★元陸自レンジャー隊員が、Withコロナの「今を生き抜く術」をお伝えします★
お疲れ様です。ブログを読んで頂いてありがとうございます。
前回のブログではお辞儀と敬礼をお伝えしました。言葉を発するのにためらいを感じる今の状況においては、いつもよりちょっと大げさにお辞儀や笑顔の仕草をすると、相手に気持ちが伝わりますよ。
緊急事態宣言が延長されることとなりました。順調に感染者は減少しているものの、まだまだ油断はできません。
先日ネットニュースを見ていたら、タレントで俳優の杉浦太陽さんが「うつるから料理するなよ」とSNS上でコメントを受けたという記事を拝見しました。ご本人はとても傷ついている様子でした。
新型感染症という災害の場合にはこのような偏見や差別が起こってしまうことがあります。そこで今回は「不安と偏見」をお伝えしたいと思います。
そもそも何でこのような偏見や差別が起こってしまったのでしょうか。
この偏見を書き込んだ方は、杉浦さんに対して「回復しても、まだウイルスを持っているんじゃないか」と疑いをかけたのでしょうか。「後遺症はまだウイルスを持っている証拠だ」と感じたんでしょうか。
多分そうじゃないと思います。そんなに具体的に疑ったり、危険性を指摘しているわけじゃなく、「なんとなくそんな気がする」程度のことだと思うんです。
10年前の東日本大震災の時にも同じような現象が起きたのを覚えていますか?
「放射能がうつる」
福島から避難している方に対して、こんな偏見や差別を持つ人がいるとニュースで取りざたされていました。
目に見えない恐怖というのは「なんとなく危険な感じがする」という雰囲気を出すんですよね。
皆さんご存知の通りもちろん放射能はうつりません。病気でもありません。今では誰もがわかっていることです。
ただ雰囲気にのまれて偏見を持ってしまう方がどうしてもでてきてしまいます。人間ですから、雰囲気にのまれてしまうこともあります。
新型コロナウイルスという言葉を聞くようになって1年、感染対策をしっかりとすれば感染リスクは下がるというのはわかってきたはずなのに、そして後遺症が出る場合もありますが治る病気であることもわかっているはずです。
それでもなんとなく危険な感じがして雰囲気にのまれてしまう。
目に見えない恐怖は本当に厄介なものです。
実はこの雰囲気にのまれて偏見を持つ人には、共通した感情があるんです。
それは不安です。
不安だから偏見を持つんです。そして不安だから相手に否定的な態度をとったり、否定的な視線で相手を見るんです。
もちろん、現状に対して不安な気持ちを持つのは当然です。感染者数は減少傾向にあるものの、まだまだたくさんの方が感染している現実があります。
そして、目の前に感染から回復したばかりの人が来たら・・・。
相手の方を心配する気持ちもあれば、新しいウイルスであるがゆえに「本当にもう大丈夫なんだよね・・・?」と、接するのにためらいを感じるという気持ちを持つことも否定できないと思います。
目に見えない恐怖からくる「不安」・・・本当に厄介です。
ただ、自分の不安をその相手に対して言葉にしたり、態度や視線で出したりすると、相手の方はとても傷つきます。そしてこの目に見えない傷はなかなか治るものではありません。
この目に見えない心の傷のことを「心的外傷」といいます。
そう、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の原因となるものです。
PTSDを予防するためにも偏見をなくすことはとても重要です。
だからといって偏見を持ってしまう人たちに「偏見はいけない!」というは実は逆効果なんです。
偏見を持ってしまう人たちは「不安」という否定的な感情にとらわれています。それに対して「ダメ!」という否定的な感情で対応しても、お互いにどんどん否定的な感情が沸いてきてしまいます。
これは悪循環ですよね。
ですからこんな時は「不安なんですね」と相手に共感することをお勧めします。
そして今の状況で不安が一切ない人はいないでしょうから、自分自身も不安であることを伝えてあげてください。
「不安なんですね。私も実は不安なんです。でもきっと大丈夫ですよ。みんなで協力して乗り越えていきましょう」
こんな「共感のコミュニケーション」がお互いの不安を和らげます。
実際問題この目に見えない恐怖、そして不安な気持ちを自分だけの力で乗り越えることはできないんです。
10年前の東日本大震災で、私は放射能という目に見えない恐怖と不安を味わいましたが、仲間がいたから任務を全うできました。知らない部隊の隊員とも声を掛け合いました。
新型コロナウイルスは自然災害です。いま世界中の方が災害時のストレスである「惨事ストレス」の影響のもとにいます。
この普段と違う特殊なストレスはじわりじわりと肉体的にも精神的にも人間を疲労させていきます。
こんなときに否定的な感情に基づいたコミュニケーションをしてしまうと・・・
どっと疲れますよね。
そして疲労が蓄積すると病気への抵抗力が下がります。これは嫌ですよね。
ですからこんな時は是非「共感のコミュニケーション」を使ってください。そうすることで不安をやわらげ、疲労リスクを下げることができます。
そして惨事ストレスのもとではありますが、「爽やかに、軽やかに、楽しそうに」過ごしていきましょう。
陸上自衛隊在籍15年。自衛隊で学んだことを、皆様にお伝えできればと思っています。
在職時は自衛官のカウンセラー(年200件以上対応)をしながら、10年ほど様々な手技療法を学んでいました。
このブログでは身体のこと、心のこと、防災のこと、そしてちょこっとだけ自衛隊のことを綴っていこうと思います。
現在は退職して、身体も心も癒すリラクゼーションセラピストをしています。身体のことや心のことで悩んでいたら、いつでもお気軽にご相談ください。
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最後までご覧いただきありがとうございました。感謝です。
感染対策をしながらお仕事をされている皆様に感謝致します。
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【経歴・資格など】
元陸上自衛官、レンジャー隊員、上級体育指導官、公認心理師、産業カウンセラー、予備自衛官(衛生)