お疲れ様です。自衛隊卒セラピストの岡田凰里(おかだおうり)です。ブログを読んで頂いてありがとうございます。
気が付けば、あっという間に2月も終わりです。
東京はここ数日、日中の気温が上がっている気がします。
そろそろ花粉の飛来が気になるところです(^^;
オミクロン株の症状と花粉症の症状が似ているようなので、早めに薬をもらいに行こうと思います。
そして北京冬季オリンピックが閉幕しましたね。
選手の皆様、お疲れさまでした。
そして、感動をありがとうございました。
個人的にはスケートの高木姉妹のレースに、胸を打たれました。
これまでの経緯などを考えると、言い表せないほどの遣る瀬無い気持ちになりました。
とにもかくにも前回の五輪に引き続きのメダル、おめでとうございます。
そして本当にお疲れさまでした。
さて、今月は「自己肯定感」をテーマにします。
3回に渡って、
「【自己肯定感が気になる方へ】おススメの本の紹介」
「【自己肯定感の罠に陥らない!】言葉に潜む本音の正体」
「【自己肯定感を卒業する♪】囚われから旅立つ3つのステップ」
という内容でお届けしました。
これまで対象者を、自己肯定感で悩んでいる方に限定してきましたが、今回のブログは、是非たくさんの方にご覧いただければと思います。
このブログについて、ご意見などを頂けると幸いです。
自己肯定感をテーマにするにあたって、最初のブログで「自己肯定感を高めるのではなく、自己否定感を解消することが大切である」とお伝えしました。
そして自己否定感というキーワードを使っていた、咲セリ(さきせり)さんの本を紹介しました。
そして実は、もう一冊、「自己否定感」というキーワードを含んでいる本を見つけました。
それがなんと、自己肯定感という言葉の生みの親といわれる、高垣忠一郎先生の本
「悩む心に寄り添う-自己否定感と自己肯定感-」
です。(赤色は筆者が着色)
咲さんの本は2021年6月に出版、そして高垣先生の本は2021年8月出版です。
咲さんの本以外は、自己否定感という言葉を使った本がほぼなかったんです。
まさかこの短期間に、同じ言葉を使った本が出ているとは、思いもしませんでした。
そして先生の本の「副題」を見て、正直びっくりしました。
なぜなら「自己否定感」という言葉を、自己肯定感の前に使っていたからです。
きっと何かしらの意図があんだろう、と思って拝読しました。
今回のブログは、先生の意図を読み解きながら、そもそも自己肯定感とは何なのかについて、お伝えしようと思います。
なお今回のブログは、すべてわたしの個人的な解釈です。
世の中にはいろいろな考え方がありますが、あくまでそのうちの1つです。
どうか若輩者の乱筆を、お許しいただければと思います。
今回のブログは、以下の内容になっています。
1 まずは寸劇を1つ
2 本当に『自己肯定感』なのか
3 誤訳とその影響
4 統計解釈のナゾ
5 まとめ
それでは、始めていきますね。
1 まずは寸劇をひとつ
とある自己肯定感を高めるセミナーにて・・・。
――――――――――――――
講師:
「日本の若者の、自己肯定感の低さが問題になっています。」
「諸外国の若者に比べて、自己肯定感が低いんです。」
「これはデータでわかっています。」
「自己肯定感を高める、様々な取り組みが行われています。」
生徒:
「そうなんですね。」
「先生、実は私、自己肯定感が低いんです。」
講師:
「そうですか。あなたもなんですね。」
「生きづらさを抱えていませんか?」
生徒:
「はい・・・。」
講師:
「そうですよね。」
「自己肯定感が低いと、自己有用感も低くなってしまいますからね。」
生徒:
「自己有用感?」
講師:
「自己有用感は、自分が役に立っている感覚のことですよ。」
生徒:
「確かにそんな感覚は、ないかもしれません。」
講師:
「そうですか。それは生きづらいですね。」
「大丈夫ですよ。今から自己肯定感の高め方を教えますからね。」
生徒:
「ありがとうございます!」
講師:
「一番大切なのは、他人と比べないで、自分自身をそのまま認めてあげることですよ。」
生徒:
「そうなんですね。他人と比べないようにした方がいいんですね。」
講師:
「そうですよ。あなたはあなたですからね。」
生徒:
「自分は自分か・・・。やっぱ、人と比べちゃダメですよね。」
「あれ・・・?」
講師:
「どうかしましたか?」
生徒:
「先生、自己肯定感を高めるためには、他人と比べない方がいいんですよね?」
講師:
「そうですよ。」
生徒:
「じゃあなんで、海外の若者と日本の若者を比べたんですか?」
講師:
「え・・・?」
生徒:
「さっき先生は、海外と比べて、日本は自己肯定感が低いことが問題っておっしゃってましたよね。」
講師:
「あ・・・。」
生徒:
「それなのに、なんで比べたんですか?」
「海外の若者と、比べてますよね?」
講師:
「う・・・。」
生徒:
「海外と比べなければ、日本人の自己肯定感が低いことは、問題なかったんじゃないですか?」
講師:
「あ、、、でもこれは文部科学省でも問題提起されているし、様々な自治体でもそういう取り組みが行われているし、データでもわかっていることだから!」
生徒:
「でも比べてますよね?」
「先生は今、他人と比べないことが大切だって言いましたよね?」
講師:
「だからそれはそうなんだけど、一般的に自己肯定感を上げるためには、他人と比べないことが大切だって言われてるから!」
生徒:
「海外の若者とは比べるのに、日本人同士は比べちゃいけないんですか?」
講師:
「そんなことは気にしなくていいから、とにかくあなたは自己肯定感が低いと感じてるんだから、わたしの言うことを聞いてればいいの!」
生徒:
「・・・。」
講師:
「自己肯定感を高めるには、プラス思考で肯定的な言葉を使うことが大切です!」
生徒:
「先生・・・。」
講師:
「なに?!」
生徒:
「否定していますよね。」
講師:
「え?」
生徒:
「自己肯定感が低いのは良くないことで問題だ、って自己肯定感が低い私のことを良くない状態だって、否定してますよね。」
講師:
「あ!」
生徒:
「プラス思考が大切なら、自己肯定感が低いことも、プラスにとらえればよかったんじゃないですか?」
講師:
「う、ぁ・・・。そんなことできるわけないでしょ!」
生徒:
「なんでですか?プラス思考が大切なんですよね?」
講師:
「きぃぃぃ!!!」
生徒:
「あれ?先生、もしかして今、自己有用感が低くなってますか?」
2 本当に『自己肯定感』なのか
この寸劇をどうとらえるかは、人それぞれです。
これまでのブログで、自己肯定感を高めるというアプローチは本末転倒だ、と述べてきました。
そこで自己肯定感が、本当にこのような矛盾を含んでいるものなのか、一度検証してみようと思います。
自己肯定感を提唱したのは、高垣忠一郎先生と言われています。
そこで2021年に出版された、先生の最新の図書(※1)を読み解きながら、自己肯定感について考察していこうと思います。
この本に書いてある先生の主張を、結論から申し上げると、
「今、世間一般で言われている『自己肯定感』は私が提唱した自己肯定感ではない。」
ということです。
恐らくこのことを主張するために、この本を書かれたのかな・・・という気がします。
これはどういうことか。
先生はカウンセリングの経験の中から、自分の存在をも否定をしてしまっている方がいることに気づき、
「自分自身を、存在レベルで肯定して欲しい」
そういう意図で、自己肯定感という言葉を使っているようです。
ですから先生が定義する自己肯定感は
「自分自身のあり方を肯定する気持ちであり、自分のことを好きである気持ち。」
という存在を肯定するための定義になっています。(※2、A)
著書でも、他人に何と言われようと、社会の役に立っていようといまいと、
「自分が自分であって大丈夫」
という感覚が自己肯定感であると述べています。
これが高垣先生の定義する自己肯定感です。
そもそもなぜ、このように「自己肯定感」という言葉を定義したのか。
先述したように、先生は心理臨床の経験から、自分の存在自体を否定している方がいることを認識します。
恐らく心理学的な用語としてその状態を定義づけ、この問題を解決しようとしたんだと思います。
用語として確立されれば、心理臨床家もアプローチしやすくなります。
ただ、その状態をそのまま言葉にすると、恐らく「自己存在否定感」となると思います。
しかし、自分の存在すら否定してしまい、藁をもすがる思いでカウンセリングを受けに来ている方に、
「あなたは『自己存在否定感』があるので、それを解決していきましょう」
とは言えないと思うんです。
そんなことを言われたら、クライエントは泣きっ面に蜂状態になります。
そこで否定という言葉を使わずに、「自己肯定感が低い」と表現したんだと思います。
ですから、この自己肯定感という言葉は、カウンセリングの現場や心理の専門家の間で用いるものであり、一般的に広く用いるものではないと考えられます。
専門家しか知らない言葉って、たくさんありますよね。
そういう言葉のうちの一つだったんだと思います。
それではなぜ現在、自己肯定感という言葉が、ここまで広まっているのか。
先生が自己肯定感という言葉を使って、本を出版されているというのもあると思います。
ただそれよりも、日本の教育現場において、日本の子供の自己評価が諸外国に比べて低いことが指摘されたことが、きっかけになっているようです。(※2)
「自己評価が低い」=「自己肯定感が低い」
このように解釈・評価したようです。
しかし高垣先生が提唱した自己肯定感は、自己評価という社会的な価値ではなく、自己存在の肯定否定の問題を解決するためのものです。
自己肯定感という言葉は、先生が提唱した、本来の意味で使われていないというのが今の現実です。
そして自己肯定感という言葉は、心理学用語として未だに定義されていません。
さらには自己肯定感と共に、自己効力感、自己有用感というものも大切だという話まで出てきています。
最近では、高くても低くても駄目で、バランスが大切なんて話も出ています。
うーん、終着点が見えません。
それではこの自己評価の高低を、心理的な用語で表すとどうなるか。
これは「自尊心・自尊感情」が当てはまると思われます。
英語では、セルフエスティーム(Self-esteem)となります。
そして様々な本や資料を拝見すると、「自己肯定感を高めよう」というのは「自尊心を高めよう」と同義に扱われています。
日本人であれば、
「自尊心を高めよう」
と言われたら、多くの方は、プライドを高めようと言われていると感じるはずです。
その通りです。
いま行われている自己肯定感の取り組みは、自分自身のプライドを高めよう、というメッセージを発信しているのと同じなんです。
わたし自身は自尊心を高めるということに、とても違和感を感じています。
それは、自分で高めようとして高まるものなのか、とか。
プライドが高いと思われそうで嫌だな、と感じます。
本来の自己肯定感という概念は、自分の存在すら否定されて、苦しんでいる人のために使われるはずでした。
そもそもカウンセリングを受けなければならないほど、自分の存在について悩んでいる方は、そこまでたくさんいる訳ではありません。
つまり、限られた対象に使う言葉です。
その自己肯定感を、自尊心・自尊感情と同様のものとして、解釈をしてしまいました。
高垣先生が本を出版されたのは、この現状を何とかしたかったから、ではないでしょうか。
3 誤った解釈の影響
現在「自己肯定感」という言葉は、高垣先生の提唱した意味とは違う使われ方をしています。
本来は自尊心・自尊感情(セルフエスティーム)で考えなければならないことを、自己肯定感と解釈してしまった影響は小さくないと思います。
まず、「セルフエスティーム(Self-esteem)」を「自己肯定感」と翻訳してしまう、という事態が起きています。
さらに自尊心と自己肯定感の区別がつかなくなり、誰を対象に、何をしていいのかがわからなくなっています。
自尊心はすべての人が対象になると思います。
誰にでも自尊心の高低はあるでしょう。
しかし自己肯定感は、そうではありません。
これは、自分の存在を否定された経験がある人を、対象にした言葉です。
そして日本人には、謙遜するという文化があります。
今行われている自己肯定感を高める取り組みは、自尊心を高めるという取り組みであり、日本の謙遜の文化とは合わない考え方を強いている状況と思われます。
そして自尊心・自尊感情(セルフエスティーム)に関して、次の様な社会実験があったことをご存じでしょうか。
アメリカのカリフォルニア州で1980年代頃に行われた社会実験(※3、※B)です。
データ(※C、D)では、日本より自己評価が高いと言われている、アメリカでの社会実験です。
心理療法家のネサニエル・ブランデンは著書「The Psychology of Self-Esteem(自尊心の心理学)」のなかで、「自尊心を持つことが、個人の幸福と社会問題を解決する鍵である」という理論を提唱したそうです。
これがカリフォルニア州議の目に留まり、「自尊心と個人・社会的責任を育成する」という作業部会が立ち上がりました。
目的は、低迷する学業成績を上げること、様々な社会問題を解決することです。
どのようなことをしたかというと・・・
例えば野球チームに入っている子供に対し、勝っても負けても褒め、ホームランを打とうが三振をしようが、全員賞をもらえたそうです。
そして、保護者も学校も、子供の知性を褒めるように促されたそうです。
この結果は・・・
ご想像の通り、失敗に終わっています。
目的を達成することは、できなかったそうです。
研究者の一人は
「褒めるという行動は、適切になされなければマイナスの力になりかねない。一種の麻薬のようなもので、生徒を強くするのではなく、他人の意見に依存した受身の人間になってしまう」
と提言しています。
このように目的を設定して実行し、結論を出しているところは、さすがアメリカだなと感じます。
それでは日本で今行われている、自尊心を高めるムーブメント(自己肯定感を上げると表現されているもの)は、いったい何が目的なんでしょうか?
力不足で大変恐縮ですが、明確な目的を見つけることはできませんでした。
しいて言えば、「生きづらさを解消する」とのことでした。
漠然としていますが、こういうことの様です。
それでは自尊心を高めれば、生きづらさは解消されるのでしょうか?
わたしはそうとは思えません。
そもそも自尊心が低いことが、どのような問題を引き起こしているのでしょうか?
自己評価に関するデータから、読み解いていこうと思います。
4 統計解釈のナゾ
自己肯定感を問題にする方の中で、「諸外国に比べて、自己評価が低いというデータがある」ことを引き合いに出す方がいます。
それを根拠に、自己肯定感を高める必要がある、と主張しています。
確かに日本の高校生の自己評価は、他国に比べて低い傾向にあるようです。
そこで、このデータ(※C、D)を深堀してみました。
ただそこには、解釈の問題点や、疑問点がありました。
統計の用語の中に、母集団という言葉があります。
母集団とは、研究対象とする対象集団全体のことをいいます。
そして母集団の推測のために抽出された母集団の一部を、標本といいます。
母集団の性質を偏りなく持つように標本抽出することが重要で、偏りなく抽出することを無作為抽出いいます。
例えば、日本人の平均身長を出すとします。
そうすると、母集団は日本人です。
ただ、全員の身長を集計するのは大変なので、ある程度の人数で済ませようとします。
このある程度の人数が、標本です。
この標本が、子供にだけに偏っていたり、女性だけに偏っていたりすると、正確に日本人の平均身長を出せなくなります。
そこでまんべんなく人を集めましょう、というのが無作為抽出です。
自己肯定感を問題にしているデータは、高校生を対象にしています。
つまり母集団は高校生です。
それでは高垣先生が提唱した自己肯定感は、どのような母集団を対象にしているのでしょうか。
先生は自身のカウンセリング経験の中から、自己肯定感という提唱しています。
つまり、カウンセリングを受けている人が標本で、母集団はカウンセリングを受けなければならないほど悩んでいる人、になるでしょう。
このように自己肯定感という概念が対象にしているのは、カウンセリング対象者であり、高校生全般ではありません。
もちろん高校生の中で、カウンセリングを受けている方もいるでしょう。
ただ、その人数は決して多いわけではありません。
カウンセリングを受けに来た生徒に
「自己肯定感を高めましょう」
としているのであれば、適切なアプローチだと思います。
しかし、児童・学生の全般に対して
「日本人は諸外国に比べて自己評価が低いから、自己肯定感を上げていきましょう」
というのは、適切なアプローチと言えるのでしょうか。
先述した通り、今の行われている自己肯定感の取組みは、自尊心を高めようとしています。
これは日本の文化に馴染まないと思います。
次に、データの解釈です。
諸外国にアンケートを取り、その結果、日本は自己評価が低い傾向にあるとのことです。
データを拝見すると、確かにそう読み取れます。
ただ同じアンケート内容だとしても、諸外国と日本を比べるとなると、母集団が違います。
母集団が違うものを、単純に比較することはできません。
例えば日本人とアメリカ人では、身体的な特徴はもちろん、文化や考え方が違います。
それにもかかわらず比較をして、「自己評価が低いことが問題である」と解釈していますが、なぜそうなったのでしょうか。
先ほど出した、平均身長を例にしてみましょう。
アメリカと日本の平均身長を比べると、アメリカの方が高いです。
「人種も違うし、食生活も違うから仕方ないよね。」
となるはずです。
それでは自己評価は・・・?
「日本は謙遜という文化があるし、わざわざ自分で自己評価を高くするようなことしないから、仕方ないよね。」
となると思うのですが・・・。
そしてアンケートの調査項目には「どちらともいえない」という項目がありません。
例えば
「わたしは他の人に劣らず、価値のある人間である」
「全体としてみれば、私は自分に満足している」
という質問に対して、
「そう思う」
「どちらかといえばそう思う」
「どちらかと言えばそう思わない」
「そう思わない」
という4つの項目でアンケートが取られています。
つまり、肯定か否定かにデータを傾かせるようにしてあります。
もちろん、このようなアンケート方法はあるにはあるのですが、回答者が選択肢を選ぶ際には、文化的な背景(国民性)の影響が存在します。
日本人の感覚からすれば、このような質問に肯定的な評価をするのは、気が引けるものです。
それは謙遜をするという文化があるからです。
これを考慮すれば、日本人の自己評価が他国より低い傾向になることは、当然の結果だと思われます。
大変申し訳ないのですが、わたしの能力では、
「アンケート調査の比較検討の考察」
「自己評価が低いことの、何が問題なのか」
「自己評価を高める目的」
これらを明確に示している資料を、見つけることはできませんでした。
もしご存じの方がいれば、ご一報いただけると幸いです。
限られた時間では、探せませんでした。
能力不足で申し訳ないです。
5 まとめ
今月のブログは自己肯定感をテーマにお伝えしました。
そして今回のブログでお伝えしたかったのは、次の3つです。
●自己肯定感という言葉は、本来の意味で使われておらず、自尊心・自尊感情を表す言葉として使われている。
●自尊心・自尊感情を高める取組みは、日本の文化には合わない上に、アメリカですら失敗例がある。
●自己評価が低いことの何が問題で、高める目的も、根拠もはっきりとは確認できなかった。
限られた時間で調べましたので、手の行き届かない部分がたくさんあると思います。
不備事項がありましたら、どうかご指摘いただければと思います。
ただ、調べていて感じたのは
「高垣先生は、とても不本意だろうな」
ということです。
様々な資料に「自己肯定感を提唱したのは高垣先生である」と紹介されています。
ただ、先生が提唱している意味で、「自己肯定感」を扱っている資料は、皆無だと感じました。
わたし個人は、自己肯定感が高いとも低いとも感じていません。
自己肯定感自体、気にしていません。
それでも日本人であれば、「自分はまだまだ」という気持ちは、大なり小なり誰にでもあると思います。
謙遜の文化がありますからね。
わたし自身、まだまだだな・・・と思う部分は、たくさんあります。
それでも、人から「ありがとう」と言ってもらえるように、自分の仕事を一生懸命頑張ります。
「ありがとう」を言われた数=自分が役に立った数
だと思っています。
ですから、自己有用感を高めようと思ったこともありません。
そしてもし、自己肯定感、自尊心、自己有用感の高低を聞かれたら、どちらでもないと答えます。
高いか低いか、どちらかを答えろと言われれば、低いと答えます。
プライドが高いとか、勘違いの人間だと思われたくないですからね。
だからと言って、それについて悩んでいるわけではありません。
高垣先生は、自己否定感で苦しんでいる人を救うために、自己肯定感という概念を提唱しました。
わたし自身も、カウンセラーとしてそのような方の面談をしたことがあります。
自己否定感がある方のそばには、必ず否定的な感情を向けている人がいます。
その人の目的は、理不尽な責任を相手に背負わすことです。
そして、そんな理不尽な責任を背負わされたとき、
「生きづらい」
と感じます。
理不尽な責任を背負わされていれば、そう感じるのも当然です。
その生きづらさを解消するためには、そのような人が押し付けてくる理不尽な責任を、かわしていかなければなりません。
それには
・理不尽な責任を押し付けてくる人を、しっかりと見極める
・その相手と、可能な限り物理的な距離をとる。
・コミュニケーションを使って理不尽な責任をかわし、心理的な距離をとる。
こんな風にするといいでしょう。
そして、自分にも他人にも否定的な感情を向けないようにしましょう。
否定的な感情としっかり距離を取って、その負の連鎖に、巻き込まれないようにしてくださいね。
このような方法を詳しく知りたい方は、是非今月のブログをご覧いただければと思います。
もし、ブログを読んでも生きづらさが解消されない方は、遠慮なくご連絡ください。
いつでもご相談に乗ります。
自己否定感をお持ちの方の「生きづらさ」が解消されることを、心から願っています。
そして解消された暁には、自己肯定感を気にせず、心地よい人生が送れますよ。
あなたなら、必ずできます。
わたしは、そう信じています。
今月のブログはコチラ
2/2
2/9
2/16
以下、来月のブログテーマのご案内です。
来月のブログは「心地いい」をテーマにしようと思います。
今回のブログの題にも「心地いい」を入れましたが、慌ただしく生活していると、心地いい時間が少なくなってしまいますよね。
そこでわたしが「心地いい」と感じることをご紹介して、そんな時間を共有できればなと思います。
プライベートな部分なので、ちょっと恥ずかしいんですが、是非ご覧いただければと思いおます。
それでは、来月のブログでお会いしましょう。
陸上自衛隊に15年勤務。レンジャー隊員。
在職時は、年200件以上を対応するカウンセラーの任務の傍ら、気内臓療法(チネイザン)のインストラクターを務め、様々なボディケアを約10年間学んできました。
現在は自衛隊を卒業して、身体も心も癒すセラピスト。
『何をしてもよく眠れない』
こんな悩みをお持ちの方に、心地よい眠りをサポートする施術
「Windship treatment®」を提供しています。
このブログでは、身体の健康、心の健康、防災、そしてちょっとだけ自衛隊の話を綴っています。
セラピストとして学んだことや自衛隊での経験が、皆様のお役に立てば幸いです。
ブログの更新は毎週水曜日。
月に一度、ブログテーマのアナウンスをしています。
アナウンスをご希望の方は、ご連絡ください。
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Mail:sukkirioasis@gmail.com
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最後までご覧いただきありがとうございました。感謝です。
引き続き感染対策をして、安心安全の社会を作っていきましょう。
【参考文献】
1 「悩む心に寄り添う-自己否定感と自己肯定感-」 高垣忠一郎著 新日本出版 2021年8月
2 「大学生の自己肯定感における対人関係の影響 (PDF) 」 『国際経営・文化研究/Cross-cultural business and cultural studies』21(1)179-188頁 吉森丹衣子 淑徳大学国際コミュニケーション学会、2016年
3 「3000万語の格差-赤ちゃんの脳を作る、親と保育者の話しかけ-」 ダナ・サスキンド著 掛札逸美訳 高山静子解説
4 「自尊感情」ではなく「自尊心」が“Self-esteem” の訳として適切な理由 仁平義明 白鷗大学教育学部論文集 2015.9(2)、357-380
5 「〔退職記念最終講義〕 私の心理臨床実践と「自己肯定感」」 立命館産業社会論集(PDF) 第45巻 (第1号) 高垣忠一郎 (2009年)
【参考資料】
A ウィキペディアHP 「自己肯定感」
B ウィキペディアHP 「自尊心」
C 財団法人 日本青少年研究所HP
D 独立行政法人 国立青少年教育振興機構HP
【ホームページ】
https://www.sukkirioasis.com/
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