自衛隊卒のセラピスト

セラピスト&自衛官の経験と共に、笑顔になる話題をお届けします。

【お辞儀と敬礼】~コロナと共に④~

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★元陸自レンジャー隊員が、Withコロナの「今を生き抜く術」をお伝えします★

お疲れ様です。ブログを読んで頂いてありがとうございます。

 

前回のブログではコロナと放射能についてお伝えしました。自分でできることとできないことをハッキリと分けて、自分以外の力にも頼るようにしてくださいね。 

 

緊急事態宣言が発出されてから3週間近くが経ちました。食事をするときには「黙食」と言われたり、場合によっては感染リスクを回避するために自主的に弧食を行っている人もいるかもしれません。

 

近くに人がいるのにコミュニケーションをとれない、そしてそれを避けなければならないのはとてもつらいことですよね。

 

新型感染症の流行は自衛隊災害派遣に出ていることからも、「災害」という認識のもと行動しなければなりませんが、実は災害時のコミュニケーションって、案外悩ましいものものなんです。

 

 

私は元自衛官ですが、災害派遣には何度も従事しました。

 

 

災害時には自衛隊や消防、警察などは「職業的救援者」となります。私たちの目の前には「被災者」がいました。そして「復興支援ボランティア」の方もいました。

 

三者三様の立場があるのですが、この立場の違いがコミュニケーションをとるにあたって問題を引き起こすこともあります。

 

 

 

どんな問題かというと・・・。

 

 

ここで今回は災害派遣時のエピソードを1つ紹介したいと思います。

 

 

 

派遣された先で任務を行うために車両を運行していました。ある宿営地から現場へ向かう途中でした。

 

片側一車線のローカルな国道を運行していたところ、ガソリンスタンドが見えてきました。

 

そしてガソリンスタンドの先には車にガソリンを入れようと、被災者の皆さんの車が長蛇の列をなしていました。

 

発災して間もない時だったので、物資が足りない状況でした。車社会の現地では、このようなことになるのは当然です。

 

被災者の皆さんの日常が早く戻るように、自分に与えられた任務をしっかりとこなそう、そんなことを考えていたその時でした。

 

並んでいる車から、急に1人の方が車を降りました。

 

一体どうしたことかと思ったら、進んでいく私達の車に深々とお辞儀をしてくださったんです。

 

止まって声をかけよう、、、そう思ったのですが、一瞬ためらってしまいました。

 

 

・・・。

 

 

いったいどんな声をかければいいんだろう、と。

 

 

私自身は任務として、つまり仕事として現地にいました。私自身は被災者ではありませんでした。

そんな人間が被災者に向かって、「頑張りましょう」とはとてもじゃないけど言えないと感じてしまったんです。

 

だからといってそのまま素通りすることもできませんでした。

 

車で進んでいたので、私はとっさに「敬礼!!」と声をかけ、車両の中にいた三人で敬礼をしました。

 

相手の方は深々とお辞儀をしていたので、私たちの敬礼は見えなかったと思います。そしてエンジン音にかき消されて私の「敬礼」という号令も聞こえなかったと思います。

 

 

ただの自己満足のような形になっていましました。

 

 

今思い返してみても、相手の方にはとても申し訳ない気持ちになります。ありがとうと言えばよかったな・・・とか、車を降りてでも敬礼を返せばよかったなとも思います。

 

ただ任務に向かうため車両で移動中だったので、とっさに判断しなければなりませんでした。仕方なかったといえば仕方なかったと思います。

 

 

でも、仕方なかったとしてもそれで気持ちが済むかというと、そんなわけにはいきませんよね。

 

 

気持ちが通じ合えないというのはとても苦しいものです。その苦しい気持ちのなかで生活や仕事をするというのはとても辛いことです。

 

こういった苦しさや辛さは「惨事ストレス」特有のものだといえます。普段の日常であれば考えもしないことを考えざるを得なかったり、普段通りのコミュニケーションをとれなかったりします。

 

惨事ストレスというのは普段とは違う「特殊な」ストレスです。このストレスは人間に普段と違う疲労をもたらします。

 

 

現在、緊急事態宣言の下、惨事ストレスの中で生活しています。

 

 

職業的な救援者の方、感染した方、感染対策をしながら生活されている方、三者三様の立場があります。

 

それぞれの立場によって、気持ちが違うと思います。そして感染対策のためコミュニケーションが普段より取りにくく、生活や仕事の中で常にプラスアルファの気遣いが必要になっています。

 

 

そんな状況では疲れやすくなるのも当然です。

 

 

こんな時にはちょっとしたことでも「ありがとう」と伝えたり、相手に見えるように少し大げさにお辞儀をしてみましょう。

 

こうやって気持ちが通じ合うミュニケーションを積極的に心がけると、安心感が疲労を和げますよ。

 

1人だけの力ではなく、相手とのコミュニケーションを通じて疲労をマネジメントしてくださいね。

 

惨事ストレスのもとではありますが、「爽やかに、軽やかに、楽しそうに」過ごしていきましょう。 

 

陸上自衛隊在籍15年。自衛隊で学んだことを、皆様にお伝えできればと思っています。

在職時は自衛官のカウンセラー(年200件以上対応)をしながら、10年ほど様々な手技療法を学んでいました。

このブログでは身体のこと、心のこと、防災のこと、そしてちょこっとだけ自衛隊のことを綴っていこうと思います。

現在は退職して、身体も心も癒すリラクゼーションセラピストをしています。身体のことや心のことで悩んでいたら、いつでもお気軽にご相談ください。

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最後までご覧いただきありがとうございました。感謝です。

感染対策をしながらお仕事をされている皆様に感謝致します。

ありがとうございます。

 

※2月2日に文章の体裁と構成を更新しました

 

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【経歴・資格など】
元陸上自衛官、レンジャー隊員、上級体育指導官、公認心理師産業カウンセラー予備自衛官(衛生)