自衛隊卒のセラピスト

セラピスト&自衛官の経験と共に、笑顔になる話題をお届けします。

【災害備蓄のリアル①】首都直下地震の被害想定が変わりました!

令和4年11月2日

令和4年5月25日に、東京都の首都直下地震の被害想定の変更が公表されました。これまでの取り組みにより、「減災」になっています。それに伴って予想される、備えについてお伝えします。是非ご覧ください。

お疲れ様です。自衛隊卒セラピストの岡田凰里(おかだおうり)です。ブログを読んで頂いてありがとうございます。

 

 

11月に入りました。

 

今年も残すところ残り2か月ですね。

 

寒さが日に日に増していくのを、肌で感じます。

 

まず初めにお伝えしなければならないことがあります。

 

先月のブログは「食欲の秋とダイエット」をテーマしました。

 

そして『意識して口にしないたった1つのモノ』の回で、人工甘味料についてお伝えしたんですが、誤りがありました。

 

人工甘味料を取ると、インスリンが分泌される

人工甘味料を取ると、インスリンの分泌が亢進される

 

が正しい情報です。

 

大変失礼しました。

 

その回のブログについても修正してありますので、内容を確認したい方は、ご覧ください。

 

このブログの最後に、リンクを張り付けておきます。

 

 

さて、今月のブログは『災害備蓄のリアル』についてお伝えします。

 

 

備蓄の重要性は、以前から言われているし、今更…、なんて感じる方もいらっしゃるかもしれません。

 

 

確かにおっしゃる通りです。

 

 

具体的な備蓄の情報は、自治体からも出ていますし、実際にもう備蓄している方もいらっしゃると思います。

 

今更考え直す必要なんて、ないんじゃ…、と感じるのももっともです。

 

ただ、

新型コロナウイルス感染症の緊急事態に伴う外出自粛を経験した

・東京都の首都直下地震の被害想定が変更された

 

この2点を踏まえると、特に考えておかなければならないことがあると、わたしは考えています。

 

 

それは『一斉帰宅抑制に伴う待機』についてです。

 

 

もしかすると、「帰宅抑制」という言葉を初めて聞いたという方もいらっしゃると思います。

 

今回のブログでは、首都直下地震の被害想定の変更内容と、一斉帰宅抑制について説明します。

 

そして、それを踏まえた上で災害備蓄について、お伝えしていこうと思います。

 

今回のブログは以下の内容になっています。

1 防災力強化による減災

2 一斉帰宅抑制とは

3 帰宅抑制で想定される現実

4 自宅待機をリアルに考える

5 まとめと次回のテーマ

それでは始めていきますね。

 

 

1 防災力強化による減災

東京都による首都直下地震の被害想定の変更は、令和4年5月25日に公表されています。

 

被害想定がどのように変更されたかというと、それは減災です。

 

 

つまり、被害が少なくなったんです。

 

 

東京都は、東日本大震災以降、首都直下地震等に備えて、様々な取り組みを行ってきたそうです。

 

耐震化推進条例の制定」

 

「住宅等の耐震診断や耐震改修の促進」

 

「木密地域不燃化10年プロジェクト」

 

等々…。

 

 

そして首都直下地震には様々な想定があります。

 

一番被害が大きくなると想定されているのは

「都心南部直下地震

 

その他にも
「多摩東部または西部直下地震

「都心東部または西部直下地震

 

が想定されています。

 

その発生確率は、今後30年以内に70%とされています。

 

そしてこの10年行ってきた減災対策の効果は、以下の通りとなっています。

 

「耐震化の減災効果」

・建物全壊棟数

 12万棟→8万棟

・揺れによる死者数

 5,100人→3,200人

 

「不燃化の減災効果」

・焼失棟数

 20万棟→12万棟

・火災による死者数

 4,100人→2,500人

 

以上のようになっています。


地震の被害を完全にゼロにはできないにしても、このような取り組みが、被害を少なくしてくれています。

 

 

行政の皆様、そして関連企業の皆様の努力に感謝いたします。

 

 

ありがとうございます。

 

 

さて、減災された想定ではありますが、首都直下地震が発災した際には、どうしても被害が出てしまいます。

 

残酷な現実ですが、これは人間の力ではどうしようもないことです。

 

自然の力にはかないません。

 

そしてその被害者を救助するために、消防、警察、自衛隊などの皆様が活動されます。

 

その活動を妨げないために行われるのが

『一斉帰宅抑制』

 

になります。

 

 

2 一斉帰宅抑制とは

一斉帰宅抑制とは、首都直下地震などの大規模地震が発災した際に、「その場にとどまる」ことです。

 

東京都帰宅困難者対策条例に定められています。

 

なぜとどまらなければならないか…。

 

 

それは大きく2つ。

 

 

「群衆雪崩等による2次被害の防止」

 

「救助活動の円滑化」

 

 

このためです。

 

 

群衆雪崩は、先日韓国で凄惨な事故があったばかりなので、イメージしやすいかもしれません。

 

地震が起こった際には、とても不安になります。

 

その不安のまま、たくさんの方が逃げるように動いてしまうと、群衆雪崩により、2次被害が発生してしまいます。

 

その被害は、韓国の事故の被害をご覧いただければ、想像に難くないと思います。

 

 

次に救助活動の円滑化についてです。

 

災害発生時、人命救助のデッドラインは72時間と言われています。

 

発災後、72時間以降は生存率が極端に減ります。

 

わたし自身、災害派遣の第1派として派遣された経験がありますが、やはり当初の3日間は休むことなく活動をしていました。

 

こんな時に、難を逃れた方が一斉に帰宅しようとしてしまうと…。

 

救助車両が、行き来できなくなってしまいます。

 

こうならないためにも、発災後72時間、つまり3日間はその場に留まるよう、協力が求められます。

 

 

これが一斉帰宅抑制です。

 


それでは一斉帰宅抑制の協力が求められた際、どのような現実が待ち受けているのでしょうか。

 

 

3 帰宅抑制で想定される現実

東日本大震災が発災した際、都内での建物や道路の被害はほとんどなかったと記憶しています。

 

当時のわたしは現役の自衛官

 

休みで自宅にいました。

 

発災後すぐ、自宅を出て駐屯地に向かったのを覚えています。

 

駐屯地に向かっている最中、帰宅する大勢の皆さんが、列をなして歩道を歩いているのを拝見しました。

 

わたしだけ逆方向に向かって自転車をこいでいたのを、今でも覚えています。

 

建物や道路などの被害がなかったので、あのように帰宅することができましたが、首都直下地震が起こった際には、そうはいきません。

 

職場が自宅のすぐ近くという方は、帰宅できるかもしれませんが、ほとんどの方はそうではないはずです。

 

公共交通機関が停止するのはもちろん、道路も封鎖されたり、一般車両では通行できない状態になることでしょう。

 

 

 

こうなると、どうしても移動をすることができなくなります。

 

 

 

こんな時のために、東京都は条例で、事業者に対して従業員の3日分の災害備蓄をするよう、努力義務を課しています。

 

これは、事業所に従業員が一時待機するためのものです。

 

また、事業所に被害があってとどまれない場合は、近くの一時待機施設を頼ることもできます。

 

一時待機施設は、発災した際に偶然都内にいた方(帰宅困難者)にも開放される施設です。

 

外出時は、事業所や一時待機施設に待機して、約3日間過ごすことになるでしょう。

 

 

 

それでは自宅にいた場合には…?

 

 

 

外出ができない上に、自宅で3日間待機することになる可能性が、非常に高いと考えられます。

 

 

4 自宅待機のリアルを考える

ブログの冒頭で、

 

新型コロナウイルス感染症の緊急事態に伴う外出自粛を経験した」

 

ということが、このブログを書くきっかけになっているとお伝えしました。

 

 

新型コロナウイルス感染症での外出自粛については、条例等で定めたわけでもなく、協力依頼という形で実施されました。

 

特に2年前の一番最初の緊急事態宣言のときには、日本全国で自宅に待機するという生活を経験しました。

 

 

こういう経験をしたのが我々です。

 

 

大規模地震が発災した際に、一斉帰宅抑制がかかった時には、自身の安全のためにも、人命救助のためにも、それに従おうという気持ちが強くなるはずです。

 

 

さらに被害想定で、死者数や家屋の被害が減災されたということは、それだけ無事な方が増えるということです。

 

 

無事な方が増えるということは、帰宅抑制をより強く訴える必要があります。

 

 

なぜなら大勢の方が動いてしまうと、群衆雪崩や救助の滞りが、より発生しやすくなるからです。

 

 

つまり、もし自宅にいて被災した際、自宅も自身も無事であれば、自宅に待機するように”強く求められる”可能性が非常に高い、とわたしは考えています。

 

 

こうなったとき、備蓄がないからと言って、慌てて食料などを買いに行こうと思っても…

 

 

売り切れて必要な物が買えなくなっていることでしょう。

 

 

そして慌ててしまって、二次被害に遭ってしまう可能性も非常に高くなります。

 

 

さらに新型コロナの外出自粛では、電気ガス水道の生活インフラは止まりませんでしたが、大規模地震が発災した際には、生活インフラは止まります。

 

 

こうなると備蓄の有無は、死活問題です。

 

 

そして特に夫婦共働きのご家庭では、ご夫婦はそれぞれの職場に待機、お子様だけで自宅待機という場合もありえます。

 

 

こう考えると、自宅で最低3日間過ごせる備蓄を、改めてリアルに考えておく必要があると考えます。

 

 

これが今月のブログで、災害備蓄のリアルについてお伝えしようと考えた理由になります。

 

 

5 まとめと次回のテーマ

今回のブログでは、首都直下地震の被害想定と一斉帰宅抑制についてお伝えしました。

 

その中で、災害備蓄についてなぜ今更、改めて考える必要があるかについてお伝えしました。

 

いつ起こってもおかしくないと言われている首都直下地震ですが、それに備えるのは、どうしても億劫になってしまうと思います。

 

ただ、準備なく被災してしまったときの不安は、とてつもないストレスになります。

 

そして、準備しようと思えばできたのに、それをしていたかったという罪悪感は、実は一生ぬぐうことはできないんです。

 

是非このブログをきっかけにして、もう一度備蓄の点検をしていただければと思います。

 

次回のブログでは、数々の災害派遣に従事した経験を基に、何を基準にして災害備蓄を準備していけばいいのかをお伝えします。

 

 

是非ご覧ください。

 

 

今週の体重

先週59.4㎏⇒今週59.3㎏

 

体重をアップする理由
【頑張らないダイエット③】 お手軽にも程がある!"超時短"筋トレ法

 

参考資料

1 東京都HP「首都直下地震等による東京の被害想定(令和4年5月25日公表)
2 東京都帰宅困難者対策ハンドブック 令和2年9月

 

※令和6年3月18日:ブログの冒頭に「概要」を追加し、内容を校正しました。

 

 

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陸上自衛隊に15年勤務。レンジャー隊員。公認心理師産業カウンセラー

 

在職時は、年200件以上の面談に対応するカウンセラーの任務を行うと共に、隊員に対して災害派遣の心構え」を教育をしていました。

 

そんな自衛隊での教育や、自身の災害派遣の経験をアレンジして、現在は一般向けに「災害の心構え」をお伝えするセミナー講師。

 

 

『どんな災害も乗り越える』

 

その心構えを”自衛隊式”でレクチャーしています。

 

 

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公認心理師(国家資格)、産業カウンセラー、リラクゼーションセラピスト(2級)、元陸上自衛官、レンジャー隊員、上級体育指導官、予備自衛官(衛生官)

〔※「Windship」及び「Windship treatment」は登録商標です。〕

 

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