【令和5年5月3日】
先月に引き続き「Windshipの原理」で、自律神経の仕組みを読み解きます。よくわからない身体の不調は「自律神経の乱れのせい」とよく言われますが、その乱れの正体を解説します。是非ご覧ください。
お疲れ様です。自衛隊卒セラピストの岡田凰里(おかだおうり)です。ブログを読んで頂いてありがとうございます。
5月に入りました。
ゴールデンウィーク真っただ中。
皆さんはどのように過ごされていますか?
わたしは定休日にちょっとお出かけしてきました。
そのうちブログでご紹介できればと思います(^o^)/
5月8日に新型コロナウイルス感染症は、第5類の感染症になることが正式に決定しました。
3年続いたコロナ禍も、これで区切りがつきますね。
この区切りで、急激に生活に変化があるわけではないと思います。
ただ、区切りは区切り。
まずは一息ついてから、次のステップに進んでいきましょう。
さて今月のテーマは
『続・Windship®の原理/自律神経のしくみ』
です。
先月から引き続き、Windshipの原理で身体のしくみを読み解いていきます。
冬が明けて春になり、暖かくなってだいぶ経ちますが、まだ寒いなと感じるときもありますよね。
身体の健康において、季節の変わり目には、
「自律神経が乱れやすい」
なんてよく言われますよね。
ただ、"神経が乱れる”って、ちょっと変な日本語ですよね(^^;
聞き流してはいるけれども、不思議な表現というか…。
色々な要因が合わさって、神経が乱れているみたいなんですが、説明を聞いても、いまいちパッとしません。
そこで今月は、自律神経のしくみにフォーカスすることにしました。
今週のブログでは、自律神経の乱れと、その仕組みについてお伝えしようと思います。
今回の内容は以下の通りです。
1 Windshipの原理のおさらい
2 自律神経が乱れる?
3 自律神経とは『機能の名称』
4 自律神経の乱れの正体
5 まとめと次回のテーマ
それでは始めていきますね。
1 Windshipの原理のおさらい
まずはこれまでのおさらいです。
Windshipの原理は、人間の身体を
『風船が何層にも重なったもの』
と捉えて考えていく原理です。
風 船
⇩
風⇒Wind
船⇒ship
で、Windshipでしたね。
そしてWindshipの原理では、人体を次の3つの構成要素で捉えています。
1 神経
⇒人間の本体
2 骨
⇒本体を支ええる構造
3 Windship
⇒本体を守る風船(膜)
です。
そして人間の本体である神経には、3つの特性がありました。
それは、
(1)圧迫を極端に嫌う
(2)伸展を嫌う
(3)不使用を嫌う
というものでした。
以上が、わたしが提唱している「Windship®の原理」に基づいた考え方です。
この考え方に基づいて、自律神経のしくみについて説明していきますね。
2 自律神経が乱れる?
わたしは身体のことを仕事にしているので、身体の情報によく触れています。
そして、身体の調子が何となく悪いという方は、
『自律神経の乱れ』
『自律神経を整える』
そんな言葉をよく目にするのではないでしょうか。
眠れなかったり…
お腹の調子が悪かったり…
気分がすぐれなかったり…
こんな不調は、
「自律神経が乱れているからです!」
なんて、言われたりしますよね。
わたしは以前から
「神経が乱れる」
という言葉に、いつも違和感を感じていました(^^;
神経って、身体を構成する物質です。
その物質が"乱れる"って…。
・・・?
という感じです。
例えば、指が乱れるって言われても、よくわからないですよね。
爪が乱れるなんて表現もありません。
物質、物体が乱れるって、そんなことはないですからね(^^;
髪が乱れるという表現であれば、髪の毛がぐちゃぐちゃになっているということですが、神経がぐちゃぐちゃになるって言われても、そんな状態はありえないわけで…(^^;
髪の毛であれば、櫛を入れて整える訳ですが、自律神経に櫛を入れる訳にはいきません(^n^;
身体の内部にあるわけですからね。
お医者様は専門家なので、きっと理解していると思うんです。
ただ、そうでもなければ「自律神経の乱れている」といわれても、なんとな~くそうなんだなぁ…という感じではないでしょうか(^^;
そこでまず、自律神経とは一体どういうものなのか、説明しようと思います。
3 自律神経とは『機能の名称』
まずは自律神経について説明しますね。
自律神経とは、
「無意識的に働き、呼吸・循環・体温・消化などの、ホメオスタシスの維持に関わる神経のこと」
です。
無意識的に働く神経なので、"自律"という自動制御を表す言葉が使われています。
それでは身体の中にあるどの部分の神経が、"自律神経"なのでしょうか。
実は、具体的に「この神経が自律神経です」っていうのは、言えないみたいなんです。
え?なに?
どういうこと?
って、思いますよね(^^;
いや、おっしゃる通りです。
医学書などで調べてみると「自律神経系」という表現が、使われていたりします。
現代医学(西洋医学)では、人間の本体を明確に定めておらず、神経も身体のパーツの一部と考えています。
そこで神経については、自律神経系という1つのシステムを定義して考えているようです。
その他にも、中枢神経系、末梢神経系というような系(システム)を定義して、分けて考えているみたいなんですよね。
もちろん神経を系(システム)で捉える考え方は、これはこれで1つの考え方だと思います。
ただ、そのシステムの全容が解明されているわけではないようです。
つまり自律神経のことは、まだちゃんとわかっていないみたいなんです。
わかっていないことを説明しようとすると、どうしても尻切れトンボな説明になってしまったり、表現を曖昧にしたりしますよね。
まだ研究途上のことなので、仕方ないことだと思います。
ですので、「神経が乱れる」という捉えどころのない表現が使われてしまっているようなんです。
ただ、これは現代医学(西洋医学)での捉え方です。
Windshipの原理で捉えていくと、話は変わってきます。
Windshipの原理では、人間の本体は神経であると考えています。
この原理に基づくと、自律神経というのは、1つの機能のことを指します。
つまり、神経は自律(自動制御)という機能を持っているということです。
現代医学では、神経は色々な分類がされています。
運動神経・・・
感覚神経・・・
交感神経・・・
副交感神経・・・
こんな神経の名称を、一度は聞いたことがあると思います。
Windshipの原理では、人間の本体を神経であると捉えていますので、このように○○神経という区分けはしません。
このように区分けされたものを、「機能」を表す言葉と捉えています。
神経には、運動機能、感覚機能、交感機能、副交感機能、こんな「機能」があるわけです。
ですので、"自律神経の乱れ"とは、神経の機能の内の1つ、自律機能が乱れている状態であると考えています。
機能の乱れ、つまり機能がうまく働かない状態ということです。
それでは、なぜ神経の自律機能は乱れてしまうのでしょうか。
4 自律神経の乱れの正体
Windshipの原理に基づいて身体を捉えると、自律機能が乱れた状態は
『神経が「圧迫」「伸展」「不使用」という状態に一定時間さらされて、上手く機能しなくなった状態』
と考えています。
最初に説明した通り、神経には
(1)圧迫を極端に嫌う
(2)伸展を嫌う
(3)不使用を嫌う
という特性がありました。
つまり、神経が嫌がることにさらされ続けて、負荷がかかって、機能不全に陥っている状態と言えます。
具体例を挙げると…。
例えばこんな状況はいかがでしょうか。
腕(前腕)を強くつかまれたとします。
そうすると、手のひらを閉じたり開いたりしにくくなりますよね。
つまり前腕の神経が圧迫されて、運動機能がうまく機能しなくなった結果、閉じたり開いたりしにくくなったわけです。
そしてその状態が続くと、自律機能である循環・体温調節も阻害されて、手のひらの循環が滞って、冷たくなっていきますよね。
こんなイメージです。
いやいや、それは腕が圧迫されてるから、血液や体液が手に行かなくなったからでしょ!?
そう考える方もいらっしゃると思います。
もちろん現代医学(西洋医学)では、そのように考えます。
ただ、Windshipの原理では、そのようには考えません。
人体の構成要素を「神経」「骨」「Windship」と捉えていますので、Windship越しに神経が圧迫されたせいで、自律機能がうまく働くなった結果、そのような状態になると捉えます。
先月のブログでお伝えした通り、
「Windshipを切開する前は東洋医学(Windshipの原理)で捉え、Windshipを切開した後は西洋医学で捉える」
というのが、原則でした。
自律神経の乱れについては、Windshipを切開しないで捉えています。
つまりWindshipの原理で身体を捉えないと、その正体を読み解くことは難しいことだと思います。
『神経に負荷がかかって、自律機能がうまく働かなくなった状態』
これが自律神経の乱れの正体になります。
5 まとめと次回のテーマ
今回のブログでは、自律神経のしくみをWindshipの原理で読み解いていきました。
神経には"自律機能"があり、神経が「圧迫」「伸展」「不使用」にさらされ続けることで、自律機能がうまく働かなくなる状態を
『自律神経の乱れ』
と呼んでいるんでしたね。
どのような理由で自律機能が乱れるかがわかれば、整える方法も必然的にわかります。
つまり神経を「圧迫」「伸展」「不使用」という負担のかかった状態から、解き放てばいいわけです。
自律神経が乱れた時には、規則正しい生活をして、適度な運動をして、しっかり睡眠をとると良い、なんて言われます。
これらはすべて、神経の負担を減らすための行動なんです。
ただいろんな理由で、そんな風に生活できないこともあると思うんです。
そうしたくてもできない!
そんな時もありますよね。
その結果、自律機能が乱れてしまった方に対して、規則正しい生活を…なんてお伝えしても、非常に酷なわけで…(*n*;
ですのでこんな時には、まずは睡眠を第一優先にすることが大切です。
そこで次回のブログではWindshipの原理から、「疲労と睡眠の関係性」をお伝えします。
是非ご覧ください。
【参考文献】
病気が見えるvol.7 脳・神経 医療情報科学研究所 編集 (株)メディックメディア 2011年3月
※「Windship」及び「Windship treatment」は登録商標です。
※令和6年3月15日:ブログの冒頭に「概要」を追加し、文章の校正をしました。
陸上自衛隊に15年勤務。レンジャー隊員。リラクゼーションセラピスト。公認心理師。
在職時は、年200件以上を対応するカウンセラーの任務の傍ら、気内臓療法(チネイザン)のインストラクターを務め、様々なボディケアを約10年間学んできました。
現在は自衛隊を卒業して、身体も心も癒すセラピスト。
『いくら寝ても疲れが取れない』
こんな悩みをお持ちの方に、心地よい眠りと疲労回復をサポートする施術でお応えしています。
このブログでは、身体の健康、心の健康、防災、そしてちょっとだけ自衛隊の話を綴っています。
セラピストとして学んだことや自衛隊での経験が、皆様のお役に立てば幸いです。
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【経歴・資格など】
リラクゼーションセラピスト、公認心理師(国家資格)、産業カウンセラー、元陸上自衛官、レンジャー隊員、上級体育指導官、予備自衛官(衛生官)