【令和5年5月24日】
更年期障害の原因は「自律神経の乱れ」といわれます。ただその「乱れ」とは、いったい何なんでしょう。Windship®の原理で読み解くと、その乱れの本質が見えてきます。是非ご覧ください。
お疲れ様です。自衛隊卒セラピストの岡田凰里(おかだおうり)です。ブログを読んで頂いてありがとうございます。
なんだか、気温の変化がすさまじいですね(^^;
東京では5月なのに、30度を超えるような日もありました。
身体がなかなかついていかないところもありますが、徐々に身体を慣らしていきましょう。
さて、新型コロナウイルス感染症が第5類になって、2週間が過ぎました。
街を歩いていると、マスクをしていない方も見かけるようになりました。
わたしは街中を歩く際はマスクをしていますが、マスクはあくまで個人の判断。
お互いに受け入れつつ、普段の生活を取戻していけたらいいですね。
さて今月のテーマは
『自律神経のしくみ/続・Windship®の原理』
です。
前回のブログでは、Windshipの原理に基づいて、疲労と睡眠の関係性をお伝えしました。
Windshipの原理で読み解くと、疲労は「神経の維持が困難になっている状態」で、睡眠は「身体が神経の修復を優先した状態」でしたね。
そして、よく眠れなくなる理由は、「Windshipがストレスで縮んで脳が圧迫され、交感機能と副交感機能の切り替えが妨げらてれいる」からでした。
よく眠れなくて悩んでいる方は、是非前回のブログもご覧ください。
さて、今回のブログは、更年期と更年期障害についてお伝えします。
更年期は、年齢を重ねると誰にでも訪れるものです。
ただ更年期の心身の変化に伴って、ツラい症状が出る場合があります。
このツラい症状を総称して、「更年期障害」と呼んでいます。
最近では、男性の更年期障害も注目されています。
更年期障害の原因を語るときには、必ず「自律神経の乱れ」という言葉が出てきます。
そこで今回のブログでは、更年期に起こりやすい「自律神経の乱れ」についてWindshipの原理で読み解いていこうと思います。
仕組みがわかれば、予防や対処も納得がいくと思います。
50代の女性・男性のお役に立てれば幸いです。
今回の内容は以下の通りです。
それでは始めていきますね。
1 更年期とは
日本産婦人科学会のHPによると、
『閉経前の5年間と閉経後の5年間とを併せた10年間を「更年期」といいます。』
とあります。
そして、「閉経」とは、
『卵巣の活動性が次第に消失し、ついに月経が永久に停止した状態をいいます。日本人の平均閉経年齢は約50歳ですが、個人差が大きく、早い人では40歳台前半、遅い人では50歳台後半に閉経を迎えます。』
とあります。
つまり基本的に「更年期」は、女性を主な対象に語られているようです。
しかし、WEBのニュースでは、男性の更年期障害のことについても拝見します。
実際に芸能人では、はらたいらさんやヒロミさんが、自身の更年期障害について明かしています。
厚生労働省のHPの資料には、
『男性の更年期障害については、概ね 40 歳以降に男性ホルモン(テストステロン)の減少により、女性更年期障害と類似した症状を呈するが、病態が複雑で、まだ十分に解明されていない。』
とあります。
ですので、女性・男性ともに更年期障害はあるけれども、男性については、十分に解明されていないということの様です。
そんな更年期障害ですが、その症状は、
ほてり、
のぼせ、
発汗、
動悸、
頭痛、
関節痛、
冷え、
疲れやすさ、
などの身体症状
気分の落ち込み、
意欲低下、
イライラ、
不眠、
などの精神症状です。
さて、そんな症状が出てツラい更年期障害ですが、厚労省の調査では50代では女性の48.3%、男性の約16.1%の方が更年期障害について思い当たる節があると答えています。
つまり、症状を感じる方と感じない方がいらっしゃるわけです。
更年期障害は、女性ホルモンの減少による月経周期の乱れ、自律神経の乱れによって、個人差はあるが、不調等が起きることとされています。
ところで、なぜ個人差が起きるのでしょうか。
それを「自律神経の乱れ」にフォーカスして、Windshipの原理で読み解いていこうと思います。
2 Windship®の原理のおさらい
毎回ブログを読んでいただいている方には、ちょっとしつこいかもしれませんが、Windshipの原理をおさらいします。
Windshipの原理は、人間の身体を
『風船が何層にも重なったもの』
と捉えて考えていく原理です。
風 船
⇩
風⇒Wind
船⇒ship
で、Windshipでしたね。
そしてWindshipの原理では、人体を次の3つの構成要素で捉えています。
1 神経
⇒人間の本体
2 骨
⇒本体を支ええる構造
3 Windship
⇒本体を守る風船(膜)
です。
神経は「骨」という構造に支えられているわけです。
そして人間の本体である神経には、3つの特性がありました。
(1) 圧迫を極端に嫌う
(2) 伸展を嫌う
(3) 不使用を嫌う
というものでした。
さらに、神経には"自律機能"があり、神経が"圧迫・伸展・不使用"にさらされ続けることで、自律機能がうまく働かなくなる状態を
『自律神経の乱れ』
と呼んでいるんでしたね。
これを踏まえて、更年期障害について読み解いていこうと思います。
3 身体構造の弱点と更年期障害
身体の構造を支えているのは骨です。
骨があるから重力に逆らって、行動できるわけです。
ただ、骨以外の部分は重力に逆らうことはできません。
神経は脂肪性の柔らかい物質でできていますし、筋肉や皮膚は主にタンパク質でできていますが、骨程硬いわけではありません。
立ったり座ったりしている時は、神経もWindshipも骨にぶら下がっている感じになります。
厳密にいえば、横になっていても骨にぶら下がることになります。
そうなると、どんな事がおこるか。
神経の特性の1つに
『伸展を嫌う』
というものがありました。
これはどういう特性かというと、例えば髪の毛を引っ張られると、嫌ですよね。
これは髪の毛が引っ張られることで、神経が引っ張られているわけです。
実は加齢に伴い、この引っ張られる作用が徐々に身体に加わるんです。
神経と身体構造に注目して、説明しますね。
まずは下の図をご覧ください。
このように、脳から脊髄神経を通して、皮膚や筋肉(Windship)、そして各臓器につながっているわけです。
ところがどうでしょう。
歳を重ねてくると、昔ほど筋肉を使わなくなります。
そして、皮膚もどうしても重力にあらがえなくなります。
つまり、下方向に向かって、引っ張られてしまうわけです。
これは内臓についても同じです。
図の表示は膀胱ですが、それに限らず肺や心臓、肝臓腎臓、大腸小腸、すべて下に向かって引っ張られます。
こうなると、それぞれの器官に付随している神経も、引っ張られることになります。
その引っ張られた張力は、脊髄神経に伝わることになります。
脊髄神経が、末梢神経に引っ張られてしまうわけです。
更に、脊髄神経自体も常に重力に引っ張られています。
そして、脳は硬い頭蓋骨に覆われています。
するとどうでしょう。
これらの張力が最終的に集約される部分は…。
図の脳の付け根の部分になります。
それでは具体的に、この部分に何があるのか…。
それは『間脳』と『脳幹』です。
間脳は、感覚情報の中枢で、自律機能(神経)のをつかさどっています。
脳幹は、呼吸・循環などの生命維持活動の中枢です。
こんな重要な部分に張力が集まれば、それらの機能が妨げられるのも当然です。
ここでちょっと、ブログの第1項で紹介した更年期障害の症状と、間脳と脳幹の機能を照らし合わせてみましょう。
更年期障害の症状は、
間脳系症状(感覚情報・自律機能)
⇒、頭痛、関節痛、疲れやすさ、気分の落ち込み、意欲低下、イライラ、不眠
脳幹系症状(呼吸・循環)
⇒ほてり、のぼせ、発汗、動悸、冷え
照らし合わせてみて、いかがでしょうか。
難なく照らし合わせることができます。
つまり、更年期障害をWindshipの原理で読み解くと、
「加齢によるWindshipの伸展に伴い神経も伸展され、その張力が間脳や脳幹にかかり、その機能が妨げられた状態」
こんな風に捉えることができます。
4 神経をいたわる2つの運動
いかがでしたか?
前項で説明した「間脳や脳幹の伸展」は、一般的には「自律神経の乱れ」と表現されています。
自律神経の乱れを整えるためには、規則正しい食生活と睡眠、適度な運動と言われています。
そして、お医者様の診察を受けることも大切です。
ただ、現代医学ではWindshipの原理で身体を捉えていないので、神経の伸展の作用をどうしても見逃してしまいます。
そこで神経の伸展を和らげる、おススメの運動を2つお伝えしますね。
実はこの2つの運動は、以前ブログで書いたことがあります。
アイソメトリックトレーニングはこちらで
ゴキブリ体操はこちらです。
わたしがおススメする体操や運動は、すべてWindshipの原理に基づいておススメしています。
ですので、紹介する運動はどうしても重なってくるんですよね(^^;
決して手抜きではありませんよ(^o^;
まずはアイソトニックトレーニングから説明します。
アイソメトリックトレーニングのやり方は簡単。
1 行うのは10秒程度
2 全力で行う
3 呼吸は必ず吐きながら
そして、このトレーニングをやってはいけない方は、
『心臓病など、血管系に疾患を持っている方』
『手術後、一定期間が経過していない方』
です。
身体に全力で圧力をかけますので、筋肉はもちろん、血管にも相当負担がかかるからです。
そして術後間もないと、傷が完全にふさがっておらず、開いてしまう可能性があります。
もし心配な方は、必ずお医者さんに相談してから行ってください。
それではどんなトレーニングなのか、紹介しますね。
わたしは自分で7秒カウントしています。
秒でできる、秒トレですね♪
この秒トレは、全力の力を入れて行ってください。
なかには
「7割くらいの力で」
という説明をしている方もいらっしゃいますが、わたしは全力で力を入れることをおススメしています。
なぜなら…
最近、全力の力を込めて、身体を動かした記憶はありますか?
たぶん、無いと思うんです。
全力で身体に力を入れる機会がないと、その能力はどんどん衰えていきます。
そして衰えていくままに過ごしていた時に、いざ全力の力を込めようとすると、身体を痛めるにとどまらず、怪我をしたりしてしまうんですよね。
そんなことにならないように、全力の力を出す時間を作ることをおススメしています。
このトレーニングは、Windshipがたるまないためのものです。
Windshipがたるまなければ、重力に抵抗できますので、神経は引っ張られませんからね。
神経のためにももちろんなんですが、体型維持のためにもおススメですよ。
次にゴキブリ体操です。
寝転んで両手両足を上にあげて、ブラブラするだけです。
ネーミングは私がしたわけじゃないですからね(^^;
そう言われているんです。
おそらく、ゴキブリがひっくり返って、ジタバタしている様子と似ているからだと思います。
こちらは、特に手足の神経の伸展を、ケアするためのものです。
理屈は単純で、手足を逆さにブラブラすることで、Windshipを逆に引っ張っているだけです。
そうそう、手足って、年齢が出やすいところですよね(^^;
ゴキブリ体操は、手足の先のWindshipを逆に引っ張ってくれますので、エイジングケアにもおススメですよ。
アイソメトリックトレーニングもゴキブリ体操も、わたしが毎日行っているものです。
両方ともそれぞれ1分で終わります。
アイソメトリックトレーニングはお風呂に入る前、ゴキブリ体操は寝る前にやっています。
わたしはめんどくさがり屋なので、時短でシンプルにできる方法しかおススメしていません(^ⅿ^;
なんにも考えずに、何事もなかったようにやるのがポイントです。
気づいたら、終わってるみたいな感じで(^^)
運動習慣がないという方は、是非是非この2つからやってみて下さい☆
5 まとめと次回のテーマ
今回のブログでは、更年期と更年期障害についてWindshipの原理で読み解いていきました。
西洋医学(現代医学)では、ホルモンの減少と自律神経の乱れが原因といわれています。
もちろんそういった原因もあります。
それに加えてWindshipの原理で読み解くと、
"加齢に伴い、Windshipが伸展されるのに合わせて神経が伸展され、間脳と脳幹に張力がかかり、その機能が妨げられている状態"
これが更年期障害でした。
そして神経の伸展のいたわる、2つの運動もご紹介しました。
是非日常生活に取り入れて、健やかで心地よい状態で過ごして頂ければと思います。
ちなみに男性の更年期障害については、日本泌尿器科学会のHPに「加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)診療の手引き」があります。
男性の更年期障害について詳しく知りたい方は、そちらもご覧いただければと思います。
リンクをブログの最後につけておきます。
次回のブログでは、ランチ&美術館、神奈川県の横須賀美術館についてお伝えします。
是非ご覧ください。
【アイソトニックトレーニングのブログ】
【ゴキブリ体操のブログ】
【参考文献】
病気が見えるvol.7 脳・神経 医療情報科学研究所 編集 (株)メディックメディア 2011年3月
【参考資料】
2 厚生労働省HP 「更年期症状・障害に関する意識調査(結果概要)」
5 日本泌尿器科学会HP「加齢男性性腺機能低下症候群診療の手引き」
※「Windship」及び「Windship treatment」は登録商標です。
※令和6年3月7日:ブログの冒頭に「概要」を追加し、文章の校正をしました。
陸上自衛隊に15年勤務。レンジャー隊員。リラクゼーションセラピスト。公認心理師。
在職時は、年200件以上を対応するカウンセラーの任務の傍ら、気内臓療法(チネイザン)のインストラクターを務め、様々なボディケアを約10年間学んできました。
現在は自衛隊を卒業して、身体も心も癒すセラピスト。
『いくら寝ても疲れが取れない』
こんな悩みをお持ちの方に、心地よい眠りと疲労回復をサポートする施術でお応えしています。
このブログでは、身体の健康、心の健康、防災、そしてちょっとだけ自衛隊の話を綴っています。
セラピストとして学んだことや自衛隊での経験が、皆様のお役に立てば幸いです。
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