自衛隊卒のセラピスト

セラピスト&自衛官の経験と共に、笑顔になる話題をお届けします。

【4半世紀前の凄惨な災害】人と防災未来センターを研修してきました

令和5年3月1日

28年前に起きた『阪神淡路大震災』。その教訓を後世に残すために設立された、「人と防災未来センター」を研修してきました。防災対策の転換点となった災害を、研修施設と共に解説します。是非ご覧ください。

お疲れ様です。自衛隊卒セラピストの岡田凰里(おかだおうり)です。ブログを読んで頂いてありがとうございます。

 

3月に入りました。

 

花粉症の皆様には、辛い時期になりましたね(^^;

 

わたしも漏れなく花粉症です。

 

ただ鼻だけなので、まぁなんとか。

 

目にも来る方は、ホント辛いですよね(ToT;

 

わたしはしばらくマスクが手放せません。

 

新型コロナウイルス感染症については、3月13日からマスク着用は、屋内外を問わず個人の判断に委ねるという方針が決定されています。

 

ただ、場合によってはマスク着用が推奨される場面もあるそうです。

 

もうしばらくは、うがい、手洗い、マスクは継続して、感染予防をしていきましょう。

 

 

さて、今月のブログのテーマは

『4半世紀前の凄惨な災害』

 

です。

 

28年前の平成7年に起きた災害をテーマにお伝えします。

 

その災害とは、

 

 

阪神淡路大震災

 

地下鉄サリン事件

 

 

同じ年の同時期に発生した、自然災害とCBRNE災害。

 

わたしは被災はしていませんが、当時メディアでは盛んに報道されていました。

 

4半世紀前もの災害になりますが、災害史上で転換点となっていますので、取り上げたいと思います。

 

 

今月のブログは、ご覧のとおり防災をテーマにしています。

 

 

まずは先月2月6日にトルコ南東部にて発生した、M7.8の地震、およびその余震等の犠牲になられた方々のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。

 

そして被災された皆様に、お見舞い申し上げます。

 

復興への道のりは決して短いものではありませんが、生きのびた皆様には、災害を乗り越える力が必ずあります。

 

遠い日本からではありますが、皆様のその力を信じています。

 

 

 

先月のブログでは、関西の取材の旅についてお伝えしました。

 

関西の神社やグルメスポットをご紹介しましたが、実は一番の目的は「人と防災未来センター(通称:人防)」の研修だったんです。

 

人と防災未来センター阪神淡路大震災をきっかけに作られた、防災を学ぶ研修施設です。

 

以前から行きたいと思っていたんですが、コロナでなかなかタイミングが合わなくて…。

 

お正月休みに、ようやく行くことができました。

 

そこで、今回のブログでは阪神淡路大震災を振り返りながら、人と防災未来センター(以下「人防」と表記)をご紹介したいと思います。

 

 

ブログは以下の内容でお届けします。

1 阪神淡路大震災とは

2 災害メンタルヘルスの転換点

3 防災総合研修施設『人防』

4 人防研修の注意点

5 まとめと次回のテーマ

それでは始めていきますね♪

 

 

1 阪神淡路大震災とは

阪神淡路大震災は平成7年1月17日の朝5時46分に起きた、M7.3の地震です。

 

最大震度は7

 

死者数6,434名、行方不明者3名、負傷者数43,792名という、その当時では戦後最悪の深刻な被害をもたらした災害です。

 

わたしは義務教育中でしたが、記憶にはしっかり残っています。

 

ただ現実感は薄く、なにか遠い場所の出来事という感じでした。

 

当時は東京に住んでいましたので、関西は遠い場所だと感じていました。

 

日常生活の中で、阪神淡路大震災のことを気にすることもなく、過ごしていました。

 

 

再度この震災について考えることになったのは、陸上自衛隊に入った後のことです。

 

 

先輩から、阪神淡路大震災の教訓を聞くことが、よくあったんです。

 

 

経験者は語るじゃないですが、やはり災害派遣のことは実体験がある方から話を聞くしかないんです。

 

 

そういった体験談の中から、どんな準備をしたり、どんな事に気をつけなければならないかを学んでいきます。

 

 

そして、自分自身が災害派遣に行ったときに、現実を目の当たりにしながら、教わったことを元に対応していく。

 

 

その繰り返しでした。

 

 

ただこれは、わたしが陸上自衛官だったからできたことです。

 

 

他の仕事についていたら、災害のことを学ぶ機会はほぼありません。

 

 

そんな学ぶのが難しい災害を、総合的に学ぶことができるのが、今回研修に行った

人と防災未来センター

 

です。

 

 

このセンターは、震災から7年後の平成14年(2002年)に兵庫県によって設置されました。

 

震災の経験を語りつぎ、その教訓を未来に生かすことを通じて、安心安全な市民協働・減災社会の実現に貢献することを使命としています。

 

阪神淡路大震災の特徴は、人口が密集する市街地で、直下型の大地震が起きたことです。

 

それにより大勢の方が犠牲になり、怪我をされました。

 

住居や商業施設、交通機関地震の被害に遭いました。

 

そしてこの特徴と現実が、被災者の心に大きな影響を及ぼしました。

 

 

2 災害メンタルヘルスの転換点

被災したものの、難を逃れた方々は、この大地震の被害の現実を目の当たりにすることになりました。

 

 

家屋の倒壊…

 

火災の発生…

 

犠牲者の救助…

 

 

挙げたらきりがありません。

 

 

このような現実を目の当たりにしたときに受けるストレスのことを、非常事態時ストレス(Critical Incident Stress)と言います。

 

 

この非常事態時のストレスを、神戸近傍に在住の100万人以上もの人が負うことになりました。

 

 

そして、そのストレスが強い時には、心に傷を負うことになります。

 

 

この心の傷のこと心理学の用語では、「心的外傷」と呼びます。

 

 

心的外傷の深さは、受けたストレスの強弱によって違いますが、その中でPTSD(心的外傷後ストレス障害)に悩まされる方もいました。

 

 

ただ実際被災した際に、PTSDとまで診断される方は、決して多いわけではありません。

 

 

しかし、阪神淡路大震災では他の災害にはない、次の様な特徴がありました。

・犠牲者、負傷者が多数いること

・市街地の被害が凄惨だったこと

・その現場を目の当たりにした方が多数いたこと

 

 

このような条件下では、PTSDに悩まされる方が多くなるのも、当然の結果と言えます。

 

 

そして、阪神淡路大震災以降は、『心のケア』という言葉がよく使われるようになります。

 

 

実際に兵庫県は、平成16年に「こころのケアセンター」も設置しています。

 

 

それだけ、心のケアが必要な方が多かったんだと思います。

 

 

そして阪神淡路大震災で注目された非常事態時ストレスは、東日本大震災以降『惨事ストレス』という、日本独自の表現で広く使われるようになりました。

 

 

態を

"見た"

"聞いた"

"味わった"

 

 

このような時のストレスのことを『惨事ストレス』と呼んでいます。

 


現在では災害時のメンタルヘルスケアは、当たり前のように行われていますが、実は阪神淡路大震災が、そのようなことを積極的に行う転換点になっています。

 

 

心理的な影響は、被災後も長く続くのが特徴です。

 

 

その影響を少なくするには、災害について学ぶことがどうしても必要になります。

 

 

そして、災害に備えることも必要です。

 

 

今回研修した人と防災未来センター(人防)は、その両方が学べる施設になっています。

 

 

3 防災総合研修施設『人防』

今回人防を研修してみて、人防は防災について総合的に学べる施設だと感じました。

 

阪神淡路大震災の現実、災害発生のしくみ、防災グッズ…

 

このような展示を研修することができました。

 

施設の西館は撮影できる場所がありましたので、皆さんにご紹介しますね。

 

まずは人防の建物です。

 

 

 

 

次の資料は印象的でした。世界で観測される自然災害は増えていますが、死者数は減っています。

 

対策が進んでいるということでしょうか。

 

データの細かい分析をしていないのでわかりませんが、この資料はそのようなことを伝えたいのかなと感じました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


すべてを研修しようと思うと、半日はゆうにかかると思います。

 

そして、すごく疲れると思います。

 

災害に向き合うのは、精神的な体力を使うものなんです。

 

時間と心に余裕を持って、研修に行ってくださいね☆

 

 

4 人防研修の注意点

研修施設はいかがでしたでしょうか。

 

発災当時、わたしはまだ義務教育中。

 

地震が起こったのは知っていましたが、報道で地震のことを見る時間はあまりありませんでした。

 

今のように情報メディアも発達していませんでしたので、テレビと新聞しか情報源はありません。

 

当時のことは記憶していますが、あくまで伝聞。

 

現実を知りませんでした。

 

今回の研修で、当時どのようなことがあったのか、現実を知ることができました。

 


ただ研修に当たって、ちょっと注意点をお伝えしておきたいと思うんです。


実は人防は、東館と西館に分かれています。


写真で紹介したのは西館です。


事前に確認して、許可された範囲で撮影をしました。

 

それに対し東館は撮影は許可されていません。

東館は、映像やオブジェ、音響設備によって当時の状況を再現した体験型の施設になっています。

 

 

本当にリアルでした。

 

 

 

 

わたしは元自衛官

 

 

 

 

災害派遣に何度も携わって、現場も何度も見ています。

 

 

そんな人間でも、心に来るものがありました。

 

 

そして、一緒に東館を研修していた若い男性の方は、泣いていました。

 

 

声をあげることを我慢できなかったようで、

「ウッ、ウッ、ウッ」

 

 

と、嗚咽が聞こえてきました。

 

 

一緒に映像を見ていて、その気持ちは痛いほどわかりました。

 

 

わたしも災害派遣の経験がなければ、たぶん泣いていたと思います。

 

 

ですので実際にご自身が、大規模災害に被災した経験がある方は、東館の映像体験型施設はあまりお勧めしません。

 

 

被災の経験がある方は、思い出したくないことを無理に思い出すことになってしまうと思います。

 

 

東館は災害の経験がなく、災害の恐ろしさを具体的にイメージするのが難しい方に向けた内容なのかなと感じました。

 

 

ただ西館にも、災害の写真や映像資料がたくさんあります。

 

 

被災を機に、災害について学び始めた方というもいらっしゃるかもしれませんが、人防は無理をして行くところではないと思います。

 

 

ご自身の経験と、学びの段階を踏まえて研修するようにしてくださいね。

 

 

5 まとめと次回のテーマ

今回のブログでは、4半世紀前に発生した阪神淡路大震災の教訓を元に設立された、人と防災未来センターについてお伝えしました。

 

 

当時において、戦後最悪の被害が出た自然災害。

 

 

その衝撃は、筆舌に尽くしがたいものだったと思います。

 

だからこそ、その記憶を風化させないためにも、このような施設の設立が必要だったんだと思います。

 

ただ、研修に当たっては少し注意してくださいね。

 

気軽に行くようなところではないかなと、わたしは感じました。

 

『学びたい』という気持ちがないと、ちょっと難しいと思います。

 

 

災害についてしっかり学びたい

 

被災の経験が全くない

 

いざという時の準備をしておきたい

 

 

そんな方は、是非人防へ。

 

 

「災害の凄惨さ」と「準備の大切さ」を体験できて、学びが深まる1日になりますよ。

 

 



次回のブログでは、災害から4半世紀後の神戸の街についてお伝えします。

 

是非ご覧ください。

 

※館内撮影は「人と防災未来センター西館」のみで、事前及び来館時にスタッフに確認し、許可された範囲で撮影しています。

※令和6年3月8日:ブログの冒頭に「概要」を追加し、内容を校正しました。

 

参考資料

1 内閣府HP「阪神・淡路大震災教訓情報資料集

2 内閣府HP「令和4年版 防災白書

3 人と防災未来センターHP

4 兵庫県こころのケアセンターHP

 

今週の体重

先週57.5㎏⇒今週59.6㎏

 

体重をアップする理由
【頑張らないダイエット③】 お手軽にも程がある!"超時短"筋トレ法

 

 

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陸上自衛隊に15年勤務。レンジャー隊員。公認心理師産業カウンセラー

 

在職時は、年200件以上の面談に対応するカウンセラーの任務を行うと共に、隊員に対して災害派遣の心構え」を教育をしていました。

 

そんな自衛隊での教育や、自身の災害派遣の経験をアレンジして、現在は一般向けに「災害の心構え」をお伝えするセミナー講師。

 

 

『どんな災害も乗り越える』

 

その心構えを”自衛隊式”でレクチャーしています。

 

 

このブログでは、防災のこと、身心の健康、そしてちょっとだけ自衛隊の話を綴っています。

 

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引き続き感染対策をして、安心安全の社会を作っていきましょう。

 

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経歴・資格など
ラクゼーションセラピスト、公認心理師(国家資格)、産業カウンセラー、元陸上自衛官、レンジャー隊員、上級体育指導官、予備自衛官(衛生官)