自衛隊卒のセラピスト

セラピスト&自衛官の経験と共に、笑顔になる話題をお届けします。

【火山を気軽に学べる施設】やまテラス&さとテラスをご紹介します!

令和6年9月25日

日本には111の活火山があります。身近にないとなかなか学ぶ機会のない火山について気軽に学べる施設と、安全に楽しく登山する方法をお伝えします。是非ご覧ください。

お疲れ様です。

 

自衛隊卒のセラピストの岡田 凰里(おかだ おうり)です。

 

ブログを読んで下さって、ありがとうございます。

 

 

9月も下旬です。

 

三連休が過ぎたら、グッと気温が下がって過ごしやすくなりましたね。

 

ようやく暑い夏が終わった気がします。

 

寒暖の差に追いつくのが、ちょっと忙しいですね(^^;

 

 

さて、今月は防災月間です。

 

それに合わせて10年前の9月27日に発災した

『平成26年御嶽山噴火災害』

 

をテーマにしています。

 

まず初めに、本日9月27日は御嶽山噴火災害からちょうど10年です。

 

犠牲になった方のご冥福をお祈りするとともに、未だ行方不明の方が発見されることを心からお祈り申し上げます。

 

そして、この災害でお怪我をなされた皆様に、お見舞い申し上げます。

 

 

今回のブログでは、この凄惨な噴火災害の教訓を学べる2つの研修施設をご紹介します。

 

御嶽山の7合目にある『やまテラス』

 

道の駅「三岳」に併設されている『さとテラス』

 

になります。

 

それとともに、安全に楽しく登山をする方法をお伝えします。

 

このブログが、火山防災の一助になれば幸いです。

 

内容は以下の通りです。

1 近年の噴火災害

2 火山と噴火を学べる研修施設

 (1) 安心安全『やまテラス』

 (2) 道の駅と『さとテラス』

 (3) 日本各地の『ジオパーク

3 災害予測の実際と限界

4 楽しい登山のための『畏れ』

5 まとめと来月のテーマ

それでは始めていきますね。

 

 

1 近年の噴火災害

気象庁のウェブサイトと防災白書を参考に、戦後に発生した火山災害を見てみると、

 

1947年(昭和22年)

浅間山噴火』

  犠牲者11名

 

1952年(昭和27年)

『ベヨネース列岩』

  犠牲者31名

 

1958年(昭和33年)

阿蘇山

  犠牲者12名

 

1977年(昭和52年)

有珠山

  犠牲者3名

 

1983年(昭和58年)

『三宅島』

  犠牲者なし

 

1986年(昭和61年)

伊豆大島

  犠牲者なし

 

1991年(平成3年)

雲仙岳

  犠牲者43名

 

2000年(平成12年)

有珠山

  犠牲者なし

 

2014年(平成26年

御嶽山

  犠牲者63名
  

2018年(平成30年)

草津白根山

  犠牲者1名

 

 

御嶽山の噴火が、戦後最悪の噴火災害になっています。

 

ちなみに、ベヨネーズ列岩とは伊豆諸島の岩礁で、噴火に巻き込まれて船が沈没し、乗組員全員が無くなったそうです。

 

これ以外にも小さいモノであれば、桜島は頻繁に噴火していますし、箱根山の警戒レベルが上がったこともありました。

 

 

こうやって並べてみると、かなりの回数噴火しています。

 

 

ただ正直な話、わたしは噴火災害があまり印象に残っていません。

 

登山をする方の記憶には残っているのかもしれませんが、そうでもなければなかなか記憶にとどめておくのは難しいのかもしれません。

 

御嶽山噴火災害については、わたし自身が自衛官時代にオペレーションに携わったので覚えていますが、そうでもなければ恐らく記憶にはあまり残っていないと思います。

 

きっと、火山の近くに住んでいなければ、なかなか噴火を学ぶ機会はないがないからだと思います。

 

というわけで、今回のブログでは取材で研修した、火山のことや噴火について学べる施設をご紹介したいと思います。

 

 

2 火山と噴火を学べる研修施設

全国各地に火山と噴火を学べる施設があります。

 

その中で、今回は御嶽山に関する施設を2つご紹介します。

 

それにプラスして、日本各地にあるジオパークについてご案内します。

 

(1) 安心安全『やまテラス』

やまテラスは、御嶽山の田の原口にあります。

 

場所はコチラです。

 

長野県立やまテラス王滝

 

登山届の提出ができますので、当日立ち寄る形で大丈夫です(^^)

 

そして、御嶽山の天候や気温が確認できますので、とっても安心です。

 

さらにヘルメットのレンタルサービスもありますので、わたしみたいに買うのがちょっと…という方はご利用ください(^^;

 

 

 

 

 

これらの受付の奥に、御嶽山噴火災害の展示があります。

 

 

 

 

 

 

 



写真には取れなかったんですが、噴火災害をまとめた映像展示もありました。

 

御嶽山の自然と、噴火災害にフォーカスした研修施設になっています。

 

田の原口から御嶽山を登る際には、是非とも登山前に訪ねてみて下さい。

 

登山道を復旧させるまで、どれだけの地元の方々が、真摯に山と向き合ってきたか。

 

それを実体験できると思います。

 

 

(2) 道の駅と『さとテラス』

次にさとテラスです。

 

さとテラスはコチラにあります。

 

木曽町立さとテラス三岳

 

さとテラスは、王滝村木曽福島駅の間にあります。

 

さとテラスはどちらかというと、御嶽山の歴史を学ぶ施設です。

 

修験道の修行場だった歴史

 

治水工事のために御岳湖を作ったこと

 

そして御嶽山噴火

 

こんなことが学べます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに、QRコードを読み込んで、22時頃に見てみたんですが…。

 

ただの真っ黒な画面でした(^o^;

 

って、当たり前か(^n^;

 

 


そしてさとテラスの横には、道の駅三岳が併設されています。

 

実はこの道の駅。

 

災害派遣の帰りに、お手洗いを借りた場所だったんです!

 

 

10年前の当時は、もちろんさとテラスはありませんでした。

 

10年ぶりに訪ねて、とても懐かしい気持ちになりました。

 

店舗の中ではお弁当やおやきを売っているんですが、なんと隣の工房で作っているんです!

 

 

ここの工房で作っているものが、大人気!!

 

10時半頃に着いた際は、まだたくさんあったんですが、11時半頃に買いに行ったらほとんどなくなってました(^.^;

 

なんとか買えてよかったです。

 

お昼はさとテラスにある休憩所でいただきました。

 

 

 

写真でお分かりかと思いますが、どう考えても食べ過ぎなんですが…。

 

美味しそうだったので、どうしても買っちゃって(^^;

 

お腹パンパンになりました(^n^;

 

この後、走るんだけどなぁ…(^ⅿ^;

 

素敵な景色を見ながら、さとテラスを後にしました♪

 

 

 

(3) 日本各地の『ジオパーク

上でご紹介した2つは、御嶽山をメインにした火山の研修施設でした。

 

その他に、日本各地に『ジオパーク』というものがあります。

 

ジオパークとは、

「地質・地形から地球の過去を知り、未来を考えて、活動する場所」

 

だそうです。

 

火山だけには限らないんですが、2023年5月現在、日本には、日本ジオパーク委員会が認定した「日本ジオパーク」が46地域あるそうです。

 

ちなみに御嶽山は、ジオパークには指定されていません。

 

なお日本のジオパーク46地域の内、10地域がユネスコ世界ジオパークにも認定されているそうです。

 

自然を楽しみながら、学ぶことができるようです。

 

ご興味のある方は、日本ジオパークネットワークのウェブサイトをご覧ください。

 

ブログの最後にリンクを貼っておきます。

 

 

3 災害予測の実際と限界

災害のことに携わっていると、つくづく感じるんです。

 

それは

「災害の予測には限界があること」

 

です。

 

 

先日、能登半島で土砂災害が起こりました。

 

元日の地震から、復興に向けて一歩踏み出そうとしていた矢先の出来事です。

 

輪島生まれのわたしにとっては、身を引き裂かれる思いでした。

 

土砂災害が起きる前に、能登で「線状降水帯」が発生しました。

 

線状降水帯は、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される、線状に伸びる降水帯のことです。

 

その長さは50~300km、幅20~50km程で、強い降水をともなう雨域を形成します。

 

この予測は非常に難しいものだそうです。

 

予測精度は4回に1回程度。

 

そして、線状降水帯が発生したからと言って、河川が氾濫するかどうかは誰にもわかりません。

 

土砂災害が発生するかどうかも、誰にもわかりません。

 

だた、現実として土砂災害が起き、犠牲者が出てしまいました。

 

 

今月のテーマにしている御嶽山噴火災害は、予測が難しい水蒸気噴火。

 

 

気象庁は噴火警戒レベルを上げず、噴火の犠牲者が出てしまいました。

 

 

わたしは警戒レベルを上げなかった気象庁の是非について、問う立場にはありませんし問うつもりもありません。

 

 

これについては現在裁判中で、高裁の判決が来月10月に出ますので、その判決を待ちたいと思います。

 

 

ただ一つ言えるのは、警報を乱発すると人間の警戒心が落ち、避難行動を抑制します。

 

 

これは人間の特性なので、仕方ないことだと思います。

 

 

防災のことに携わっている、わたし自身も同じです。

 

 

そして、御嶽山噴火災害の被災者の証言インタビューの中で、印象に残ったものがあります。

 

 

山小屋の方のインタビューだったんですが、

 

「噴火するとは思っていなかった」

 

「硫黄臭などは当たり前だったし、この状態に慣れてしまっていた」

 

恐らく仮に警戒レベルが上がって避難したとしても、噴火が実際に起こるまでこういうお気持ちだったんだろうと思います。

 

 

そして、誰もが噴火するなんて思っていなかったはずです。

 

 

わたし自身も同じです。

 

 

実際に御嶽山に登山してみて思うのは、証言の通り

「この環境に慣れないと、働くことはできない」

 

ということです。

 

過酷な環境なので、ある程度慣れて、鈍感にならないとやれないと思います。

 

 

ただ、鈍感になってしまうと、いざという時の動きが鈍くなります。

 

 

 

 

 

難しい問題だと思います。

 

 

 

 

 

これを防ぐためには、どうすればいいのか。

 

 

 

 

 

1つは、災害に対する学びだと思います。

 

 

前項でご紹介した、研修施設で学ぶことで、災害に対する注意力が養われると思います。

 

 

そしてわたしは、もう1つの方法があると思っています。

 

 

それは『自然を畏れること』

 

 

「畏れ」とは、圧倒的な存在に対して慎んだ気持ちや態度になることです。

 

 

その気持ちが、災害に対する備えになると感じています。

 

 

4 楽しい登山のための『畏れ』

御嶽山噴火から今年でちょうど10年。

 

つい先日まで、「マウンテンドクター」という山のお医者さんのテレビドラマが放映されていました。

 

そして、陸上自衛官の姿を漫画で描く「ライジングサンR」では、御岳山噴火災害を臭わせる「王峰山噴火災害」の災害派遣について連載中です。

 

マウンテンドクターも漫画の連載も、この時期にやったのは偶然ではないような気がします。

 

 

 

登山は楽しいものです。

 

 

 

雄大な景色

 

澄み切った空気

 

山ならではの自然

 

 

 

やみつきになる方が出るのも、当然だと思います。

 

 

そのような中で、災害や遭難のことを考えると怖くなってしまいますよね。

 

 

そこに目を向けてしまうと楽しめなくなるので、考えないという方もいらっしゃるかもしれません。

 

 

ただ、そうなってしまうといざという時の備えは、疎かになってしまいます。

 

 

もちろん災害や遭難に備えることは大切なんですが、いたずらに恐怖や不安を煽り過ぎるのも理不尽だと思います。

 

 

 

観光名所として宣伝しているわけですから(^^;

 

 

 

ですので、わたしは山に対する恐怖や不安を抱くのではなく、「畏れ」を抱くようにしています。

 

 

山というのは、人間の力では到底及ばない圧倒的な破壊力を持っていて、その脅威に抗うことはできない。

 

 

そんな圧倒的な存在に対する「畏れ」

 

 

これを持っていると、無理して登山する気持ちには絶対になりません。

 

 

わたしは今回の登山で、トレランスタイルの軽装で挑みました。

 

 

雨が降っていたり、風が強かったりした場合には登山を中止するつもりでした。

 

 

3000ⅿ級の山は、軽装で登るものではないですからね。

 

 

そこにはもちろん山に対する恐怖心はありましたが、それ以上に「畏れ」の気持ちがありました。

 

 

 

近年、山岳遭難が増加しています。

 

 

 

ニュースを拝見していると、頻繁に遭難のニュースを見かけます。

 

 

 

体力や経験に見合った装備や計画をしましょう、という注意喚起はよく耳にします。

 

 

 

ただ、自然を畏れ敬いましょうという言葉は、聞いたことがありません。

 

 

 

あくまでわたしの肌感ですが、日本人は昔から自然を畏れ敬って生活していたような気がします。

 

 

 

もちろん今ほど防災対策が発達していませんから、自然の脅威にさらされる機会も多かったでしょうから、その気持ちも当然なのかもしれません。

 

 

 

ただ、これだけ頻発し、過去の経験が役に立たないくらい激甚化している災害を目にしたとき、その対策にはどうしても限界があります。

 

 

 

もしかするとわたしたちは、本来日本人として持っていた「自然を畏れ敬う」という気持ちを、取り戻す時期に来ているのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

山岳信仰の山『御嶽山

 

 

 

 

 

 

畏れ敬い、登山できたことに感謝する。

 

 

そんな気持ちで登山をすると、安全に登山を楽しめるような気がします。

 

 

実際に頂上まで登って取材をしてみて、そんなことを感じました。

 

 

<div class="box22">
<p>5 まとめと来月のテーマ</p>
</div>

今回のブログでは、火山について気軽に学べる施設「やまテラス」と「さとテラス」をご紹介しました。

 

災害について学ぶには、とてもよい施設だと思います。

 

そして、安全で楽しく登山をする方法もお伝えしました。

 

 

まずはもちろん、装備や準備です。

 

これがないと、安全に登山はできませんから(^^;

 

それとともに、自然に対する「畏れ」を持つこと。

 

この気持ちがあれば、無理な登山にはならないはずですし、装備や準備に対する意識も変わってきます。

 

そして畏れ敬う気持ちを持っていると、登山に対する感謝の気持ちが自然にわいて、下山後にはあたたかい気持ちになると思います。

 

 

 

わたしはそうでした。

 

 

 

このブログをきっかけにして、昔ながらの日本人が持っていた、自然に対する畏れの気持ちを取り戻していただければと思います。

 

 

――――――――――

以下、来月のブログテーマのご案内です。

 

来月のテーマは

『Re:中山道を駆ける旅!』

 

です(^^;

 

 

本来であれば、8月のブログでご紹介する予定だった、中山道の旅。

 

あまりにもボリュームが大きすぎて、8月の3回でお届けするのを諦めたんです(^n^;

 

登山しなくても楽しめる『絶景の御嶽山とその山麓

 

昔ながらの街並みが色濃く残る中山道奈良井宿

 

中山道甲州街道の分岐点『温泉街の下諏訪宿

 

今話題のアニメの舞台諏訪神社4社巡り』

 

そして中山道の旅のまとめ』

 

5回に分けてお伝えします。

 

是非ご期待ください!

 

 

参考資料

1 気象庁ウェブサイト

2 内閣府ウェブサイト「防災白書」

3 ウィキペディアベヨネーズ列岩

4 YouTube御嶽山頂カメラたん」

5 日本ジオパークネットワーク

6 Yahoo!ニュース

 

 

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陸上自衛隊に15年勤務。レンジャー隊員。公認心理師産業カウンセラー

 

在職時は、年200件以上の面談に対応するカウンセラーの任務を行うと共に、隊員に対して「災害派遣の心構え」を教育をしていました。

 

そんな自衛隊での教育や、自身の災害派遣の経験をアレンジして、現在は一般向けに「災害の心構え」をお伝えするセミナー講師。

 

 

『どんな災害も乗り越える』

 

 

その心構えを”自衛隊式”でレクチャーしています。

 

 

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公認心理師(国家資格)、産業カウンセラー、リラクゼーションセラピスト(2級)、元陸上自衛官、レンジャー隊員、上級体育指導官、予備自衛官(衛生官)

〔※「Windship」及び「Windship treatment」は登録商標です。〕

 

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