。

 

 

爆発物が爆発して人間に被害を与える要素は、大きく3つです。

 

それは、

 

「破片」

 

「爆風」

 

「衝撃波」

 

になります。

 


「破片」は、爆薬が破裂した時に飛び散る破片ですね。

 

手りゅう弾なんかは、その破片で被害を大きくするような構造になっています。

 

 

次に「爆風」は、爆薬が破裂した勢いで起きる風です。

 

その風に吹き飛ばされて、被害を受けるというものです。

 

 

最後に「衝撃波」は、爆薬が爆発した時に発生する”疎密波”です。

 

その疎密波が、身体の内部にまで被害を及ぼすというものです。

 

 

ただ爆風衝撃波は、爆薬の近くにいたり、火薬量が相当多くないと被害が発生しません。

 


ですので、基本的には「破片」に対処することになります。

 


破片に対処するためには、その飛び散り方を知っておく必要があります。

 


実は爆発物の破片というのは、上方向には飛びやすいんですが、地面と水平方向には飛びにくいんです。

 

 

この飛び散り方の特性を知っていれば、対策はおのずとわかりますよね。

 

 

そうです。

 

 

それは『地面に伏せる』ことです。

 

 

仮に岸田首相の襲撃事件のような、目の前に今にも爆発しそうだと思われるものがあった場合、とにかく素早く伏せることです。

 

 

ただ群衆の中だと、地面に伏せるのは難しい場合があります。

 

 

その場合はダンゴムシのポーズをとってください。

 

 

爆発物に背を向けるようにしてこのポーズをとります。

 

 

このダンゴムシのポーズは、災害に遭遇した際に身を守るためのポーズです。

 

 

爆発物に遭遇した際にも、このポーズをとることで、命が危険にさらされる確率を下げることができます。

 

 

そして、先日の岸田首相の事件に使われた程度の大きさの爆発物であれば、体育の授業で使う体操マットを上にかければ、破片による被害を防ぐことができます。

 

 

もし、そういったものが近くにあった際には、利用するのもいいかもしれません。

 

 

 

 

ただ…。

 

 

 

 

ダンゴムシのポーズをとった所で、すぐそばで爆発したら被害を受けるでしょ!?」

 

 

 

 

そんな風に感じますよね。

 

 

おっしゃる通りなんです。

 

 

爆発物に対処するのには、どうやっても限界があるんです。

 

 

3 対処には明確に限界がある

表題にもしているのに、しつこいと感じるかもしれませんが、あえて繰り返しお伝えします。

 

 

爆発物の対処には明確に限界があります。

 

 

なぜか。

 

 

それは爆発物は、見つからないように隠して仕掛けられるからです。

 

 

つまり仕掛けられてしまうと、気づく前に爆発してしまう可能性が高いということです。

 

 

前回のブログでお伝えしたように、銃の場合には「構える」「狙う」「撃つ」という動作が必要なので、間隙が生まれて対処行動をとることが可能です。

 

しかし、爆発物の場合には威力が大きいので、見つからないように仕掛けられてしまうと、もう対処の使用がありません。

 

つまり爆発物に対処するには、未然に犯行を発見し、爆発物を仕掛けさせないという方法をとるしかないんです。

 

 

そのために警察官をはじめとする公安職の方が、警戒の目を光らせてくれています。

 

 

そして、岸田首相襲撃事件のようなに、わかりやすく爆発物本体がさらされることはまずありません。

 

 

そんな中で、SPの方はとっさの判断であの不審物を蹴り飛ばして、首相はもちろん一般の方を守ってくださいました。

 

 

恐らくSPの方が気づかなければ、

 

「なにこれ?」

 

と、不思議そうに見ている間に爆発していたと思います。

 

 

訓練を受けている方とそうでない方の差は、あのようなとっさの時に出るものです。

 

 

さすがはSPだと感じました。

 

 

事件があった当時、メディアを拝見していましたが、中にはSPの対応に対して

 

 

「蹴ったりして危ない」

 

「怪我をした人がいる」

 

「本当にあの対処でよかったのか」

 

 

そんな意見を伺うことがありました。

 


もちろんおっしゃる通り、検証の余地は、もしかしたらあるのかもしれません。

 


ただ、実際に爆破の経験者のわたしからすると…。

 

 

あれ以上の対処をしろということは、

 

 

「爆発物に覆いかぶさって、自分の命を犠牲にしろ」

 

 

そう言っているのに等しいことだと感じます。

 

そんなことを伝えるより、とっさの判断であの場にあれだけ集まっていた方々を守ってくださったことに、感謝の言葉を捧げませんか?

 

 

4 恐れず怯えず感謝の気持ちで

「対処に限界がある」

 

そんな風にお伝えすると、不安に感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。

 

「爆発物がどこに仕掛けられているかわからない」

 

そんな風に考えて、怯えてしまうという方もいらっしゃるかもしれません。

 

もちろんこんなことは絶対にない、とは言い切れません。

 

 

ただ、ほとんどないことなんです。

 

 

このブログは、本当に万が一のことに遭遇した際のことをお伝えしています。

 

 

対処法を知っているかどうかで、とっさの行動がどうしても違ってくるからです。

 

 

そして、爆発物に関する事件がほとんど起こらないのは、

 

「取り締まる法律を作ってくださった方」

 

「爆発物に関する犯罪を取り締まっている方」

 

「いざ発生した際に対処してくださる方」

 

そんな皆様のお陰です。

 

 

安心安全な日常を守るためにお仕事をされている皆様に、心から感謝致します。

 

 

ありがとうございます。

 

 

そしてその日常を守るためにわたし達ができることは…

 

 

「自分はやらないこと」

 

 

それに尽きます。

 

 

わたし達が気づかないところで、安全安心を守っている皆様に感謝の気持ちを捧げながら、何気なく過ぎていく日常を存分に楽しみましょう。

 

 

5 まとめと次回のテーマ

今回のブログでは、爆発物に関する事件に遭遇した際の対処法をご紹介しました。

 

ダンゴムシのポーズでしたね。

 

特別な訓練をしていなくても、誰でもできる方法です。

 

一度やっておけば十分なので、是非やってみて下さい。

 

そして爆発物の対処には限界があることもお伝えしましたが、このような事件に巻き込まれることは、日本ではまずありません。

 

事件のことは気にせず、感謝を忘れずに、日常をエンジョイしていただければと思います。

 

 

関連ブログ

 

参考資料
1 Yahooニュース 「鉄パイプ爆弾所持か「女性殺して自分も死ぬ」 成城学園前駅前でナイフ所持容疑の男逮捕 警視庁(産経新聞)

2 ウィキペディアHP 「岸田首相襲撃事件」「日本で発生した爆発事件・事故

 

参考文献

1 武器と爆薬 小林源文著 大日本絵画 2007年5月
2 爆発の仕組みを科学する 齋藤勝裕著 C&R研究所 2016年2月
3 日本版 民間防衛 濱口和久・江崎道朗・坂東忠信著 青林堂 2018年8月
4 民間人のための戦場行動マニュアル (株)S&T OUTCOMES・川口拓著 誠文堂新光社 2019年6月
5 火薬の話 松永猛裕著 講談社 2014年8月
6 テロ爆弾の系譜 木村哲人著 第三書館 2005年7月

 

※令和6年2月26日:ブログの冒頭に「概要」を追加し、文章の校正をしました。

 

 

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【銃と爆発物から命を守る②】銃の特性と対処法

令和5年12月13日

普段の生活で扱うことのない「銃」。その特性と対処法を知っておけば、危険を回避する確率を上げることができます。わたしは元自衛官。銃を扱った経験をもとにお伝えします。是非ご覧ください。

お疲れ様です。自衛隊卒のセラピストの岡田 凰里(おかだ おうり)です。ブログを読んで頂いてありがとうございます。

 

12月も中旬に入りました。

 

そろそろ今年のカウントダウン…なんて時期になりましたね。

 

暖かい日が続いていますが、海外では何やら肺炎の様な病気が流行りつつあるというニュースも拝見します。

 

体調には十分注意して過ごしましょう。

 

 

さて、前回のブログでは銃や爆発物に関する事件に、遭遇した際のマインドセットをお伝えしました。

 

「必ず生き延びる」

 

という強い意志を持って、”迅速にその場を離れる”んでしたね。

 

逃げ惑ってしまうと2次被害を起こす可能性が高くなります。

 

逃げるという消極的なマインドではなく、生き延びるという積極的なマインドで行動するようにしてくださいね。

 

 

今回のブログでは、銃に関する事件に遭遇してしまった場合の、具体的な対処法についてお伝えしていこうと思います。

 

まだ記憶に残っている方もいらっしゃると思いますが、先日10月31日に、埼玉県戸田市で銃を持った人物による、発砲及び立てこもりの事件が発生しました。

 

実はわたし、前日に仕事でちょうど事件現場のすぐそばにいたんです。。。(*o*)!

 

事件の一報を聞いてびっくりしました。

 

ニアミスだったなと。

 

今回のブログでは、この事件も引き合いに出しながら、銃への対処法をお伝えします。

 

ブログは以下の内容です。

1 対処の前提

2 銃の特性

3 まずは射線から外れる

4 離脱が困難な場合

   (1) まずは姿勢を低く

   (2) 動ける範囲で動く

   (3) もし人質になってしまったら

5 まとめと次回のテーマ

それでは始めていきますね。

 

 

1 対処の前提

まず、今回の説明で前提とする銃は、基本的には単発の銃とします。

 

日本で銃の犯罪に遭遇した際に蓋然性のある凶器は、拳銃や散弾銃だと思われます。

 

機関銃等の連射をするための銃器に遭遇することは、日本ではまずないといっていいでしょう。

 

仮に機関銃を前にしても、銃に詳しくない方は見分けがつかないと思いますので、基本的には単発の銃と同じような対処をとってください。

 

機関銃に対処するためのお話は・・・

 

蓋然性の低いことに対しては、わたしのブログでお伝えするのは控えたいと思います。

 

詳しく知りたい方は、専門の方の情報に頼ってください。

 

 

そしてもう一つ。

 

 

銃に関する事件に遭遇してしまった際、100%安全な方法というのはありません。

 

専門的な訓練を受けていても、被害を受けてしまう場合もあります。

 

逆に、なんの準備もしていなくても、全く被害がなかったという場合もあります。

 

つまり、その場の運に左右される要素があるということです。

 

ただ、運だけで対処してしまうと、それはもう単なる博打になってしまいます。

 

ですので、このブログでは「危険を回避する確率を上げる方法」をお伝えしていきます。

 

 

運と生き延びる手段。

 

 

この二つを併せて、危険を回避する確率を上げていきましょう。

 

 

それではまず初めに、銃の特性について説明したいと思います。

 

 

2 銃の特性

さて、銃の特性をお伝えする前に、わたしが射撃したことのある銃をご紹介したいと思います。

 

まずは64式小銃。

 

次に89式小銃

 

そして最後に9ミリ拳銃


まぁ、元自衛官ですから(^^;

 

当然射撃したことがあります(^。^;

 

これ以外にも様々な銃はありますが、実弾射撃についてはこの3つです。

 

そんな経験のもとお伝えするんですが、、、

 

 

「狙わないと当たらない」

 

 

これが銃の特性です。

 

当たり前のことのように聞こえるかもしれませんが、これはとても重要なことです。

 

例えばナイフのような凶器の場合、持ち方がどうだろうが構えが何だろうが、振り回して相手に突進すれば、危害を加えることができます。

 

しかし、銃の場合はそうはいきません。

 

「構える」

 

「狙う」

 

「撃つ」

 

というこの3つのステップを踏まないと、基本的には当たりません。

 

 

偶然流れ弾に…、なんてことはあるかもしれません。

 

 

ただ、これは運の要素ですね。

 

 

特定の対象に危害を加えようとしている場合、構える・狙う・撃つの3ステップを踏まないと、相手に当てることはまずできません。

 

つまり逆に言うと、適当に構えたり、適当に狙ったり、適当に撃ったりしても、基本的には当たらないということです。

 

ですので、このような事件に遭遇した際、自分が狙われているかどうかを確認することが非常に大切です。

 

こんな時に前回のブログでお伝えしたように、”怯えて逃げ惑って”しまうとどうでしょう。

この状態では、まず間違いなく自分が狙われているか確認しないでしょう。

 

ですので、”迅速にその場を離れる”というマインドセットを持って、自分が狙われているかを確認しながら、可能な限り迅速にその場を離脱してください。

 

こういう感じでしたね。

 

 

それでは、このマインドを持った上で、離脱する際の具体的な注意点についてお伝えしまね。

 

 

3 まずは射線から外れる

「射線」

 

きっと聞きなれない単語ですよね。

 

射線というのは、射撃を行う際の、銃砲身の軸の延長線のことです。

 

こういうことですね。

つまり、射線上にいなければ弾は当たらないということです。

 

ですので離脱する際は、銃から離れるのももちろんですが、射線に入らないようにするのがポイントです。

 

ここで離脱をイメージしてみると、人間の動きの特性上、どうしても直線的に動いてしまうと思います。

 

ただ、射線上を直線的に離れようとすると、的は小さくなるんですが、狙いやすくなってしまうんです。

 

上から見た図で説明すると、このような感じです。

 

 

 

ですので、射線から外れる方向に離脱してください。

 

 

そして可能な範囲で構いませんので、極力低い姿勢で離脱するようにしてください。

 

低い姿勢になることで、射撃の的を小さくすることができます。

 

 

そして、犯人から自分の姿が見えない場所に離脱することができれば、まずは一安心です。

 

そこから慌てずに、なるべく距離のあるところまで離脱しましょう。

 

ただ、どうしても犯人から迅速に距離をとることができない場合もあります。

 

そんな時に、極力危険を避けるための方法をお伝えしますね。

 

 

4 迅速な離脱が困難な場合

安倍首相の銃撃事件の動画を拝見すると、演説をたくさんの方が聴いている最中に事件が起きています。

 

犯人はすぐに取り押さえられましたが、あのような状況で警察の方がいなかった場合、すぐに取り押さえられるわけではありません。

 

そうなると、前の方で演説を聞いていた方は、すぐには逃げることはできません。

 

こんな時にどうすればいいか、お伝えしていきますね。

 

(1) まずは姿勢を低く

まずは、姿勢を低くすることです。

 

これは前項でもお伝えしましたが、これだけで的が小さくなりますので、狙いにくくなります。

 

そして、目線の高さのものの方が狙いやすいので、低い姿勢になれば必然的に狙う対象から外れる可能性が高まります。

 

ただ、この際に座り込んでしまったり、伏せてしまったりすると動けなくなってしまうので、しゃがむまでにとどめましょう。

 

 

(2) 動ける範囲で動く

しゃがんだら、怯えずに相手の銃を見ましょう。

 

そして動ける範囲で構いませんので、射線から外れるように動きます。

 

こんな感じの方向に動くんでしたね。

 

この際、極力姿勢を低くして、射線に気を配りながら動くようにしてください。

 

動いているだけで、狙いにくくなるんです。

 

そして犯人が、特定の人物に危害を加えることを目的としていた場合、自分自身がその特定の人物でなければ、そのまま離脱できるでしょう。

 

ただ、犯人の企図が人質を取って、何かを要求することの場合には話が変わってきます。

 

自分に射線が向いていて、

 

「動くな!」

 

「逃げるな!」

 

「止まれ!」

 

そんな風に命令されてしまった場合は、その命令に逆らわないようにしてください。

 

 

(3) もし人質になってしまったら

専門の訓練をしていない方が人質になってしまった場合には、残念ですが犯人に抵抗しないということに尽きます。

 

抵抗しないで、警察の専門部隊が助けに来るまで、じっと待ちましょう。

 

そして、専門部隊が突入してきた際には、動かないことです。

 

ビックリするかもしれませんが、動いてしまうと救助の妨げになってしまうと同時に、犯人と勘違いされるかもしれません。

 

動かずに警察の方の指示に従いましょう。

 

先日起きた、埼玉県戸田市の立てこもり事件でも、銃を持った犯人が人質を取っています。

 

そして、途中で人質が解放されるシーンも、放映されていました。

 

抵抗しなければ、こういったこともあります。

 

諦めずに、辛抱強く待ちましょう。

 

そして人質になった際には、あまり落ち着いた雰囲気は出さないことです。

 

犯人からすると、落ち着いた雰囲気は、

「抵抗の意志がある」

 

と勘違いされてしまう場合があります。

 

おとなしく、そして不安そうに待つようにしてください。

 

 

必ず助けは来てくれます。

 

 

5 まとめと次回のテーマ

今回のブログでは、銃に関する事件に遭遇した際、生き延びる確率を上げる方法をお伝えしました。

 

射線から外れて、姿勢を低くして迅速に離脱するんでしたね。

 

そして、離脱が困難な際の対処法についてもお伝えしました。

 

特別な訓練をしていなくても、一度イメトレをしておけばできる方法ですので、是非一度やってみて下さい。

 

やるかやらないかで、いざという時の行動が違ってきます。

 

そして前回のブログでもお伝えしましたが、このような事件に巻き込まれることは、まずありません。

 

一度イメトレをしておけば十分です。

 

万が一のことに気にし過ぎても、仕方ないと思います。

 

事件のことはあまり気にせず、治安を守ってくれている方に感謝しながら、楽しい日常をお過ごし頂ければと思います。

 

 

次回は爆発物の対処法と、その対処の限界についてお伝えします。

 

是非ご覧ください。

 

参考文献

1 戦争における「***」の心理学 デーヴ・グロスマン著 安原和見訳 ちくま学芸文庫 2004年

2 「戦争」の心理学 人間における戦闘のメカニズム デーヴ・グロスマン/ローレン・クリステンセン共著 安原和見訳 二見書房 2008年

 

※令和6年2月26日:ブログの冒頭に「概要」を追加し、文章の校正をしました。

 

 

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陸上自衛隊に15年勤務。レンジャー隊員。公認心理師産業カウンセラー

 

在職時は、年200件以上の面談に対応するカウンセラーの任務を行うと共に、隊員に対して災害派遣の心構え」を教育をしていました。

 

そんな自衛隊での教育や、自身の災害派遣の経験をアレンジして、現在は一般向けに「災害の心構え」をお伝えするセミナー講師。

 

 

『どんな災害も乗り越える』

 

 

その心構えを”自衛隊式”で学べるセミナーを提供しています。

 

 

このブログでは、防災のこと、身心の健康、そしてちょっとだけ自衛隊の話を綴っています。

 

自衛隊での経験やセラピストとして学んだことが、皆様のお役に立てば幸いです。

 

ブログの更新は毎週水曜日。

 

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最後までご覧いただきありがとうございました。感謝です。

 

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ラクゼーションセラピスト(2級)、公認心理師(国家資格)、産業カウンセラー、元陸上自衛官、レンジャー隊員、上級体育指導官、予備自衛官(衛生官)

〔※「Windship」及び「Windship treatment」は登録商標です。〕

【銃と爆発物から命を守る】生き延びるためのマインドセット

令和5年12月6日

銃や火薬が規制されている日本であっても、起こらないとは言えない銃や爆発物の事件。滅多にないことですが、備えがないと動けません。まずはいざという時のマインドセットからお伝えします。是非ご覧ください。

お疲れ様です。自衛隊卒のセラピストの岡田 凰里(おかだ おうり)です。ブログを読んで頂いてありがとうございます。

 

10月、11月とブログはお休みしていました。

 

お休みを頂いてありがとうございます。

 

 

あっという間に師走の12月になりました。

 

11月は暖かい日がかなりありましたが、12月に入ってからはグッと気温が下がりましたね(^^;

 

朝晩と日中の寒暖差が激しいので、体調管理に気を付けていきましょう(^^)

 

 

さて、今月のブログテーマは

『銃と爆発物から命を守る』

 

です。

 

ちょっと簡単には扱えないテーマですよね。

 

ただ、2022年には奈良県で安倍首相が銃撃され、命を奪われました。

 

そして2023年4月には和歌山県にて、岸田首相が爆弾による襲撃を受けています。

 

さらに、同年6月には岐阜県の射撃場において、自衛官による銃乱射事件が起きました。

 

これらの事件が起こったことを踏まえて、このテーマを扱う決心をしました。

 

 

わたしは元陸上自衛官、レンジャー教育を修了しています。

 

銃も扱ったことがあれば、爆薬も扱ったこともあります。

 

拳銃、小銃、機関銃、などの火器の射撃。

 

TNTやC4、導爆線などの爆薬による爆破。

 

射撃はしたことはありませんが、迫撃砲榴弾砲の弾薬にも触れる機会がありました。

 

そんな経験から、もし万が一銃や爆発物に関する事件に巻き込まれた際の対処行動について、皆さんにお伝えできることがあると感じました。

 

 

3回に分けてお伝えしていこうと思いますが、まず今週は、一番大切な「生き延びるためのマインドセット」についてお伝えします。

 

今回のブログは以下の内容になっています。

1 このテーマを扱うに当たって

2 まず初めに感謝を捧げます

3 「✕逃げる」⇒「〇離れる」

4 落ち着いて行動するために

5 まとめと次回のテーマ

それでは始めていきますね。

 

 

1 このテーマを扱うに当たって

先ほどこのテーマを選んだのは、「事件がきっかけ」とお伝えしました。

 

もちろんそうなんですが、事件のニュース映像を見たり、コメンテーターの方のコメントを拝聴したり、ユーチューブの考察動画を拝見したりしたんですが…。

 

もう少し具体的に"対処方法”を、お伝えした方がいいような気がしたんです。

 

メディアでは、このような事件に巻き込まれてしまった際、

 

『逃げてください』

 

の一点張り。

 

 

確かにそうなんです。

 

逃げなければならないんです。

 

ただ、どのように逃げればいいのか、具体的には語られていないんですよね。

 

実は生き延びるためには、逃げ方がとても大切です。

 

そして、銃や爆発物のプロフェッショナルの方と一般の方では、事件に遭遇した際にできることが変わってきます。

 

訓練した経験があるかないかで、どうしてもその差は生まれてきてしまいます。

 

そして、このような事件に巻き込まれることは、一生に一度あるかないか。

 

むしろ経験せずに、人生を全うする方がほとんどです。

 

プロならともかく一般の方は、ほとんどおきないことに対処するために時間やお金を使う気にはならないと思います。

 

わたし自身元自衛官ですが、このような事件に遭遇した際の、専門的な訓練は受けていません。

 

ただ、一般の方と違うのは、銃や爆発物の特性を知っていたり、遭遇した際の対処方法を知っていたり、その際の心構えがあることです。

 

 

ですので、プロと一般の方の中間地点にいると感じています。

 

 

そんな立ち位置から、プロの方のお伝えしていることを通訳する。

 

 

そんな感じで、今月のブログを綴っていこうと思います。

 

 

今回のブログは、生き延びるためのマインドセット

 

まずはマインドの部分からお伝えしていこうと思います。

 

 

2 まず初めに感謝を捧げます

「感謝って、何に?」

 

そう感じる方もいらっしゃると思います。

 

そうですよね(^^;

 

意味が解らないですよね。

 

ただ、先ほどお伝えした通り、日本においては銃や爆発物の犯罪は極端に少ないうえに、一般の方の犠牲者はごく少数です。

 

これはもちろん法律で一般人の銃の所持が禁止されていたり、火薬の取り扱いをしっかりと規制しているからです。

 

日本の安心と安全のために、

 

「法律を作ってくださった先人の皆様」

 

「その法律のもと治安を守ってくれている皆様」

 

「いざ事件が起きた時に対応してくださる皆様」

 

このような皆様のお陰で、わたし達は安心安全に日常生活を送れています。

 

そんな皆様に、まずは感謝したいと思うんです。

 

 

心から感謝いたします。

 

 

ありがとうございます。

 

 

ただ、このような皆様だけの力で、安心安全を守れるわけではありません。

 

わたし達一般人も、そのような法律を受け入れ、それを守っているわけです。

 

だからこそ、銃や爆発物に関する事件がごくわずかなわけです。

 

そう考えると、日常すれ違うたんびにお互い感謝ですね(^^;

 

安心安全を守ってくれてありがとう!と。

 

「こんにちは」

 

ではなく、

 

「ありがとうございます」

 

が挨拶言葉になってしまいそうです(^o^;

 

って、いきなり出合い頭に「ありがとうございます」なんて言われたら、

「何にやねん!!」

 

ってツッコミが入りそうですね(^n^;

 

 

でも、本来そう言うことだと思うんです。

 

 

法律を作って、みんなでそれを守って。

 

そして、万が一破る人が出てきたときに、それに対処してくださる皆様がいる。

 

こうやって、日本の安心安全が守られているわけです。

 

ホントに感謝しかありません。

 

 

ただ、ほとんどの方がそうやっている中で、ごくわずかではありますが、それを破ってしまう人間がいるのも事実です。

 

そんな人間のために、わたし達の安心で安全な日常が乱されるのは許せません。

 

 

そうなんです。

 

 

許せないんです。

 

 

もし、このような事件に遭遇してしまった場合には、”逃げる”のではなく、「絶対に許さない!」という気持ちを持ちながら、その場を”離れる”必要があります。

 

 

3 「✕逃げる」⇒「〇離れる」

メディアの情報を拝見していると、

「このような事件に遭遇した際は、かならず逃げて下さい」

 

というコメントがほとんどです。

 

確かに逃げるのは間違いではないんですが…。

 

 

皆さん、

「逃げて下さい」

 

と言われて、どんな行動をイメージしますか?

 

きっと、こんな風な行動をイメージしていませんか?

 

逃げて下さいと言われると、恐らく「逃げ惑う」ことをイメージしてしまうと思うんです。

 

蜘蛛の子を散らすようになんて言ったりしますが、そんな風にとにかくその場から早く逃げることを想像すると思います。

 

確かに”その場から早く”という部分は正解なんですが…。

 

恐怖のままに”逃げて”しまうと、気が動転して、足がもつれて転んでしまったり、他の人を押しのけてまで逃げようとしたり、2次被害が出てしまったり…。

 

案外危険が多かったりするんです。

 

これでは自分も周りの方も、助かる見込みが下がってしまいます。

 

ですので、逃げるのではなく、

『迅速にその場から離れる』

 

というイメージをしてください。

 

そして、

「こんな事しやがって!!絶対に許さん!!」

 

という強い意志を持ちながら、その場を離れるようにしてください。

 

 

「この最悪な状況から、絶対に生き延びてやる!」

 

このマインドセットを持って、その場を離れるようにしてください。

 

このように立ち向かう意思が根底にあれば、冷静にその場を離れることができます。

 

 

あまり一般的な用語ではないと思いますが、その場を”離脱”するということです。

 

 

逃避ではなく離脱

 

 

言葉の使い方だけで、だいぶ印象が変わってきますよね。

 

「戦線を離脱する」

 

なんて言葉が戦争映画で出てきたりしますが、あの離脱です。

 

 

ただ、万が一本当にこのような事件に遭遇した際、上手く離脱できるか不安があると思います。

 

その気持ち、あって当然です。

 

わたし自身、このような場面に遭遇したことはありません。

 

そしてそんな経験をしたことのある方は、日本ではほとんどいないでしょう。

 

こんな時にはフィクションの作品の力を借りて、マインドセットをすることが有効です。

 

 

4 落ち着いて行動するために

銃や爆発物の事件に巻き込まれるなんて、日本で生活している私たちにとっては、ドラマや映画、そしてマンガやアニメの世界の話ですよね。

 

 

ただ、そうじゃない国もあります。

 

 

それが日常茶飯事の国もあったりします。

 

 

何度も経験するようなことであれば、多少は慣れてきて、落ち着いて行動することができるかもしれません。

 

 

でも、日本はそうじゃありません。

 

 

そんな日本に住んでいて、銃や爆発物の事件に巻き込まれて、落ち着いてその場を離脱する練習をするのは、難しいことです。

 

こんな時には、ドラマや映画、マンガやアニメなどのフィクション作品の力を借りて、イメトレをしましょう。

 

 

主人公になったつもりで構いません。

 

 

そして事件に際したら、「あの主人公の力を借りよう!」なんてイメージでいいと思います。

 

もしもの時、ドラマのようにカッコよくできればいいんですが、もちろん現実はそうじゃないかもしれません。

 

それでも、イメトレしたことがあるかないかで、いざという時の行動は変わってきます。

 

 

の様なマインドセットを持って、行動するんでしたね。

 

 

そして、もしフィクション作品でイメトレする場合には、アニメや漫画をおススメします。

 

え?実写の方がリアルでいいんじゃないの?と、感じる方もいるかもしれません。

 

確かに映画やドラマなどの実写はリアルなので、対処行動を学ぶにはいいんですが、心理的なものを表現するのが難しいんです。

 

今週のブログはマインドセットをテーマにしています。

 

心理的なことは漫画やアニメの方が参考にしやすい感じがします。

 

 

わたしのおススメは、

アニメ「ジョジョの奇妙な冒険 第5部『黄金の風』 24話~25話」

 

です。

 

トリッシュという少女が困難に出会ったときの臆病な心理、そして精神的に成長していく姿が細かく描かれています。

 

ETFLIX、DMM、U-NEXTのネット配信で見れるみたいです。

 

契約されている方は、是非ご覧いただければと思います。

 

ユーチューブでは切り取り動画がありますね。

 

ただ、切り抜きだとマンガを知っている方でなければ、イメージが難しいかもしれません。

 

わたしはアニメやマンガに詳しいわけではないので、もしもっとふさわしい作品があれば、コメントやメールでお教えいただければ幸いです。

 

銃や爆発物の事件に巻き込まれるなんて、一生に一度、遭遇するかしないかの出来事です。

 

一度イメトレをしておけば、それで十分だと思います。

 

日本で生活するのであれば、そんなことに怯える必要はないと思うんです。

 

ただいざという時、"迅速にその場を離れる”という意志だけは、忘れないでくださいね。

 

 

5 まとめと次回のテーマ

今回のブログでは銃や爆発物に関する事件に遭遇してしまった際の、マインドセットについてお伝えしました。

 

絶対に許さないという意思のもと、迅速にその場を離れるんでしたね。

 

そして、

 

「✕怯え逃げ惑う」

 

  ⇩

 

「〇迅速に離れる」

 

こういう風に行動するんでした。

 

ちょっとしつこいかもしれませんが、

 

という感じでした。

 

そして、もし余裕があれば恐怖に慄いている方を、励ましながら離脱するようにしてください。

 

お互い協力して、被害を最小限にしましょう。

 

 

最後に付け加えておきたいんですが、以前「京王線刺傷事件」をテーマにブログを書きました。

 

そのブログで、「逃げるだけが選択肢ではない」とお伝えしました。

 

これはあくまで、「対ナイフで単独犯行」という条件を想定しています。

 

銃や爆発物とナイフでは、間合いや殺傷力が違います。

 

銃や爆発物の事件に遭遇した際は、必ずその場を離れるようにしてください。

 

ブログの最後に京王線刺傷事件のブログを張り付けておきますので、興味のある方はご覧ください。

 

 

次回のブログでは、事件に遭遇した上に、その場から離れることが難しい場合の対処法についてお伝えします。

 

是非ご覧ください。

 

 

京王線刺傷事件のブログ

 

参考文献

1 戦争における「***」の心理学 デーヴ・グロスマン著 安原和見訳 ちくま学芸文庫 2004年

2 「戦争」の心理学 人間における戦闘のメカニズム デーヴ・グロスマン/ローレン・クリステンセン共著 安原和見訳 二見書房 2008年

 

参考資料

 

※令和6年2月26日:ブログの冒頭に「概要」を追加し、文章の校正をしました。

 

 

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そんな自衛隊での教育や、自身の災害派遣の経験をアレンジして、現在は一般向けに「災害の心構え」をお伝えするセミナー講師。

 

 

『どんな災害も乗り越える』

 

 

その心構えを”自衛隊式”で学べるセミナーを提供しています。

 

 

このブログでは、防災のこと、身心の健康、そしてちょっとだけ自衛隊の話を綴っています。

 

自衛隊での経験やセラピストとして学んだことが、皆様のお役に立てば幸いです。

 

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【セミナーPR】災害の心構えを”自衛隊式”で学びませんか?

令和5年9月27日

「災害の心構え」と聞いてもあまりピンとこないかもしれません。備蓄やBCPも大切ですが、心構えがないといざという時には、冷静に行動できません。その心構えを学べるセミナーのご案内です。是非ご覧ください。

お疲れ様です。自衛隊卒のセラピストの岡田 凰里(おかだ おうり)です。ブログを読んで頂いてありがとうございます。

 

9月も今週で終わり。

 

日に日に秋の気配が濃くなってまいりました。

 

ようやく暑さも、峠を越した感じがしますね。

 

今月のブログでは、「平成25年伊豆大島土砂災害」をテーマに

・9/6     【土砂災害の傷跡を顧みる】景観が及ぼす心理的な影響と復興の道のり

・9/13   【平成25年伊豆大島土砂災害】町役場のインタビューで感じたこと

・9/20   【平成25年伊豆大島土砂災害②】10年後の被災地と再生した自然

 

の3回に分けて、被災後の現場についてお伝えしました。

 

皆様の防災の一助になれば幸いです。

 

 

さて今回のブログでは、弊社主催のセミナーのPRをさせて頂ければと思います。

セミナーの受付は終了しました!お申込みありがとうございました(^^)

 

弊社では,

「どんな災害も乗り越える」

 

をテーマに、災害の心構えを自衛隊式でお伝えするセミナーを提供しております。

 

このセミナーは、ご要望のあった企業様向けに開催しているものです。

 

この中で、個人様のご要望もいただいておりましたが、コロナ禍の中では個人向けのセミナーの開催が難しい現状がありました。

 

 

この度コロナ禍も明け、社会の不安感も以前に比べて和らいできたことから、個人の方を対象としたセミナーを開催することに致しました。

 

まずは日時等をご案内します。

 

日時等

・開催日:令和5年10月22日(日)

・定 員:先着40名様

・料 金:11,000円

・時 間:13:30~16:30

・会 場:練馬区立区民・産業プラザ3F研修室2

 

お申込み・お問合せ

参加希望者のお名前とフリガナを入力し、下記メールアドレスへ送信してください。

Mail:sukkirioasis@gmail.com

 


さてさてところで、セミナーのテーマである、
「どんな災害も乗り越える」

 

に対して、疑問に思う方もいるかもしれません。

 

それもそのはずです。

 

なぜなら備蓄や避難方法など被災時の生き延び方の情報は数多くありますが、被災後の乗り越え方は語られないからです。

 

これを踏まえると、災害の心構えと乗り越え方を、個人で学ぶのには難しいのが現状です。

 

その心構えと乗り越え方を、自衛隊式で」提供しているのが、弊社のセミナーになります。

 

そしてその具体的な方法は、東日本大震災で隊員達が災害を乗り越えるために行っていた「任務解除ミーティングを習得すること」になります

 

セミナーでは元陸上自衛官の講師が、その「任務解除ミーティング」を一般向けにアレンジしてわかりやすく指南します。

 

セミナーでは、災害への不安や被災時の心身のストレスを軽減するために、次の内容と共にミーティングの要領を学びます。

 

1 自衛隊式の呼吸法

2 実際に遭遇する場面のご紹介

3 災害時特有のコミュニケーション

 

 

これらの事を学んでおくことで、災害に対する心構えができ、いざという時に落ち着いて行動することができます。

 

 

 

災害に遭遇することは、一生に一度あるかどうか。

 

そこでセミナーでは、一度学べば末永く使える方法をご提供致します

 

 

セミナーの特長は、被災しないと知り得ない情報を集約したセミナーを提供していることです。

 

・講師は東日本大震災など、数々の災害派遣を経験した元陸上自衛官

 

・心理の国家資格を持つ公認心理師

 

・部隊の教育を担当していたストレス対処教育のプロフェッショナル

 

そんな経験をもとに、お伝えしています。

 

 

そして受講のメリットは、被災時のストレスを最小限に抑えて、復興活動を促進できることです。

 

セミナーの特長とメリットをまとめてありますので、是非ご覧ください。

 

セミナーの特長とメリット

https://1536e501-c82a-4427-ac20-54eca297d167.filesusr.com/ugd/b29da9_327427e7b1084e75abb046db3d06c025.pdf

〔PDFデータになります〕

 

 

この機会に、災害の不安とサヨナラして、安心な日常を過ごしましょう。

 

 

セミナー詳細

・開催日:令和5年10月22日(日)

・定 員:先着40名様

・料 金:11,000円

・時 間:13:30~16:30

    (途中休憩あり)

・会 場:東京都練馬区立区民・産業プラザ3F 研修室2西武池袋線練馬駅徒歩1分)

 

・講 師:スッキリオアシス代表 岡田 凰里

 

 

 

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参加希望者のお名前とフリガナを入力し、下記メールアドレスへ送信してください。

Mail:sukkirioasis@gmail.com

 

申し込み順に振込先口座及び振込期限、当日の詳細をお伝えします。振り込みが確認でき次第予約確定となります。

 

 

講師略歴

スッキリオアシス代表

 岡田 凰里

(おかだ おうり)

 

公認心理師(国家資格) 産業カウンセラー 予備自衛官

 

陸上自衛隊に15年勤務。レンジャー隊員。 

 

度重なるの災害派遣、そして陸自で最も過酷と言われるレンジャー訓練の経験から、ストレス対処の重要性を認識する。

 

陸上自衛隊では、部隊専属のカウンセラーを立ち上げ約5年間勤務。

 

年間200件以上のカウンセリングに対応すると共に、ストレス対処教育を担当。

 

関東甲信越に所在するすべての駐屯地を巡回し、教育を行う。

 

現在は自衛隊を退職し、一般向けに「自衛隊式の災害の乗り越え方」を伝える、セミナー講師として活動。

 

※令和6年2月28日:ブログの冒頭に「概要」を追加し、文章の校正をしました。

 

 

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陸上自衛隊に15年勤務。レンジャー隊員。公認心理師産業カウンセラー

 

在職時は、年200件以上の面談に対応するカウンセラーの任務を行うと共に、隊員に対して災害派遣の心構え」を教育をしていました。

 

そんな自衛隊での教育や、自身の災害派遣の経験をアレンジして、現在は一般向けに「災害の心構え」をお伝えするセミナー講師。

 

 

『どんな災害も乗り越える』

 

 

その心構えを”自衛隊式”でレクチャーしています。

 

 

このブログでは、防災のこと、身心の健康、そしてちょっとだけ自衛隊の話を綴っています。

 

自衛隊での経験やセラピストとして学んだことが、皆様のお役に立てば幸いです。

ブログの更新は毎週水曜日。

 

月に一度、ブログテーマのアナウンスをしています。

 

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ラクゼーションセラピスト(2級)、公認心理師(国家資格)、産業カウンセラー、元陸上自衛官、レンジャー隊員、上級体育指導官、予備自衛官(衛生官)

〔※「Windship」及び「Windship treatment」は登録商標です。〕

【平成25年伊豆大島土砂災害②】10年後の被災地と再生した自然

令和5年9月20日

土砂災害から10年経った伊豆大島。その復興は容易なものではありません。先日の現地取材で撮影した写真と、被災当時の写真を比較しながら、再生した今の伊豆大島をご案内します。是非ご覧ください。

お疲れ様です。自衛隊卒のセラピストの岡田 凰里(おかだ おうり)です。ブログを読んで頂いてありがとうございます。

 

9月も下旬に入りました。

 

まだまだ暑い日が続いていますね(^^;

 

いつまで続くことやら…(^o^;

 

ただ、朝と夕方は秋の気配を感じるようになってきました。

 

この暑さの峠は、なんとか越した感じがしますね。

 

これからは寒暖の差が激しくなってくると思いますので、体調管理には注意していきましょう。

 

 

前回のブログでは、町役場へのインタビュー、そしてそれについて私が感じたことをお伝えしました。

 

日本で起きるすべての種類の災害に備えている、大島町役場

 

被災後10年の道のり

 

そして、心構えが大切であること

 

そんなことをお伝えしました。

 

前回のブログも是非ご覧ください。

 

 

今回のブログでは、土砂崩れを起こした現場の今をお伝えします。

 

主に被害の大きかった大金沢地区の現状と、再生した自然についてお伝えしていきます。

 

ブログは以下の内容です。

1 慰霊碑へお参り

2 10年後の被災地の今

3 再生した自然を望んで

4 災害を乗り越えるために

5 まとめと来月以降のテーマ

それでは始めていきますね。

 

 

1 慰霊碑へお参り

実は町役場へのインタビューに行く前日に、災害で犠牲になられた方々の慰霊碑のお参りに伺ったんです。

 

とても景色の良い場所にありました。

 

慰霊碑は、大島メモリアル公園内にあります。



 

大島メモリアル公園は、土砂災害の跡地に作られた公園です。

 

全く同じ場所ではないとは思いますが、下の写真のような被害があった場所を整地して作られました。

(※参考資料1より引用 写真提供:気象庁

 

(※参考資料1より引用 写真提供:気象庁

 

 

今では、災害当時の面影は全くありません。



階段を登って、慰霊碑へ向かいます。

 

 

 

 

 

 

 

景色がとてもいいので、大島に訪れた際は是非足を運んでみて下さい。

 

 

2 10年後の被災地の今

大島メモリアル公園から見える山には、10年前の土砂災害の爪痕を見て取ることができます。

 

 

公園から少し離れた野増地区からも、その爪痕がうかがえます。

 

 

遠目からですが、茶色い山肌は確認できません。

 

この土砂崩れの跡を、近くで見てみることにしました。

 

御神火スカイラインをサイクリングしながら、10年後の土砂崩れの跡の今をお届けします。

 

【御神火スカイライン

 

前回のブログでお伝えしましたが、土砂崩れが起きたところには、再生事業で人の手が入っています。

 

ですので、自然だけの力で回復したわけではありません。

 

下から見えた部分の、ピンポイントの場所とはいかないと思いますが、それを踏まえた上でご覧ください。

 

 

いざ、山へ向け登っていきます。

 

緑の濃淡はあるものの、自然は回復しているのを感じることができます。

 



 

 

 

(※参考資料1より引用 写真提供:気象庁

 

 

 

ちょっと景色は麓に戻りますが、この砂防の先は大金沢流水路に続いています。

 

 

 

さてさて、また御神火スカイラインに戻ります。

 

ここも10年前の爪痕と思われます。

 

取材目線で見れば跡は見えてきますが、そうでなければ普通の草むらです。

 

そして土砂崩れのスタート地点と思われる場所から、海を臨むことができました。

 

この地点から遥か下の方に、被害の大きかった元町地区を望むことができます。

 

 

さらに登っていくと、最近できた土砂崩れの跡がありました。

 

 

山で土砂崩れが起きるのは仕方ないことですが、やっぱりその破壊力はすさまじいものがあります。

 

御神火スカイラインを登り切って、三原山山頂口からの景色はとっても素敵でした。

お食事をいただいた、「歌乃茶屋さん」からの眺めも最高でした♪

御神火スカイライン伊豆大島のおススメの観光スポットです。

 

 

3 再生した自然を望んで

今回10年後の被災地を望んでみて、わたし個人の感想は、

「あの災害から復興したんだな」

 

と感じました。

 

わたしの様に、被災直後の現場を直接見た経験のある人間は、大島の風景を遠目に見れば、

「あれはあの時崩れた跡だ」

 

と認識できます。

 

これは、取材目線で見ているからだと思います。

 

ただ、そういう経験がなければ、今の大島の風景を見ても

「これがあたりまえの風景」

 

そう感じると思います。

 

さらに近くで見てみると、緑で覆われていて、10年前に土砂災害があったとは思えない風景が広がっていました。

 

そして実はこの取材の後、コロナ前に伊豆大島に観光に行ったという方と話す機会があったんです。

 

その方は、災害の爪痕は感じなかったとおっしゃっていました。

 

コロナ前というと、4年ほど前でしょうか。

 

その時点ですでに観光目線であれば、災害の爪痕を感じない程まで復興していたんだと思います。

 

そしてこの復興した「あたりまえの風景」は、地元の方はもちろん、自治体の方が根気強く地道に復興を続けた証だと思います。

 

お陰様で安全安心の、楽しい取材ができました。

 

心から感謝致します。

 

ありがとうございます。

 

 

4 災害を乗り越えるために

災害は理不尽です。

 

 

本当に理不尽です。

 

 

今回の取材で、当時土砂が崩れた大元と思われる部分から、街の景色を見てみました。

 

その標高は、400ⅿを越えています。

 

 

つまり、東京タワーやあべのハルカスを優に超える高さから、土砂と流木が流れてきたわけです。

 

 

そんなところから土砂が流れてきたら、ひとたまりもないことは想像に難くありません。

 

 

その土砂災害が起きた時間は、真夜中の午前2時~午前3時頃。

 

 

丑三つ時の真っ暗闇の中、土砂崩れが起きたということです。

 

 

そしてこの土砂崩れは、台風という移動しながら風雨をもたらす自然現象により発生しました。

 

 

そしてその台風がもたらした雨量は、1時間に125㎜を記録。

 

 

その月の1か月の平均降水量は329mm

 

 

つまりたった1時間で、月の降水量の1/3を超える雨が降ったわけです。

 

 

そんな量の雨が降ると、誰が予想できたでしょうか。

 

 

そして標高400mを超えた地点から、海にまで至る土砂崩れ発生すると、誰が予想できたでしょうか。

 

 

発生した後であれば、いくらでも分析できます。

 

 

「こういうメカニズムで発生した」

 

 

そんなことは発生した後であれば、いくらでも論じることができるんです。

 

 

 

 

 

わたしが何をお伝えしたいのか。

 

 

 

 

 

それは、

「自然災害の発生を事前にすべて予測するのは、不可能である」

 

ということです。

 

 

このマインドセットを持って、災害に備えて欲しいんです。

 

 

そのための準備と、心構えをしておいていただきたいんです。

 

 

もちろん防災のために、何重もの対策が行われています。

 

 

ただその対策だけでは、被害を100%防ぐことはできないんです。

 

 

防災を語る上で、「自助・共助・公助」という言葉があります。

 

 

この言葉が示す通り、まずは「自助」なんです。

 

 

 

 

 

今月は防災月間。

 

 

 

 

 

もし災害の準備と心構えが後回しになってしまってるな…と感じる方は、この機会に一度向き合っておきましょう。

 

 

災害のことに向き合うのは、億劫に感じるかもしれません。

 

 

それは誰もが同じだと思います。

 

 

ただ、一度しっかり準備と心構えをしておけば、安心して日常を過ごすことができますよ。

 

 

ブログの最後に災害備蓄のブログを張り付けておきますので、是非ご覧になってみて下さい。

 

 

5 まとめと来月以降のテーマ

今回のブログでは、被災地の10年後の今をお伝えしました。

 

10年経った伊豆大島の自然は、再生していること。

 

防災対策が施され、安心して観光ができること。

 

災害は理不尽で、すべてを予測するこは不可能であること。

 

そんなことをお伝えしました。

 

 

災害というのは、滅多に起きることではありません。

 

滅多に起きないことに備えるのは、本当に大変なことです。

 

ただ備えがないと、その被害は甚大になります。

 

その備えの一歩として、まずは「自助」

 

自分自身の備えをしましょう。

 

そして自分で備えをしてみると、何事もなく過ぎていく日常や、自分の知らない所で施されている防災対策のありがたさを、きっと感じることができると思います。

 

 

このブログが、そんなことを感じる一助になれば幸いです。

 

 

伊豆大島の取材の旅は、防災について得るものが多かった上に、本当に楽しかったんです。

 

是非皆さんも伊豆大島に行って、楽しい時間をお過ごしいただければと思います。

 

 

取材させていただいてありがとうございました。

 

心から感謝致します。

 

ありがとうござます。

 

 

以下、来月以降のブログについてご連絡です。

 

大変恐縮ではございますが、10月と11月はブログの更新をお休みします。

 

この2カ月は、これまでのブログのまとめ記事をお届けしますので、ご了承ください。

 

そして12月は一年の締めくくりとして

「火器と爆薬から命を守る」

 

をテーマにお届けします。

 

是非ご覧ください。

 

 

参考資料
1 平成25年伊豆大島土砂災害記録誌(PDF) 平成29年3月 東京都伊豆大島町防災対策室編著 
2 気象庁HP

 

※令和6年2月28日:ブログの冒頭に「概要」を追加し、文章の校正をしました。

 

 

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前回のブログ

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【平成25年伊豆大島土砂災害】町役場のインタビューで感じたこと

令和5年9月13日

平成25年(2013年)に起きた、伊豆大島土砂災害。実はわたしは、当時の被災地を現場視察で訪ねていたんです。当時の記憶を振り返りながら、町役場のインタビューで感じたことをお伝えします。是非ご覧ください。

お疲れ様です。自衛隊卒のセラピストの岡田 凰里(おかだ おうり)です。ブログを読んで頂いてありがとうございます。

 

9月も中旬に入りましたが、未だに暑い日が続いていますね。

 

夏が終わったな…とは、まだ思えませんよね(^^;

 

まだまだ熱中症には、油断禁物の様です(==;

 

熱中症の予防には水分の取り方、特に飲み込み方が重要です。

 

飲み込み方を間違えると、予防はおろか水中毒になって余計に体調が悪化します。

 

このブログの最後にブログを張り付けておきますので、是非ご覧ください。

 


さて、今月9月は防災月間です。

 

それに合わせて今月は、
『平成25年伊豆大島土砂災害』

 

をテーマにしています。

 

 

前回のブログでは昨年取材に行った、北海道胆振東部地震のブログ

「景観がもたらす心理的な影響」

 

をご覧いただきました。

 

地震から4年後の厚真町の状況

 

景観がもたらす心理的な影響

 

そして、本当の復興とは。

 

 

伊豆大島の土砂災害の取材をご紹介するにあたって、前置きをさせて頂きました。

 

お待たせいたしました。

 

今週のブログでは、インタビューに応じてくれた大島町役場の担当の方の話をご紹介しながら、10年前の土砂災害を振り返ります。


内容は以下の通りとなっています。

1 伊豆大島土砂災害とは

2 この災害でのわたしの体験

3 町役場でのインタビュー

4 インタビューで感じたこと

5 まとめと次回のテーマ

それでは始めていきますね。

 

 

1 伊豆大島土砂災害とは

平成25年伊豆大島土砂災害は、台風26号の大雨に伴い、2013年10月16日午前2時から3時にかけて発生した土砂災害です。

 

伊豆大島の元町地区上流の、大金沢を中心とした渓流において発生した、流木を伴った土石流が発生しました。

 

元町地区上流の大金沢地区

 

大島の元町では1時間に125㎜の猛烈な雨が降り、24時間降水量では824㎜を記録し、大島での観測史上1位の値を更新しました。

 

ちなみに、大島の10月1か月の平年降水量は329㎜。

 

一カ月に降る雨の、実に2.5倍の量の雨が一日に降ったことになります。

 

この尋常ではない降雨量による土石流の威力はすさまじく、次の様な被害が出ています。

 

死者    36名
行方不明者 3名

 

建物の全壊 137棟
大規模半壊 28棟
半壊    49棟
一部損壊  186棟

 

被災世帯数 179世帯
被災人数  324名

 

このような甚大な被害が出ました。

 

そして行方不明の3名は、未だに発見されていません。

 

このほかにもライフラインの被害、公共施設の被害、農林業への被害にも甚大な被害が出ました。

 

また、土石流が発生したのが、深夜の2時から3時にかけての真夜中だったため、状況の把握が非常に困難なものになりました。

 

災害発生後は、大島町役場の職員はもちろんのこと、地元消防団、警視庁、東京消防庁海上保安庁自衛隊による救助活動が行われています。

 

地元消防団の団員

 

警視庁の警察官

 

東京消防庁隊員

 

海上保安庁のダイバー

 

陸上自衛官

(※写真は参考資料1より引用 写真提供:気象庁東京消防庁・大島社会福祉協議会海上保安庁

 

 

災害発生の翌日から、11月8日までの23日間で、延べ約34,000人の人員が活動にあたっています。

 

なお自衛隊においては、統合任務部隊(JTF)が編制され、陸・海・空の自衛隊が統合的に運用されました。

 

実際にわたしの所属していた部隊の車両は、海上自衛隊のLCAC(エルキャック)という揚陸艇で大島に上陸しています。

 

 



そしてわたし自身は被災現地で活動することはありませんでしたが、偶然にも現地に赴くことになりました。

 

 

2 この災害でのわたしの体験

実はこの災害は、非常に印象に残っています。

 

なぜなら、とてもキツかったからです。

 

なぜキツかったかというと、ちょうど仕事が過密な時期に発生した災害だったからです。

 

 

その仕事とは国家的行事である自衛隊観閲式、そして引き続きの日米共同指揮所演習…。

 

 

災害派遣があるからと言って、すべての行事や訓練が延期や中止になるわけではありません。

 

延期・中止にできない場合もあるんです。

 

あの時は年末まで、寝る時間以外はずっと仕事をしているという日が続きました。

 

 

仕事をしていれば、誰しもこんな時はありますよね。

 

 

災害派遣伊豆大島だけに部隊が展開していたわけではなく、本土側にも部隊が展開していました。

 

本土に展開していた部隊、そして被災現地に展開している部隊の現地確認の一環で、被災地に足を踏み入れることになりました。

 

 

 

土砂災害の現場を見て感じたこと。

 

 

 

それは、

『このとんでもない規模の土砂崩れを、誰が予想できただろうか』

 

この一言に尽きます。

 

 

元町地区の土砂災害の現場に際して、わたしはしばらくの間、立ち尽くしたのを今でも覚えています。

 

山腹から襲った土砂

 

土砂の圧倒的破壊力

(※写真は参考資料1より引用 写真提供:気象庁

 

圧倒的な破壊力の土砂は、海岸まで至りました。

 

なすすべなく破壊された家屋には、唖然とするしかありませんでした。

 

わたしが居合わせた現場で、偶然犠牲者が発見され、敬礼で葬送しました。

 

 

そして被災していない地域では、いつもの時間が流れているように感じました。

 

 

このような状況を短時間に体験して、なんだか心の整理がうまくつかなかったのを覚えています。

 


帰路の際には、島民の方に自衛隊ありがとう」と書かれたプラカードを持って、手を振っていただきました。

 

 

災害派遣には携わることは何度もありましたが、このようなテレビの映像で流れるような場面を経験をするのは初めてでした。

 

 

「こちらこそ、ありがとうございます」

 

 

そんな風に思いながら手を振り返し、島を後にしました。

 

 

わたしの中でこの災害が印象に残っているのは、"キツかった”からだけでなく、1日の内に色々な体験をしたせいもあるのかもしれません。

 

 

当時はあまり考える余裕はありませんでしたが、気持ちの整理がつかず、心が追い付いていなかったような気がします。

 

 

あれから10年経った伊豆大島

 


現在の伊豆大島をこの目で見たいと思い、取材で再訪しました。

 


そして大島町役場の担当者の方が、インタビューに応じてくれました。

 

 

3 町役場でのインタビュー

大島町は、日本で起こり得るすべての災害に、対応しなければならないんです』

 

インタビューの最初に、防災担当の方から教わったことです。

 

日本で起こり得る災害とは、

 


地震

 

津波

 

風水害

 

土砂災害

 

火山災害

 


事前に伊豆大島について調べはしたんですが、改めて言われないと気が付くことができませんでした。

 

このすべての災害を想定しなければならない自治体は、なかなかないですよね。

 

 

大島は活火山の島です。

 

 

国内111座の活火山の内、約1割の12の活火山が伊豆諸島に属しています。

 

そして伊豆大島火山は、実際に1986年に噴火しています。

 

さらに天候でフェリーが離着岸する港が変わるなど、自然の力を身近に感じる土地です。

 

 

そんな中で災害に立ち向かっているのが、大島町役場の防災担当の方々です。

 

 

先月のブログでもお伝えしましたが、インタビュー前日に自転車で島を一周しました。

 

サイクリングを楽しむという目的もあったんですが、災害の爪痕が残っていないかを見て回る目的もあったんです。

 

わたしの見た限りでは、土砂崩れ後の茶色い土が見える山肌は確認できませんでした。

 

「土砂崩れが起きた部分の緑は、もう回復したんですね」

 

そうお伝えすると、

 

「いえ、実はあの土砂災害のままの山肌もあるんです」

 

「そうなんですか。10年経って自然の力では回復できていないんですか?」

 

「はい。緑が回復しているところは、人の手が入っているところです」

 

「都の事業で、島特有の成長の早い植物の種子を、ヘリで空中散布した地域もあります」

 

 

・・・。

 

 

わたしは10年あれば、自然の力である程度の緑は回復すると思っていました。

 

 

しかし、現実は違いました。

 

 

自然だけの力では、10年ほどの年月では緑を回復することが難しい。

 

 

緑を早く回復させるためには、人間の力が必要である。

 

 

そんなことを教えていただきました。

 


去年取材した北海道胆振東部地震では被災した、厚真(あつま)、安平(あびら)、むかわの3つの町で、土砂崩れなどで広範囲の森林が消失しています。

 

そして先日の9月6日で5年経ちましたが、植林などで再生したのは6%弱にとどまるとのことが、道のまとめで明らかになっています。

 

森林の再生というのは、とても長い道のりのようです。

 

それでも実際に大島に赴いて、観光客目線で見て茶色い山肌が見えないのは、地元の方や都の職員、そして町役場の方が地道に災害に向き合ってきた証だと思います。

 

そしてインタビューの中で、最も強くおっしゃっていたのが、

 

「災害に際して、”心構え”が非常に大切です」

 

「心構えをしておくことを、皆さんに伝えて欲しい」

 

自然との距離が近く、日本で起こり得るすべての災害に対応しなければならない町役場の方のこの言葉は、とても重く感じました。

 

この町役場の担当者の方の想いを、わたしなりに読み解いてみました。

 

 

4 インタビューで感じたこと

町役場でのインタビューは、月曜日に伺いました。

 

わたしが島に着いたのは土曜日の朝で、その間に飲食店などで地元の方と話す機会がありました。

 

そこで感じたのは、島民の方は自然に対する感覚が、本土の人間とは少し違うことです。

 

自然が身近で、自然への畏怖の念が強い。

 

会話の端々から、そんな印象を受けました。

 

確かに目の前に活火山と海があって、雨風で船の発着港が変わる環境です。

 

そうなるのも当たり前と言えば、当たり前です。

 

 

そういう環境で生活されている方が、

心構えが大切である

 

そうおっしゃっているわけです。

 

 

 

「災害に備えて、心構えをする」

 

 

 

そんなことを積極的にやりたい人は、いないと思うんです。

 

できれば、災害になんて遭遇したくないわけですから。

 

こうなると心構えをしておくことから、どうしても目を背けたくなってしまいますよね。

 

 

これは誰もが一緒だと思います。

 

 

「ただその心構えがないと、いざという時の行動に大きな影響を与えてしまう」

 

これは元自衛官のわたし自身、経験していることです。

 

そして、町役場の方もそれを経験しているからこそ、”心構え”という言葉が出てきたんだと思います。

 

 

 

心構えがないと、行動ができないんです

 

 

 

避難を呼びかけた際、避難する方もいればしない方もいます。

 

避難するって、大変なことですからね。

 

それでは避難する方としない方の違いは何か…。

 

 

恐らくそこに、”心構えの差”があるんだと思います。

 

 

科学技術の発展で、雨風の予測の精度は上がっています。

 

それでも、完璧に予測できるわけではありません。

 

 

つまり、自然災害を正確に予測することは、現代科学では不可能なんです

 

 

だからといって、予測技術や災害の対策の歩みは、止まっているわけではありません。

 

 

着実に、一歩一歩進んでいると思います。

 

 

ただ、そこには限界があることを忘れないでください。

 

 

人間の予測を超える災害は、必ず起きます。

 

 

そして、いざという時に生死を分けるのは、”心構えの有無”ということが間々あります。

 

 

今月は防災月間です。

 

 

是非この機会に、被災した時の”心構え”があるかどうかを、胸の内に尋ねていただければと思います。

 

 

5 まとめと次回のテーマ

今回のブログでは、大島町役場でのインタビューと、その内容を通して災害に対する”心構え”についてお伝えしました。

 

 

心構えがないと行動できないこと。

 

災害の予測には限界があること。

 

心構えの有無が生死を分ける場合があること。

 

 

そんなことをお伝えしました。


今回のブログを読んで、心構えをしてみよう!と感じた方は、まずはお住まいの自治体の「防災の手引き」をご覧ください。

 

地域の特性に合わせた、準備や避難の要領が記載されています。

 

現代は情報化社会で、ネットで検索すれば、色々な情報がヒットします。

 

もちろんそちらを参考にしてもいいんですが、初めの一歩は自治体のものです。

 

わたし自身も、住んでいる自治体のものを参考に、災害準備をしています。

 

是非一度、目を通していただければと思います。

 


次回のブログでは、被災10年後の現地の様子を、写真と共にお伝えします。

 

是非ご覧ください。

 

参考資料
1 平成25年伊豆大島土砂災害記録誌(PDF) 平成29年3月 東京都伊豆大島町防災対策室編著 
2 気象庁HP

 

参考文献
1 伊豆諸島の自然と災害 鈴木毅彦・市古太郎編著 古今書院 2023年3月

 

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熱中症予防する水分の取り方

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経歴・資格など
ラクゼーションセラピスト(2級)、公認心理師(国家資格)、産業カウンセラー、元陸上自衛官、レンジャー隊員、上級体育指導官、予備自衛官(衛生官)

〔※「Windship」及び「Windship treatment」は登録商標です。〕