自衛隊卒のセラピスト

セラピスト&自衛官の経験と共に、笑顔になる話題をお届けします。

【コロナ禍を心理学で振り返る②】医療従事者差別と傍観者効果

令和4年12月14日

コロナ禍で起きている「医療従事者差別」。実はこの差別、人間であれば誰にでも起きる、心理的作用働いているんです。社会心理学的な観点から考察します。是非ご覧ください。

お疲れ様です。自衛隊卒セラピストの岡田凰里(おかだおうり)です。ブログを読んで頂いてありがとうございます。


12月も中旬。

 

今年も残すところあと2週間です。

 

本当にあっという間ですね。

 

年内にやっておかなければならないことは、さっさと済ませておかないと、あっという間に年が明けてしまいそうです(^^;

 


新型コロナウイルスについては、新規感染者数が微増状態です。

 

感染対策の基本基礎、マスク、うがい、手洗いを継続して、楽しい年末を迎えましょう。

 

 

さて、今月は『コロナ禍を心理学で振り返る』をテーマにブログをお届けしています。

 

 

前回のブログでは、コロナうつをダブルバインド理論から読み解きました。

 

逃れられない矛盾したメッセージ、つまりダブルバインドメッセージが繰り返し発信されると、うつ症状が出やすい状況になるんでしたね。

 

まもなく3年を迎えるコロナ禍。

 

ダブルバインドメッセージが3年の間、繰り返し発信され続けてきました。

 

ワクチン、マスク、3密回避…

 

これらに関する情報が溢れに溢れ、その情報が否応なくダブルバインドメッセージになってしまいました。

 

これはやむを得ないことです。

 

ただ、このダブルバインドメッセージに揺さぶられないためには、感染予防の基本のキを淡々と続けることが有効であることをお伝えしました。

 

 

うがい、手洗い、マスクですね。

 

 

恐らくこの波が、最後の大きな波になるでしょう。

 

 

淡々と、基本のキを続けていきましょう。

 

 

さてコロナ禍が始まって、しばらくしてから感染対策以外の問題も、盛んに報道されていたことがあります。

 

 

それは、医療従事者の皆様に対する差別です。

 

 

医療従事者本人に対する差別に加えて、さらにはそのご家族まで差別される、こんなことが実際に起きていたようです。

 

実は同じようなことが、東日本大震災のときにも起きていました。

 

それは、福島で被災した方が、他県に避難した際のことです。

 

放射能がうつる」
(※放射性物質放射線等を総じて放射能と表現します)

 

こんな風に被災された方が、差別されるということが起きました。

 

とても悲しい現実ですが、なぜこのような差別が繰り返されるのか、一度しっかりと考察したいと思います。

 

今回は、人間の集団心理である傍観者効果をご紹介します。

 

そして社会心理学の観点から、医療従事者差別を読み解いていきます。

 

今回のブログは以下の内容になっています。

1 続く医療従事者の負担

2 傍観者効果とは

3 差別?それとも心理的作用?

4 抑止ではなく「許して諭す」

5 まとめと来月のテーマ

それでは始めていきますね。

 

 

1 続く医療従事者の負担

波を経るごとに増える、新型コロナウイルス感染症の患者数。

 

それと共に、医療従事者への負担は増加します。

 

防護服に身を固めての看護は、非常に大変な重労働。

 

一瞬の油断が、院内感染を引き起こします。

 

感染予防を徹底していても、怪我や他の病気で受診した無症状感染者から、院内感染が発生してしまうこともあります。

 

医療従事者は自身の感染、そして身内に感染させてしまうことへの危険と不安に葛藤しながら、この3年間お仕事をされています。

 

 

世のため、人のため、感染症の治療とまん延防止に務めて頂いて、心から感謝いたします。

 

 

ありがとうございます。

 

 

流行当初は、マスクや防護具、消毒液といった基本的な資材不足が生じました。

 

そして感染患者を受け入れた医療機関の中には、人員とスペースを確保するために、病棟の閉鎖や外来の休診、不急の手術の延期等を行いました。

 

こうした結果、収益は極端に悪化し、給与の減額、ボーナスカットを行わざるを得ない医療機関もありました。

 

この状況でも、対応する多くの医療従事者は、患者の生命と健康を守るため、専門職として使命感を持って献身的に職務を遂行してくださいました。

 

 

ただこのような中で、一部の人から、心無い誹謗中傷や差別を受けることがありました。

 

 

最悪の状況の中での差別や偏見は、医療従事者の方の士気を落とし、身心共に極端な疲労感に襲われることになります。

 

 

こうなると医療の質は、低下せざるを得ません。

 

 

この状況を予知してか、実は2020年3月26日の段階で、日本赤十字社感染症に関連した差別・偏見に対する啓発資料を作成・発表しています。

 

それにもかかわらず、医療従事者に対する差別は、全国のいたるところで報道されていました。

 

そこでこのような差別や心無い誹謗中傷が起こってしまった原因を、考察していこうと思います。

 

 

2 傍観者効果とは

傍観者効果とは、社会心理学の用語であり、集団心理のひとつです。

 

心理学者のラタネによる理論で、多くの他者の存在により、援助介入が抑制されることを示したものです。

 

 

ちょっと専門的な表現なので、具体的な例で説明しますね。

 

 

例えば大都市の駅の構内で、困っている人がいたとします。

 

恐らく多くの人は、素通りしてしまうでしょう。

 

これは、人間の集団心理として、

「周りが誰も助けていないので、この事態は助けを必要としないと思い込んでしまう」

 

という作用が働き、誰も助けなかったわけです。

 

大都市の駅では多くの他者の存在しており、援助介入が抑制されている、つまり助けないという状態になってしまったわけです。

 

これは傍観者効果の中の、集合的無知(多元的無知)という状態です。

 

その他にも、

・多くの人がいることで、個人の責任感が低下することである「責任の拡散」

・ 行動を起こした時、その結果に対して周囲からのネガティブな評価を恐れる「評価懸念」

 

が働き、援助介入を抑制する要因になってしまうという理論が、傍観者効果です。

 

 

大都市で困っていた時に、誰にも助けてもらえず、

「都会の人は冷たい」

 

なんて話題が出たりすることもありますが、実はこれは傍観者効果で読み解くと、多くの他者の存在により、援助介入が抑制されてしまった結果ということになります。

 

 

これは人間の社会心理的特性になりますので、誰にでも起こる作用です

 

 

ですので、これにあながって行動するのは、非常に難しいことです。

 

 

実は医療従事者差別も、人間があながうことが困難な、社会心理的な作用が働いているんです。

 

 

3 差別?それとも心理的作用?

今回のブログは「医療従事者差別と傍観者効果」としていますが、実は差別と傍観者効果が直接関係しているわけではありません。

 

人間があながうことが困難な"会心理的作用"があることをお伝えするために、傍観者効果をご紹介しました。

 

それでは医療従事者差別が起こってしまった原因は、どのような作用が働いているのか。

 

 

それは

『”感染症に対する恐怖""感染への不安"社会的に増幅される

 

という社会心理的作用です。

 

 

恐怖や不安は危険を回避するために、人間であれば誰もが持つ感情です。

 

 

ただこの感染症は、未知な上に命に係わる危険も感じる恐怖でした。

 

 

さらにメディアでは、感染症に関する様々な情報が溢れていました。

 

 

これらの状況が、社会心理的に恐怖と不安を増幅させてしまいました。

 

 

メディアの皆様も情報を世に伝える使命がありますので、これはやむを得ないことでした。

 

 

そして非常に心苦しい現実ですが、この社会心理的作用により、人間は思いもよらない行動をしてしまう場合があるんです。

 

 

社会的に増幅された恐怖と不安に流されてしまい、差別や偏見を態度や言葉に出してしまう…

 

 

こういうことが、必ず起こってしまうんです。

 

 

ですので、新型コロナウイルス感染症の流行という非常事態に際して、差別や偏見の発生を未然に防ぐことは至難の業です。

 

 

東日本大震災の際にも、福島から避難されてきた方に対し

放射能がうつる」

 

こんな風に、差別的な態度や言葉を発する方がいました。

 

未知のものに対する恐怖や不安を前にし、その感情が社会的に増幅されてしまうと、それをあからさまに態度や言葉にしてしまう方が、必ずいらっしゃいます。

 

反射的にそうしてしまうこともあれば、恐怖や不安が増幅されて偏見を持ってしまい、それが言動に出てしまう場合もあります。

 

 

その時におかれている状況、立場、経験によって反応は人それぞれです。

 

 

ただ、差別的な言動をしていない方が、恐怖や不安を感じていないかと言われれば、そんなことはありません。

 

 

差別的な言動をしなかった方も、恐怖や不安は必ず感じています

 

 

そして今回は差別的な言動をしなかった方でも、場合によってはそのようなことをしてしまうこともあり得ます。

 

 

わたしはいかなる時でも、差別的な言動をしない

 

 

こう言い切ることはできません。

 

 

仮に言い切ったとしたら、それは嘘です。

 

 

命の危険を感じた際の恐怖や不安は、そんなに単純にコントロールできるものではありません。

 

日本看護協会が、看護師個人に対して行った調査では、差別・偏見の有無について、次の様な結果が出ています。

 

回答された方の内、2割の方が差別・偏見があったと回答しています。

 

そして、その内容ですが

 

「家族や親族が、周囲の人から心無い言葉を言われた」
    27.6%

 

「自身が患者から、心無い言葉を言われた」
    19.8%

 

「自身が地域住民から、心無い言葉を言われた」
    19.2%

 

自身が勤務先の同僚から、心無い言葉を言われた
    16.5%

 

「家族や親族が勤務先等から、出勤を止められた」
    7.9%

 

「子供が通っている施設(保育園、学校等)から、自身の入室を断られた」
    4.4%

 

「自身が地域の店舗・施設から、入店・入室を断られた」
    4.1%

 

「子供が通っている保育園・幼稚園等で、登園を断られた」
    2.4%

 

 

特筆すべきは

自身が勤務先の同僚から、心無い言葉を言われた

 

という方が、現実にいるという結果です。

 

つまり医療従事者同士でさえも、差別・偏見が起きてしまうんです。

 

新型コロナウイルス感染症の対応の大変さがわかっているはずの同業者ですら、恐怖や不安にあながうことが困難な場合があるという事実…。

 

 

一般の方であれば、なおさらでしょう。

 

 

さらには病院等でのクラスター発生が、何度も報道されていました。

 

これでは医療従事者に対して、恐怖や不安を感じてしまうのは、心理的な作用として、やむを得ないことだと考えられます。

 

ですので、このような状況の時には差別や偏見は、「必ず起こるもの」と捉えることができます。

 

 

ただ、だからといって差別的な言動をしていいわけではありません。

 

 

そこで、このような恐怖や不安に対する、対処法をご紹介しますね。

 

 

4 抑止ではなく「許して諭す」

人間は誰しも、完璧ではありません。

 

命に係わる恐怖や不安を感じた際に、理性を維持して行動をすることは、簡単なことではありません。

 

 

実はわたし自身、非常事態に際して苦い経験があります。

 

 

東日本大震災で、福島で災害派遣に従事していた時のことです。

 

 

現地で本当に偶然、レンジャー訓練のバディにバッタリ再会しました。

 

 

レンジャー訓練ではバディシステム(2人1組制)を採用しており、3カ月間、どんな時も必ずバディと行動し、一蓮托生で苦楽を共にします。

 

 

 

 

 

 

 

そんな苦楽を共にしたバディは、原発の目の前で任務を遂行していました。

 

 

 

 

 

 

 

その事実を聞いた際、わたしは言葉ではねぎらい、お互い頑張ろうと励まし合いました。

 

 

ただ、わたしより放射能の多い場所で作業をしていたバディに対して、反射的に心理的な抵抗感を感じたのを今でも覚えています。

 

 

放射能はうつらない、除染すれば大丈夫と、もちろん理屈ではわかっています。

 

 

わかっていても、心理的な抵抗感が全く起こらないかと言われれば、それは別問題なんです。

 

 

「お互い頑張ろう」

 

 

そう言いつつも、心理的な抵抗感が言葉や態度に出ないよう、自分を必死に制御したのを今でも覚えています。

 

 

 

 

 

思い出したくない、本当に苦い思い出です。

 

 

 

 

 

いざ、そういう場面に出くわした際にどう感じるかは、その時にならないと本当にわからないものなんです。

 

今回のコロナ禍で、

「差別・偏見をやめよう」

 

と盛んにメディアで報道されていました。

 

 

そんな時にふと感じたんです。

 

 

差別や偏見を態度や言葉に出してしまった方は、もしかすると

 

”差別・偏見をやめよう” 

     ⇩

恐怖や不安を感じるな!”

 

こんな風にメッセージを受け取ってしまっているのではないか、と。

 

 

人間誰しも、頭ごなしに抑止されるのは、嫌なものです。

 

 

歳を重ねれば重ねるほど、その傾向は強くなります。

 

 

さらに、

誰もが感じているはずの、恐怖や不安を感じるな!

 

 

と言われてしまっては、とても理不尽に感じるはずです。

 

 

ですので、差別や偏見をなくすためには、まずはその恐怖や不安を感じることを許すことが必要であると、わたしは考えます。

 

 

そしてその気持ちに寄り添うメッセージを発信することが、差別や偏見をなくすための手段だと考えます。

 

 

コロナ禍で
強い恐怖や不安を
感じてしまった方へ

 

「コロナに対してたくさんの報道がありますので、恐怖や不安を感じるのは当然です」

 

「これはみんな同じです」

 

「人間であれば、危険を回避するために誰もが当然に持つ感情です」

 

「そしてコロナウィルスに近い場所にいる医療従事者に対して、抵抗感を強く感じることもあると思います」

 

「人間は完璧ではありませんから、そんな感情を持つことはやむを得ないことです」

 

「ただ、それをあからさまに態度や言葉に出してしまった場合、相手は傷つきます」

 

「感染が広がらないように、そして命を救うために、懸命に頑張っている医療従事者の皆様を傷つけても、コロナはいなくなりません」

 

「むしろ医療の質を下げ、感染リスクが上がるどころか、救える命も救えなくなってしまいます」

 

「もしかしたら、あなた自身がお世話になる場合もあるはずです」

 

「怖いこともあると思います」

 

「不安になることもあると思います」

 

「その気持ちを抱えているのは、あなただけではありません」

 

「ただ、態度や言葉に出すときは、

 

 『ありがとうございます』

 

と感謝の言葉を伝えて、頭を下げましょう」

 

「恐怖と不安が和らいで、この状況を生き抜く勇気が湧いてきますよ」

 

「どんなに困難なことがあっても、必ず乗り越えられます」

 

「否定的な感情に振り回されずに、みんなでコロナ禍を乗り越えていきましょう」

 

 

5 まとめと次回のテーマ

今回のブログでは『医療従事者差別』をテーマにしました。

 

人間の集団心理を説明するために「傍観者効果」を取り上げ、社会心理学的な観点から、医療従事者差別を考察していきました。

 

社会を通して増幅された恐怖や不安にあながうことは、非常に難しいことだということは、ご理解いただけましたでしょうか。

 

このような中で差別や偏見をなくすには、まずは恐怖や不安という感情を持つことを許す必要がある、とわたしは考えます。

 

そして、差別はダメと頭ごなしに抑止するのではなく、気持ちに寄り添ったメッセージを送り、恐怖や不安を緩めていくことが有効だと感じます。

 

こんな風に「許して諭す」ことで、感情に振り回されずに行動できるのではないかと考えています。

 

 

今後もこのような非常事態が、起こることがあるかもしれません。

 

 

このブログに共感してくださった方は、是非大切な方と共有してください。

 

 

そして非常事態の時には「許して諭す」で、恐怖や不安に振り回されずに、困難を乗り越えていきましょう。

 

 

今回のブログで、

「非常事態の時には、社会的に恐怖や不安が増幅される」

 

とをお伝えしたんですが…。

 

実はこの現象は、非常事態時のストレスである”惨事ストレス”が影響しているんです。

 

次回のブログでは、この惨事ストレスについてお伝えしようと思います。

 

タイトルは

『CBRNE(シーバーン)災害と惨事ストレス』

 

是非ご覧ください。

 

 

追伸:東日本大震災から数年後、またバディに会いました。その時には心理的な抵抗感は全くなくなっていました。時間が経つとそんな気持ちもなくなります。時間の力に感謝です。

 

 

参考文献

1 集団心理・集団行動-社会の中の人間行動学- 三井宏隆著 小林出版 1997年4月
2 令和3年版 看護白書 公益社団法人日本看護協会編 日本看護協会出版会 2021年7月

 

参考資料

3 ウィキペディアHP 「傍観者効果

4 日本赤十字社HP 「新型コロナウイルスの3つの顔を知ろう!~負のスパイラルを断ち切るために~

 

今週の体重

先週57.8㎏⇒今週58.7㎏

 

体重をアップする理由
【頑張らないダイエット③】 お手軽にも程がある!"超時短"筋トレ法

 

※令和6年3月16日:ブログの冒頭に「概要」を追加し、文章の校正をしました。

 

 

≪前回のブログ  -  次のブログ≫

 

 

陸上自衛隊に15年勤務。レンジャー隊員。公認心理師産業カウンセラー

 

在職時は、年200件以上の面談に対応するカウンセラーの任務を行うと共に、隊員に対して災害派遣の心構え」を教育をしていました。

 

そんな自衛隊での教育や、自身の災害派遣の経験をアレンジして、現在は一般向けに「災害の心構え」をお伝えするセミナー講師。

 

 

『どんな災害も乗り越える』

 

 

その心構えを”自衛隊式”でレクチャーしています。

 

 

このブログでは、防災のこと、身心の健康、そしてちょっとだけ自衛隊の話を綴っています。

 

 

自衛隊での経験やセラピストとして学んだことが、皆様のお役に立てば幸いです。

 

ブログの更新は毎週水曜日。

 

月に一度、ブログテーマのアナウンスをしています。

 

アナウンスをご希望の方は、ご連絡ください。

 

連絡先はこちら
LINE公式アカウント:https://lin.ee/ky0Ngjp
Mail:sukkirioasis@gmail.com

 

読者になりたい方はこちら

 

最後までご覧いただきありがとうございました。感謝です。

 

WEBページ

 

公式X(エックス)

『身体の健康・心の健康・防災』のニュースをポストしています。

https://twitter.com/sukkirioasis

⇨フォローして、是非情報を受け取ってくださいね。

 

経歴・資格など

公認心理師(国家資格)、産業カウンセラー、リラクゼーションセラピスト(2級)、元陸上自衛官、レンジャー隊員、上級体育指導官、予備自衛官(衛生官)

〔※「Windship」及び「Windship treatment」は登録商標です。〕

 

前回のブログ

【コロナ禍を心理学で振り返る】コロナうつとダブルバインド理論

令和4年12月7日

3年も続く「コロナ禍」。長く制限された生活で、”うつ状態”になる方もいたようです。この”うつ”の最も大きな要因を、ダブルバインド理論を用いて考察します。是非ご覧ください。

お疲れ様です。自衛隊卒セラピストの岡田凰里(おかだおうり)です。ブログを読んで頂いてありがとうございます。

 

 

12月入りました。

 

本格的に冬になりましたね。

 

朝は布団から出るのが、だいぶしんどくなりましたね(^^;

 

新型コロナウイルスについては、第8波が到来しています。

 

感染対策の基本基礎、マスク、うがい、手洗いを継続して、この波も乗り越えていきましょう。

 

 

さて、今月のブログのテーマは

『コロナ禍を心理学で振り返る』

 

です。

 

まもなく3年を迎えるコロナ禍。

 

コロナへの対応にも慣れ、当初に比べれば不安感はだいぶ和らいできました。

 

そして新たな経口薬の承認もされ、感染症分類は第2類から第5類への引き下げも本格検討され始めました。

 

 

来年には、普通の病気になっていそうです。

 

 

そこで今月のブログでは、1年の締めくくりにこのコロナ禍を振り返ろうと思います。

 

わたしは心理の国家資格を持つ「公認心理師

 

そこで心理学的な観点から、コロナ禍を振り返っていきます。

 

今回はダブルバインド(二重拘束)理論から、”コロナうつ”について考察します。


今回のブログは以下の内容になっています。

1 長引くコロナ禍

2 ダブルバインド理論とは

3 心理学から見たコロナうつ

4 童話「太陽と北風」

5 まとめと来月のテーマ

それでは始めていきますね。

 

 

1 長引くコロナ禍

2020年が始まってさほど経たないうちに、新型コロナウイルス感染症の話題が上ってきました。

 

日本では、横浜港に寄港したクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号の乗客に、感染者が確認されました。

 

過去に例のない、未曽有の事態の対応は専門家でも難しく、様々な報道がなされました。

 

そのような中でも、厚生労働省の職員災害派遣医療チーム(DMAT)、自衛隊医官等の皆様が、当時できる最善の対応を行ってくださいました。

 

本当にありがとうございます。

 

心から感謝いたします。

 

 

その後、国内の感染者数は波を経ることに増加し、現在は第8波となっています。

 

 

波を幾度越えても、毎度おなじみの対策の繰り返しになっています。

 

「ワクチン」

 

「マスク」

 

「3密回避」

 

こういった対策を経ても、感染者数が波を追うごとに増加していきました。

 

そして波を追うごとに、様々な情報が流れてきます。

 

国内の情報ももちろん、海外の情報も入ってきます。

 

これだけ情報が多いと、

どうしていいか迷う

 

なんてことも増えていきます。

 

そしてこの判断に迷う情報が、ダブルバインド(二重拘束)に陥る、大きな要因になるんです。

 

 

2 ダブルバインド理論とは

ダブルバインド(二重拘束)理論とは、グレゴリー・ベイトソンによって発表された説です。

 

この理論は主に、家族関係の中で用いられている理論です。

 

逃れられない矛盾したメッセージを突き付けられることが、統合失調症的な精神疾患や、行動上の障害の発生要因になるという理論になります。

 

家族関係の中で、日常的に逃れられない矛盾したメッセージを用いたコミュニケーションが繰り返されると、ある特定の家族成員にそのような症状や障害が出現すると考えられています。

 

 

ちょっと専門的な用語が続いてしまったので、具体的な例で説明しますね。

 

 

まずは「逃れられない矛盾したメッセージ」から説明します。

 

 

例えば、親が子供に何か注意しようとしたときに、

「怒らないから、こっちに来なさい!」

 

と、怒鳴りながら言った場合、これが逃れられない矛盾したメッセージになります。

 

子供からしたら、

 

(もう、怒ってるじゃん…)

 

という感じになりますよね。

 

そして、親のところへ行ったら行ったで、怒らないといったにもかかわらず、結局怒られてしまうパターンってありますよね(^^;

 

(怒らないって言ったのに、結局怒ってるじゃん…)

 

矛盾したコミュニケーションですよね(^n^;

 

こういったコミュニケーションが、

逃れられない矛盾したメッセージを突き付けられる

 

ということになります。

 

これをダブルバインドメッセージと表現しますね。

 

このようにダブルバインドメッセージを使ったコミュニケーションが、日常的に繰り返されてしまうと統合失調症的な精神疾患の要因になると考えられています。

 

 

次に「統合失調症的な精神疾患」の具体的な症状についてです。

 

 

統合失調症には、その前駆症状として次の様な症状があります。

 

主観的には

 

抑うつ

「思考・記憶・集中力の低下」

「不眠」

「易疲労感」

「倦怠感」

 

客観的には

 

「意欲・興味の低下」

「こもりがちになる」

 

このような症状があります。

 

これらの症状を見て、あれ?と思った方もいらっしゃると思います。

 

そうです。

 

実はこれらは、"うつ”と同じような症状ですね。

 

つまりダブルバインド理論では、ダブルバインドメッセージが繰り返されると、「"うつ"と同じような症状が出やすくなる」と考えられているんです。

 

ダブルバインド理論は、主に家族関係において当てはめるものですが、今回はコロナ禍という社会状況に当てはめてみようと思います。

 

 

皆さん、少し振り返ってみてください。

 

 

3年続いているコロナ禍で、矛盾したメッセージが繰り返し発信されていませんか?

 

ワクチン、マスク、3密回避…

 

このような対策に対して、何度も矛盾したメッセージを受けとっているはずです。

 

 

3 心理学から見たコロナうつ

 

「コロナうつ」

 

この言葉は、新型コロナウイルス感染症が流行し始めた頃から、本当によく耳にします。

 

もちろん今でも同じです。

 

ただニュースなどの記事を拝見していると、

「外出自粛とあいまって、人と人とのコミュニケーションが減り、孤独な時間が増えたせいである。」

 

このように分析していることが、多いようです。

 

またコロナの後遺症のせいで、うつ症状が出ている方もいらっしゃるようです。

 

もちろん、このような要因もあると思います。

 

 

そしてその要因に加えて、

ダブルバインドメッセージが繰り返されることで、うつ症状が発生しやすい状況であるため』

 

と、わたしは考えています。

 

 

ダブルバインドとは、「逃れられない矛盾した」という意味でした。


ちょっとこのコロナ禍で、発信されているメッセージを少し振り返ってみましょう。


例えばワクチンについては…

「政府はワクチンを強く推奨します。ただ強制ではありません。個人的な状況を加味して自己判断で打ってください。」

 

というようなメッセージを発信しています。

 

しかしそれとは別に、ワクチンの副作用や後遺症など、ワクチンに関する様々な負の情報も発信されました。

 

そして、ワクチンの副作用で亡くなったという事例も、実際にあります。

 

こうなってくると、

 

(ワクチンを打てと強く薦めているにも関わらず、強制ではない?)

 

(え?副作用や後遺症もあるの?でも打たないといけないの?)

 

(打って何かあったらどうしよう…)

 

こんな風に感じるはずです。

 

社会にあふれているメッセージ(情報)が、矛盾をはらんでいるからこそ、このような葛藤が起きる訳です。

 

 

またマスクに関しては、当初は意味が「ある」「ない」の話題が上りました。

 

現在ではマスクをしているのは日本だけ、マスク着用について世界に合わせることが検討されている、なんて情報もあります。

 

それにも関わらず、今年の冬はコロナとインフルエンザの流行が危惧されるという情報があります。

 

(マスクって意味があるんだよね…?)

 

(マスク着用の検討って、マスクを外せってこと…?)

 

(いやいや今は冬なんだし、インフルもあるからしないとまずいでしょ…)

 

 

そして3密回避に関しては、現在では感染者数が増加しているにもかからわず、イベントなどの人数制限も解除されている状態です。

 

3密に関する警戒心をほどくような施策が行われているにも関わらず、密を回避しましょうというメッセージは続いています。

 

(本当に今も、3密を気にしないといけないの…?)

 

(なんだか最近、3密回避がなし崩しになっているような気が…)

 

このように、逃れられない矛盾したメッセージが、この3年間繰り返し発信され続けることによって、常に葛藤が付きまとっています。

 

 

これでは、情報に振り回されてしまうのも当然です。

 

 

この現状を踏まえると、ダブルバインド理論が成立する条件が、十分あるように感じています。

 

 

私見ではありますが、心理学的な観点から見ると、コロナ禍はダブルバインドメッセージに溢れており、平時よりうつ症状が出やすい社会的状況にあると考えられます。

 

 

これが、"コロナうつ"の大きな要因になっていると、わたしは考えます。

 

 

つまり、コロナうつを予防・改善するためには、このダブルバインドメッセージをどうにかする必要がある、と考えられます。

 

それではこのような状況を、打破する方法はあるのでしょうか。

 

 

4 童話「太陽と北風」

わたしはこのようなダブルバインドメッセージが溢れている現状は、やむを得ないことだと思っています。

 

どうやっても、このような状態にならざるを得なくて、なっているんだと思います。

 

わたし自身、解決の方法があるかと問われれば、答えは否です。

 

解決方法があれば、とっくにやっているはずですからね(^^;

 

ただ、誰もがコロナに罹りたくない中で、1つだけお伝えできることがあります。

 

それは、

最も基本的な感染予防を続ける

 

ということです。

 

 

その方法は、うがい、手洗い、マスクになります。

 

 

どれもウイルスの体内侵入を極力少なくするための、基本のキです。

 

ちょっと面倒なんですが、一番確実な方法だと感じます。

 

新型コロナウイルス感染症に関する情報は、本当にたくさんあります。

 

それがゆえに、それぞれの情報がダブルバインドメッセージになってしまい、葛藤を生みます。

 

それに揺さぶられてしまうと、"うつ"に近い症状が出てしまう場合もあると思います。

 

 

実は、そんなメッセージに揺さぶられない方法は、最も基本的な対策を淡々と続けることなんです

 

 

だいぶ前のブログになりますが、コロナと放射能は似ているとお伝えしました。
(※放射性物質放射線等を総じて放射能と表現します)

 

わたしは東日本大震災の際に、福島で災害派遣に従事しています。

 

実はその時の放射能内部被曝外部被曝を減らす方法が、コロナの予防方法と似ているんです。

 

水で洗い流して放射能を除染したり、体内に入ってこないためにマスクをしたり。

 

放射能は数値で測れますので、一目瞭然。

 

やっぱりその基本的な対策をすると、数値が全然違うんですよね。

 

 

基本のキをおススメするのには、こんな実体験があります。

 

 

このような中で11月初旬には、政府から「世界と歩調を合わせたマスク着用ルールの検討」が表明されています。

 

 

さて、皆さん。

 

 

仮に今、マスク着用ルールが変更されて、マスクなしでOKとなったとして、完全にマスクなしの生活を送りますか?

 

 

わたしは、しばらくマスク着用を続けます。

 

・感染者数の増加

・インフルエンザとコロナの同時罹患のリスク

・体調を崩しやすい冬の季節

 

この状況を加味すると、マスクなしで生活しようとは思いません。

 

 

日本人は同調圧力でマスクをつけてる

 

 

そんな意見もありますし、もちろんその影響もあると思います。

 

 

ただそれよりも、単純に「病気に罹りたくない」という気持ちが強いから、マスクをつけているんだと思います。

 

そして「万が一もあるし、他の人に迷惑をかけたくない」という気持ちがあるからではないでしょうか。

 

 

日本人ならではの考え方ですよね。

 

 

そんな時に、ふと「太陽と北風」という童話を思い出しました。

 

 

人間の洋服を脱がそうと、太陽と北風が勝負する話です。

 

 

無理やり脱がそうとしてもダメで、脱ぐ状況になれば自然と脱ぐという話でした。

 

 

なんだか今の、脱マスクの状況と似ている感じがします。

 

 

感染への不安が無くなれば、誰もがマスクを外すでしょう。

 

 

その不安が無くなるには、

 

・ウィルスの弱毒化

・経口薬の流通

・政府の決定

 

このような自然と人間の両面の作用によって、もたらされると思います。

 

今の状況と照らし合わせると、普段の生活を取戻すまで、あと一歩のところまで来ている感じがします。

 

 

ちょっと大変かもしれませんが、もう一息。

 

 

「基本のキ」を、もうしばらく続けて、この波も乗り越えていきましょう。

 

 

5 まとめと次回のテーマ

今回のブログでは、コロナうつをダブルバインド理論で考察しました。

 

本来、ダブルバインド理論は家族関係を考察するための理論ですが、その理論を演繹して、コロナ禍を分析しました。

 

コロナ禍では、ダブルバインドメッセージが溢れていて、社会状況として"うつ症状が起こりやすい状態である"と考えられます。

 

そんなメッセージに揺さぶられないためには、最も基本的な感染対策を、淡々と続けることが重要であることをお伝えしました。

 

 

手洗い、うがい、マスクですね。

 

 

福島での放射能状況下での災害派遣の経験から、不安に揺さぶられないためには、基本のキの対策が一番大事だと、心底感じています。

 

ご参考になれば幸いです。

 

そしてこの「基本のキ」は、わたしがブログを始めてから、ブログの冒頭でずっとお伝えしてきたことです。

 

実は災害派遣での実体験があったので、ずっとお伝えしていたんです。

 

 

ちょっとしつこかったかもしれませんね(^^;

 

 

コロナもインフルエンザも、予防が第一です。

 

淡々と感染予防の「基本のキ」を続けて、この波も乗り越えていきましょう。

 

 

次回のブログは

医療従事者差別と傍観者効果

 

をお伝えします。

 

是非ご覧ください。

 

 

参考文献

1 心理臨床大辞典〔改訂版〕 氏原寛等共著 培風館 2013年9月

 

参考資料
2 ウィキペディアHP 「ダブルバインド

3 国立感染症研究所HP ダイヤモンドプリンセス号新型コロナウイルス感染症における事例発生初期の疫学

4 厚生労働省HP ダイヤモンド・プリンセス号現地対策本部報告書

 

『コロナと放射能』のブログ

 

今週の体重

先週59.4㎏⇒今週57.8㎏

 

体重をアップする理由
【頑張らないダイエット③】 お手軽にも程がある!"超時短"筋トレ法

 

※令和6年3月16日:ブログの冒頭に「概要」を追加し、文章の校正をしました。

 

 

≪前回のブログ  -  次のブログ≫

 

 

陸上自衛隊に15年勤務。レンジャー隊員。公認心理師産業カウンセラー

 

在職時は、年200件以上の面談に対応するカウンセラーの任務を行うと共に、隊員に対して災害派遣の心構え」を教育をしていました。

 

そんな自衛隊での教育や、自身の災害派遣の経験をアレンジして、現在は一般向けに「災害の心構え」をお伝えするセミナー講師。

 

 

『どんな災害も乗り越える』

 

その心構えを”自衛隊式”でレクチャーしています。

 

 

このブログでは、防災のこと、身心の健康、そしてちょっとだけ自衛隊の話を綴っています。

 

 

自衛隊での経験やセラピストとして学んだことが、皆様のお役に立てば幸いです。

 

ブログの更新は毎週水曜日。

 

月に一度、ブログテーマのアナウンスをしています。

 

アナウンスをご希望の方は、ご連絡ください。

 

連絡先はこちら
LINE公式アカウント:https://lin.ee/ky0Ngjp
Mail:sukkirioasis@gmail.com

 

読者になりたい方はこちら

 

最後までご覧いただきありがとうございました。感謝です。

 

引き続き感染対策をして、安心安全の社会を作っていきましょう。

 

 

WEBページ

 

公式X(エックス)

『身体の健康・心の健康・防災』のニュースをポストしています。

https://twitter.com/sukkirioasis

⇨フォローして、是非情報を受け取ってくださいね。

 

経歴・資格など

公認心理師(国家資格)、産業カウンセラー、リラクゼーションセラピスト(2級)、元陸上自衛官、レンジャー隊員、上級体育指導官、予備自衛官(衛生官)

〔※「Windship」及び「Windship treatment」は登録商標です。〕

 

前回のブログ

【災害備蓄のリアル④】わたしの備蓄をご紹介します!

令和4年11月23日

「備蓄をしようと思っても、いまいちイメージがわかない」、という方もいらっしゃるかもしれません。そんな方のために、わたしの備蓄をご紹介します。ご参考になれば幸いです。是非ご覧ください。

お疲れ様です。自衛隊卒セラピストの岡田凰里(おかだおうり)です。ブログを読んで頂いてありがとうございます。


気づけば11月も下旬。

 

日に日に冬の気配が色濃くなってまいりました。

 

紅葉した木々も、だいぶ寂しくなってきましたね。

 

 

新型コロナウイルスについては、第8波が到来しています。

 

感染対策の基本基礎、マスク、うがい、手洗いを継続して、次の波も乗り越えていきましょう。

 

 

さて、今月のブログは『災害備蓄のリアル』についてお伝えしています。

 

前回のブログでは、備蓄レベル別の待機生活のシミュレーションを行いました。

 

首都直下地震が起きて、一斉帰宅抑制がかかった際の自宅待機のイメージは、だいぶできたのではないでしょうか。

 

イメージがあると、不安も和らぎますよね。

 

 

さて、今回のブログでは、わたしの備蓄をご紹介したいと思います。

 

災害に備えて実際に備蓄をしようと思って、自治体の手引きを見てみても、具体的なモノが記載されているわけではありません。

 

賞味期限の長いモノや、保存の利くもの、そういった形で記載されています。

 

そこで、わたしの備蓄をご紹介しますので、備蓄の参考にしていただければと思います。

 

〔※東京都から『「日常備蓄」で災害に備えよう』というパンフレットが出ています。こちらは、かなり細かく備蓄について記載されています。調査不足で、大変申し訳ありませんでした。ちなみに、11月19日は備蓄の日だそうです。

・パンフレットをご覧になりたい方はこちらから⇩

「日常備蓄」で災害に備えようパンフレット|東京都防災ホームページ

・東京備蓄ナビのHPはこちらから⇩

東京備蓄ナビ

(令和4年11月24日追記)〕

 

わたしは、リラクゼーションスペースの「経営者」兼「セラピスト」。

 

圧倒的に店舗にいる時間が長いんです(^^;

 

ですので、店舗にも備蓄しています。

 

1名分の備蓄にはなりますが、参考になれば幸いです。

 

 

今回のブログは以下の内容です。

1 わたしの備蓄のご紹介

2 避難の備えは?

3 3日目以降はどうなるか

4 心構えはありますか?

5 まとめと来月のテーマ

それでは始めていきますね。

 

 

1 わたしの備蓄のご紹介

それでは早速、わたしの備蓄をご紹介していきます。

 

こちらです!

 

普段は、別々の収納スペースに保管してありますが、1人分でもやっぱりそれなりの量になります。

 

それでは、1つづつ見ていきましょう♪

 

まずは、3つのマストアイテムから。

 

初めに簡易トイレです。

 

 

次に保存水。

 

2リットル×6本です。

 

段ボールは未開封なので、開けてみました。

 

 

 

そして、ソーラーチャージャー。

 

 

 

 

それでは、食料品などの備蓄も見ていきましょう。

 

 

こちらのボックスは、保存食とガスボンベと簡易トイレ(100均の個包装モノ)が入っています。

 

 

 

 

 

うーん(^^;

 

普段の食事で食べることもあるので、ちょっと今は減っていましたね。

 

一応即席めんを2袋(5個入×2)を準備しています。

 

あとは、カレーですね。

 

 

 

ローリングストックするものは、普段食べるものにしておくことが肝心です。

 

わたしは自分でカレーを作ることはないので、こういったレトルトパックに頼っています。

 

次は、缶詰と衛生用品ですね。

 

 

 

そして、レトルトのごはんです。

 

 

ご飯はアルファ米だと、保存が利いていいんですが…

 

やっぱり普通のごはんには、敵わないんですよね(^^;

 

温めて食べた時の、満足感が違います。

 

自衛隊にいた時に、本当にたくさんの種類の非常食を食べました。

 

期限や収納の問題があっても、やっぱりレトルトパックがいいなと感じます。

 

って、あら?

 

わたしは、普段の食生活で白米は食べないんです。

 

そうなると、やっぱりこうなっちゃいますよね(^^:

 

まぁ、仕方ないことだと思います。

 

ただ、賞味期限は未開封の状態で

「品質が変わらずにおいしく食べられる期限」

 

のことだそうです。

 

3年経過か…(^^;

 

ちょっと、食べてみることにしました♪

 

 

 

ガスコンロの機能点検も兼ねて、湯煎してみます。

 

 

自衛隊にいた頃、若い隊員で

「ガスコンロ使ったことありません」

 

という後輩がいたんですよね…(^^;

 

あと、

「石油ストーブ使ったことありません」

 

とか(^o^;

 

これは、時代ですよね。

 

今はオール電化ですもんね。

 

ちなみに、

「五徳を使わないで直接温めてしまって、コンロ本体が異常に熱くなり、ガスボンベが爆発!」

 

こんな笑えない事故が実際に起きていますので、若い方には使い方を教えてあげるのも大切です。

 

 

 

 

いざ、実食!!

 

 

えーっと…。

 

普通に美味しかったです(^o^;♪

 

ただちょっと量が多かったので、非常時は2人で分けたり、2食分にしてもいいかなと感じました。

 

さすがに3年切れは精神衛生的に良くないと思うので、新しいものを買おうと思います(^^;

 

ま、賞味期限切れでも、大丈夫ということで…(^m^;

 

以上が、備蓄として準備しているものになります。

 

ローリングストックを活用すれば、普段の食事としても使えますよ。

 

 

2 避難の備えは?

わたしの備蓄はいかがでしたか?

 

「理想と現実は違う」と何度もお伝えした通り、だいぶ食べちゃってるものもありましたね。

 

レトルトご飯なんかは、3年以上賞味期限が…(^n^;

 

やっぱり理想と現実は、違うんですよねぇ…(^^;

 

次の買い物で、買い足しておこうと思います(^o^;

 

 


ところで、

「避難の備えはどうしていますか?」

 

と、気になる方もいらっしゃると思います。

 

実はわたしは、避難の備えは特段していません。

 

強いて言えば、大きいリュックを準備しています。

 

中古で買った80リットルのリュックです(^^;

 

大は小を兼ねるということで。

 

いざという時はこれに詰めて、避難しようと思っています。

 

わたしのお店は練馬区石神井台にありますが、ハザードマップを見ても、それほど危険な地域ではありません。

 

近くに川や海があって、水害の可能性があるならまだしも、そういう状況ではありませんので、避難の可能性は非常に低いと考えています。

 

ですので、避難しなければならなくなった時には、その場で準備するつもりです。

 

もちろん不安な方は、市販されている避難用のリュックなどを購入してもいいと思います。

 

もし、市販のリュックで避難する際は、必ず貴重品を持って避難するようにしてください。

 

携帯電話や財布、通帳や印鑑なども持って避難してくださいね。

 

 

3 3日目以降はどうなるか

さて、一斉帰宅抑制の基準は

「72時間」

 

の3日間でした。

 

それでは3日後はどうなるかを、説明しておこうと思います。

 

 

と、その前に…。

 

 

実は一斉帰宅抑制は、拘束力がそこまで強いわけではありません。

 

自己判断をして、帰宅をすることも可能と言えば可能です。

 

徒歩数分圏内で帰宅できるのであればいいかもしれませんが、わたしは自己判断で帰宅することはおススメしません。

 

 

人命救助

 

生活インフラの復旧

 

支援物資の輸送

 

 

こういった活動を円滑に進めるためには、帰宅抑制はどうしても必要です。

 

それと共に、

自身の命の危険に係わる、二次被害を避ける

 

極端に不安を抱えて行動することによる、余計な疲労を避ける

 

意図せず命の現場に立ち会い、強烈なショックを受けることを避ける

 

こういったことを避けるためにも、その場で待機することをおススメします。

 

 

東京都の帰宅困難者対策ハンドブックによると、一斉帰宅抑制の呼びかけは行われるそうですが、解除の案内を都から行う予定はないそうです。

 

これは、現場の状況が様々なので、一律に解除を案内するわけにはいかないからだと思います。

 

恐らく、

「72時間経ちましたので、周りの状況を判断しながら、逐次帰宅を進めて構いません」

 

というような案内は、出るとは思います。

 

すべての状況に対して行政が責任を持つというのは、なかなか難しいことです。

 

その場で状況判断して、二次災害に気をつけながら、帰宅しましょう。

 

帰宅する際は、災害時帰宅支援ステーションがあります。

 

都立学校やコンビニやガソリンスタンド等が、水やトイレ、災害情報を提供してくれますので、困ったときは頼ってくださいね。

 

 

そして災害の救助活動は人命救助のフェーズから、行方不明者捜索に移ることになります。

 

もちろん救助活動が一切なくなるわけではありませんが、被災生活をしている方々の生活インフラの復旧も重要なことです。

 

生活インフラの復旧は、電気と携帯電話の復旧が速くなります。

 

理由は単純で、地上に設備があるからです。

 

そして救助に際しては、連絡手段の確保が最も重要であるため、電気通信の関係企業の皆様の懸命な復旧活動が行われます。

 

それとは逆にガスや水道は、埋設してありますので、どうしても時間がかかります。

 

地中に埋めてある管をつなぐには、一度掘り起こさなければならないので、いくら懸命に作業をしても限界があるんです。

 

 

生活支援の活動が本格的になり、支援物資が全国各地から届きます。

 

そして、災害ボランティアの方も来られ、炊き出しも行われます。

 

3日分の備蓄も残りわずかとなり不安になるかもしれませんが、自治体やボランティアの方の支援がありますので、心配し過ぎる必要はありません。

 

気になるトイレも避難所に指定されている場所に、仮設トイレが設置されていきます。

 

給水車も来ますので、水道が使えなくても水を補給することができるようになります。

 

 

自宅の水が足りなくなった時のために、ポリタンクがあると便利です。

 

近所のホームセンターで、1000円くらいで買えます。

 

わたしは購入してあります。

 

 

まだまだ我慢の生活が続くとは思いますが、命にかかわるようなことは、ほぼないと言っていいでしょう。

 

 

7日目以降になると、支援活動も効率的になると共に我慢の生活にも慣れてきます。

 

少しずつではありますが、普段の生活を取り戻すための活動を始めていくことになるでしょう。

 

 

ただ…

 

 

「普段の生活を取り戻す」

 

 

このためには、実は事前に心構えがあるかどうかが、大きく影響することになるんです。

 

 

4 心構えはありますか?

 

物心両面の準備

 

 

この言葉をご存じですか?

 

災害の際に直ちに駆けつける、陸上自衛隊の服務規則に定められている言葉です。

 

モノの準備だけでは不十分、心の準備をして万全である

 

という意味です。

 

自衛官はその任務の特性上、何度も災害の現場を経験することになります。

 

ですので、任務の1つでショックを受けてしまって、次の任務に支障をきしてしまうようなことは、絶対に避けなければなりません。

 

 

そんな風にならないためにも、心の準備というのは非常に重要になります。

 

 

もちろん、何度も経験するうちに慣れてくる部分もありますので、

「心の準備+経験」

 

で、自衛官として一人前になっていきます。

 

 

 

一般的な言葉にすると、災害への「心構え」ということになるでしょう。

 

 

 

ただ、一般の皆様がご自身で「心構え」をするのは、とても難しいと感じています。

 

そもそも災害は、そう何度も経験するものではありません。

 

未経験のこと、そして一生に一度遭遇するかどうかということに対して、「心構えをする」というのは、なかなかできなることではありません。

 

そんな現状があるにも関わらず、被災した際に心構えがなかった場合、一生消えない心の傷を負ってしまう場合があります。

 

 

後悔…

 

罪悪感…

 

自責感…

 

 

こんな感情が、その後の復興活動はもちろん、復興後の日常生活にも非常に大きな影響をもたらします。

 

 

できれば、こんな風にはなって欲しくないんです。

 

 

わたしはセラピストであると共に、公認心理師としても活動しています。

 

自衛隊での経験をもとに、災害の心構えを自衛隊式』で学べるセミナーを開催しています。

 

 

「災害で受けるショックを、少しでも減らして欲しい」

 

「被災をしても、それを乗り越えて欲しい」

 

「災害後の人生も、心地よく送って欲しい」

 

 

こんな想いがあるからです。

 

もしご興味のある方は、是非ホームページをご覧ください。

 

ブログの最後にリンクを張っておきますね。

 

 

5 まとめと次回のテーマ

今回のブログでは、わたしの備蓄をご紹介しました。

 

ちょっと食べちゃってたものがあったり、賞味期限がだいぶ切れたりしているものがありましたね(^^;

 

完璧な準備はなかなか難しいところですが、ご参考になれば幸いです。

 

 

いつ起こるかわからないことに対して準備するのは、本当に億劫なことだと思います。

 

 

だからこそ、一度しっかりと準備していただきたいんです。

 

 

一度準備してしまえば案外気楽なもので、それを維持するのはそれほど労力はいりませんよ(^^)

 

そして準備をすることで、災害をいたずらに恐れず、安心の日常生活を送ることができます。

 

 

今月のブログのテーマは

災害備蓄のリアル

 

 

現実的な災害備蓄をご紹介してきました。

 

自宅待機生活

 

3つのマストアイテム

 

災害時のシミュレーション

 

そして「わたしの備蓄のご紹介

 

だいぶイメージは膨らんだと思います。

 

是非この機会に、ご自身の災害備蓄を確認して頂けたらと思います。

 

 

 

 

はい?

 

 

え?

 

 

おや…?

 

 

質問が来たようです。

 

 

あ、はい、どうぞどうぞ。

 

 

わたし:

「もしもし?」

 

論破王風味な方:

「すいませぇん、ちょっといいスか?」

 

わたし:

「あ、はいどうぞ」

 

論破王風味な方:

「あなた、予備自衛官ですよね?」

 

わたし:

「はい、そうです」

「現役は退官しましたが、予備役で衛生官として勤務させてもらってます」

 

論破王風味な方:

「てことはぁ、首都直下地震が起きた時に、最寄りの駐屯地に出頭するんスよねぇ?」

 

わたし:

「はい、そうなりますね」

 

論破王風味な方:

「てことはぁ、お店に備蓄してても、出頭するなら使わないスよね?」

 

わたし:

「・・・!」

 

論破王風味な方:

「それって、意味ないんじゃないスか?」

 

わたし:

「・・・(*n*)」

 

 

 

ラクゼーションスペース「スッキリオアシス」では、大規模地震が起きて一斉帰宅抑制がかかっても、店舗で待機する準備があります!

 

遠方の方でも、どうぞ安心して施術を受けにお越しくださいませ(^n^;!!

 

賞味期限切れは、しっかり買いなおしておきます!!

 

 

 

 

以下、来月のブログのご案内です。

 

新型コロナウイルス感染症の感染者数が、再度増加しています。

 

第8波の到来と盛んに報道されていますが、不安感は当初に比べると、だいぶ和らぎました。

 

恐らく来年には、普通の病気になっているような感じがします。

 

来月は年の瀬、12月。

 

そこで1年の締めくくりに、この3年弱のコロナ禍を振り返ろうと思います。

 

 

わたしは、心理の国家資格を持つ「公認心理師」です。

 

 

そこでこのコロナ禍を、心理学的な観点から振り返ります。

 

 

心理の専門用語も出てきますが、わかりやすく説明していきますので、是非ご覧ください。

 

 

WEBページ

 

今週の体重

先週59.3㎏⇒今週58.1㎏

 

体重をアップする理由
【頑張らないダイエット③】 お手軽にも程がある!"超時短"筋トレ法

 

参考資料

1 東京都帰宅困難者対策ハンドブック 東京都総務局総合防災部防災管理課編集・発行 令和2年9月

2 「防災の手引き-災害に備えて-」 練馬区危機管理室危機管理課編集・発行 令和4年2月
3 「東京防災」 東京都総務局総合防災部防災管理課編集・発行  平成29年3月

4 農林水産省HP「消費期限と賞味期限

 

※令和6年3月17日:ブログの冒頭に「概要」を追加し、文章の校正をしました。

 

 

≪前回のブログ  -  次のブログ≫

 

 

陸上自衛隊に15年勤務。レンジャー隊員。公認心理師産業カウンセラー

 

在職時は、年200件以上の面談に対応するカウンセラーの任務を行うと共に、隊員に対して災害派遣の心構え」を教育をしていました。

 

そんな自衛隊での教育や、自身の災害派遣の経験をアレンジして、現在は一般向けに「災害の心構え」をお伝えするセミナー講師。

 

 

『どんな災害も乗り越える』

 

 

その心構えを”自衛隊式”でレクチャーしています。

 

 

このブログでは、防災のこと、身心の健康、そしてちょっとだけ自衛隊の話を綴っています。

 

自衛隊での経験やセラピストとして学んだことが、皆様のお役に立てば幸いです。

 

ブログの更新は毎週水曜日。

 

月に一度、ブログテーマのアナウンスをしています。

 

アナウンスをご希望の方は、ご連絡ください。

 

連絡先はこちら
LINE公式アカウント:https://lin.ee/ky0Ngjp
Mail:sukkirioasis@gmail.com

 

読者になりたい方はこちら

 

最後までご覧いただきありがとうございました。感謝です。

 

引き続き感染対策をして、安心安全の社会を作っていきましょう。

 

公式X(エックス)

『身体の健康・心の健康・防災』のニュースをポストしています。

https://twitter.com/sukkirioasis

⇨フォローして、是非情報を受け取ってくださいね。

 

経歴・資格など

公認心理師(国家資格)、産業カウンセラー、リラクゼーションセラピスト(2級)、元陸上自衛官、レンジャー隊員、上級体育指導官、予備自衛官(衛生官)

〔※「Windship」及び「Windship treatment」は登録商標です。〕

 

前回のブログ

【災害備蓄のリアル③】備蓄レベル別!自宅待機生活シミュレーション

令和4年11月16日

被災後に自宅が無事であれば、数日間は自宅待機が予想されます。そんな時のシミュレーションを、備蓄レベル別にご紹介します。「待機は我慢」。どかまで我慢するかの、ご参考になれば幸いです。是非ご覧ください。

お疲れ様です。自衛隊卒セラピストの岡田凰里(おかだおうり)です。ブログを読んで頂いてありがとうございます。

 

 

朝晩の冷え込みが、日に日に厳しくなってきました。

 

11月も中旬。

 

立冬も過ぎ、冬の気配が感じられます。

 

新型コロナウイルスの感染者数が、再度増加しています。

 

感染対策の基本である、マスク、うがい、手洗いをしっかりと継続していきましょう。

 

 

さて、今月のブログは『災害備蓄のリアル』について、お伝えしています。

 

前回のブログでは、

 

「何を基準に災害備蓄を準備すればいいか」

 

をお伝えしました。

 

”人間が我慢できないこと”

 

を基準にすると、優先順位が見えてくるんでしたね。

 

その上で、どんなに準備が億劫でも、必ず購入すべきマストアイテムをご紹介しました。

 

 

「簡易トイレ」

 

「保存水」

 

「ソーラーチャージャー」

 

 

でしたね。

 

もちろん、自治体の防災の手引き通りの備蓄が、理想的です。

 

 

ただ、理想と現実は違います。

 

 

ですので、まずはマストアイテムを購入することをおススメします。

 

ご興味がある方は、前回のブログも是非ご覧ください。

 

 

今回のブログでは、実際に被災したときの、自宅待機生活のシミュレーションをしたいと思います。

 

いざ準備をしても、どんな風に生活するかイメージできないと、不安はぬぐえませんよね。

 

そんな不安を解消するために、備蓄レベル別に、どんな待機生活になるかをご紹介します。

 

備蓄レベル別に、星5段階(★★★★★)で評価していきますので、ご参考になれば幸いです。

 

今回のブログは以下の内容になっています。

1 自宅待機の前提条件

2 備蓄レベル別シミュレーション

   (1)    自治体の手引きの準備

   (2)    マストアイテムのみ

   (3)    防災シェルター

   (4)    準備ゼロ

3 わたし自身はどんな準備か

4 備蓄に加えるプラスアルファ

5 まとめと次回のテーマ

それでは始めていきますね。

 

 

1 自宅待機の前提条件

まずは、自宅待機の前提条件をお伝えしようと思います。

 

 

それは「自宅が無事であること

 

 

当たり前のことではありますが、とても大切なことです。

 

 

もし、自宅にいて大地震が起きた際は、まずは揺れが収まるまで、自宅の安全場所で、とどまることになります。

 

外に出ようと思っても、揺れが激しすぎてなかなか難しいと思います。

 

自分の家が倒壊するのでは…と心配な方は、いつ建てられたかをご確認ください。

 

1つの基準は、1981年6月の建築基準法改正以降に建てられているかどうか。

 

これ以降に建築確認済証を交付されている建物であれば、基本的には大地震が起きても、崩壊しないように設計されています。

 

 

揺れが収まったら、火事が起きていないか確認しましょう。

 

自宅に火の手があれば、すぐに消火してください。

 

いきなり自宅で大きな火の手があがることは、ほとんどありません。

 

 

消火は、初期消火が非常に大切です。

 

 

初期であれば、空気を遮断するだけでも消火できる場合もあります。

 

 

必ず確認するようにしてください。

 

 

自宅の火事がなければ、ご近所で火事が起きていないか確認しましょう。

 

マンションにお住まいの方は、下の階で火事が起きていないか確認してください。

 

もし火事が起きていれば、可能な限り消火活動に協力してください。

 

 

情けは人の為ならず。

 

 

その火事を抑えることは、自宅への延焼を防ぐことになります。

 

 

そして、ご自身の目の届く範囲、救助の声が聞こえる範囲で構いませんので、要救助者がいれば、救助活動を行いましょう。

 

隣近所に声を掛け合って、人海戦術で救助を行います。

 

重い物の下敷きになったりした場合には、人手が必要ですからね。

 

電話が使えるようであれば、119番もお忘れなく。

 

至る所で被害が出ますので、すぐに公的救助が来ることは難しいかもしれませんが、伝えないことには来てもらえません。

 

救助が終われば、その方を避難所に送り届けましょう。

 

重い物の下敷きになっていた場合には、挫滅症候群(クラッシュシンドローム)の危険があります。

 

挫滅症候群は、少し時間が経ってから症状が現れ、命の危険がある外傷です。

 

医療従事者の方に、救助の状況を伝えておきましょう。

 

ブログの最後に挫滅症候群のコピーボタンをつけておきます。

 

詳しく知りたい方は、検索してみて下さい。

 

 

 

自宅が無事

 

近所で火事が起きていない

 

目と耳が届く範囲で、要救助者を確認できない

 

 

 

このような前提条件で、自宅待機生活が始まることになります。

 

自宅の安全が確認できても、なんとなく不安だからみんなのいる避難所に…なんて気持ちも湧いてくるかもしれません。

 

 

 

そのお気持ちは、本当によくわかります。

 

 

 

ただ、避難所の備蓄は限られています。

 

そして待機する環境は、慣れている自宅の方が断然快適です

 

ですので、自宅にいることが危険だと感じる場合以外は、自宅待機をしてください。

 

 

さて、この前提条件を踏まえた上で、早速シミュレーションをしていきたいと思います。

 

 

2 備蓄レベル別シミュレーション

それではシミュレーションを始めていきますが、まず初めに知っておいてほしいことがあります。

 

自宅待機生活というのは…

 

「我 慢」

 

なんです(^^;

 

 

生活インフラが復旧するまでは、我慢するしかないんです(^.^;

 

とても残念ですが、これが現実です。

 

 

その我慢を、事前の準備によって減らす。

 

 

こういう考え方です。

 

ですので、これからシミュレーションを★5つで評価していきますが、

不快度が高い⇒★5

不快度が低い⇒★1

という形で表現していきます。

 

そして、

 

「我慢度」

 

「不安度」

 

「収納負担」

 

「不衛生度」

 

の4つの項目を、評価していこうと思います。

 

あくまでこの星の評価は、わたしの主観ですのでご承知を。

 

それでは始めていきます。

 

 

(1) 自治体の手引きの準備

・我慢度  ★★

・不安度  ★★

・収納負担 ★★★★

・不衛生度 ★★★

自治体の手引きの通りに準備しておけば、待機生活も、まずは一安心だと思います。

 

最低3日分、できれば7日分の備蓄が推奨されています。

 

7日経てば、被害がなかった地域からの支援も期待できますので、7日分の備蓄があれば、心配することはないと思います。

 

我慢度、不安度ともに★2つとしました。

 

ただ、収納負担はその分大きくなるので★4つになると思います。

 

そして、不衛生度は★3つ。

 

朝昼晩の3食をちゃんととると、その分ゴミが出ます。

 

災害時は、ゴミ収集が止まりますので、自宅で保管することになります。

 

さらに食事を取れば、その分排泄も起こります。

 

排泄のゴミも保管することになるので、衛生面には少し難があるかもしれません。

 

生活空間と隔離して、保管しておきましょう。

 

家の外においてしまうと、野良猫やカラスなどの動物がゴミを荒らしてしまいます。

 

外には置かないようにしましょう。

 

恐らくはお風呂場がゴミの保管場所になると思います。

 

 

(2) マストアイテムのみ

・我慢度  ★★★★

・不安度  ★★★★

・収納負担 ★★

・不衛生度 ★★

前回のブログでご紹介した、マストアイテムのみで自宅生活をした際、我慢度はかなり高くなります。

 

不安度も、もちろん高くなります。

 

「水だけで数日間は命をつなぐことができる」

これを体験している場合には、不安はそこまでないかもしれません。

 

 

ただ、そんな経験をしたことがある方は、滅多にいないでしょう。

 

 

我慢度、不安度は共に★4つとなるでしょう。

 

 

現実的には、冷蔵庫に食べ物が残っていたり、保存が利くものがあるはずなので、完全に水だけにはならないと思いますが…(^^;

 

ただ、基本的には電気ガス水道の生活インフラは止まりますので、冷蔵庫の食べ物は、あまり期待しない方がいいと思います。

 

 

マストアイテムだけにするメリットは、収納負担は低くなることです。

 

自治体の手引きの、半分くらいの量になると思います。

 

収納負担は、★2つになるでしょう。

 

そして食事を我慢すると、生活ゴミも排泄も少なくなります。

 

その分不衛生度は、★2つにしました。

 

 

(3) 防災シェルター

・我慢度  ★

・不安度  ★

・収納負担 ★★★★★★★★★★

・不衛生度 ★

経済的、そしてスペース的に余裕のある方は、防災シェルターを準備してもいいかもしれません。

 

シェルター内にすべてを完備しておけば、何も心配することはないでしょう。

 

ただ、シェルターは収納負担は非常に大きくなります。

 

ま、でもシェルターを買おうなんて言う方は、そもそも余裕がある方なので、そんなことは気にしないかもしれませんね(^^;

 

ちなみにシェルターは、ウン百万から購入できます(^n^;

 

 

(4) 準備ゼロ

・我慢度  ★★★★★

・不安度  ★★★★★

・収納負担 ★

・不衛生度 ★★★★★★★★★★

絶対にダメとはお伝えしたんですが、準備ゼロもシミュレーションしようと思います。

 

その時自宅にあるものだけで、待機することになります。

 

我慢度、不安度はマックスになります。

 

不安に駆られて、スーパーなどに食料品を購入に行くかもしれませんが、慌てて行動すると、群衆雪崩などの二次被害に遭うかもしれません。

 

もしかすると混乱を防ぐために、お店は閉店しているかもしれません。

 

こうなると、不安はどんどん増していきます。

 

収納負担はもちろんありませんが、簡易トイレの準備がなかった場合、水の流れないトイレにそのまま用を足すことになるでしょう。

 

ビニール袋と新聞紙で代用できますが、臭いを抑えることは非常に難しく、不衛生度は最悪なことになります。

 

さらに携帯電話の充電が少なくなるにつれ、不安は限界に達するかもしれません。

 

その不安に耐え切れずに、避難所や一時待機施設に行く決心をしたとします。

 

ただ、行ったら行ったで、自宅が全壊された方や、帰りたくても帰れない方の様子を目の当たりにすることになります。

 

これを目の当たりにしたときに、準備をしていなかったことを後悔し、例えようのない罪悪感が募ります。

 

 

その後悔と罪悪感は、一生消えることはありません。

 

 

災害備蓄は、必ずしておいてください。

 

 

3 わたし自身はどんな準備か

備蓄レベル別のシミュレーションはいかがでしたでしょうか?

 

あくまでわたしの経験に基づく主観ではありましたが、そこまでズレはないと思います。

 

自宅待機生活のイメージは、できましたでしょうか。

 

 

さて、ここでわたし自身はどうしているかをお伝えしようと思います。

 

 

わたし自身は、

マストアイテム自治体の手引き

 

という準備にしています。

 

 

専用の備蓄は約3日分。

 

その他にも、普段の買い置きなどがあるので、3日以上の備蓄があると言えます。

 

実際に待機することになった際は、食事は可能な範囲で我慢するつもりです。

 

少量をゆっくりと咀嚼しながら食べれば、食べる量は相当減らすことができます。

 

これで生活ゴミも排泄も、減らすことができます。

 

ただ、前回のブログでお伝えした通り、排泄を我慢するのは健康のリスクがあります。

 

排泄はためらわないようにしましょう。

 

 

わたしは訓練で、

 

「水だけで数日間生き延びる」

 

これに近いことを、実際に経験しています。

 

少量の水と食料で任務を続けるレンジャー訓練を修了していますので、仮に3日間水だけで過ごせと言われても、不安はありません。

 

 

それでも、マストアイテムだけで過ごそうとは思いません。

 

 

やっぱり非常時にギリギリの状態でいるのって、ものすごく辛いことなんですよね(^.^;

 

 

そして備蓄に余裕があるからこそ、ある程度は我慢できるものです。

 

 

そして余裕がないと、不安はどんどん増してくるんですよね。

 

 

ですので、まずはマストアイテムを準備して頂いて、可能な限り、自治体の手引き通りの準備しましょう。

 

そして実際の自宅待機生活では、食事や水は可能な範囲で我慢すると、精神的に余裕を持って過ごすことができると思います。

 

 

4 備蓄に加えるプラスアルファ

被災時の自宅待機生活のイメージは、できてきましたか?

 

具体例を挙げながらお伝えしていますので、これまでよりはイメージが膨らんだと思います。

 

 

さて、ここで備蓄に加えておいた方が良い、プラスアルファの一品をご紹介します。

 

 

それはビタミン剤です。

 

 

これは練馬区の防災の手引きには、記載されていませんでした。

 

東京都のものには「栄養補助食品」との記載がありますが、これは恐らくカロリーメイト等のことを指していると思われます。

 

 

そういった食品ではなく、ビタミン剤を準備しておくことをおススメします。

 

 

自宅待機生活は、普段通りの食生活が送れないので、栄養が偏ります。

 

 

そんな時にビタミン剤があると、栄養が偏らず、身体も楽になります。

 

 

わたしは災害派遣されたときに、ビタミン剤を支給されて助かりました。

 

 

第1波で派遣されると、どうしても初めは保存食が続いてしまうんですよね。

 

ビタミン剤は好きではないので飲まなかったら、口の中に口内炎が多数…(^n^;

 

ビタミン剤のお陰で、その苦痛から解放されました(^o^;

 

お恥ずかしながら、そんな苦い経験があります(^^;

 

 

ですので、ビタミン剤はあった方がいいと思います。

 

 

今は色々な種類がありますので、どれを選んでもいいと思います。

 

ただ、サプリメントのように特定の栄養に特化したものではなく、「マルチビタミン」と表示されているものがいいです。

 

さすがにすべては試せないので、一押しをご紹介することはできませんが、わたし自身はチョコラBBを準備しています。

 

チョコラBBはマルチビタミン剤ではないんですが…(^^;

 

昔から使っているので、安心感が(^_^)

 

そしてビタミン剤を飲む際は、もちろん用法用量を守って使ってくださいね。

 

 

5 まとめと次回のテーマ

今回のブログでは、災害備蓄のレベル別に、自宅待機生活のシミュレーションをしました。

 

このような現実的なシミュレーションご紹介しているブログは、ほとんど無いようなので、お役に立てていれば幸いです。

 

 

先週は、茨城県震度5強地震がありましたね。

 

そして今週も、三重県震源とする異常震域の地震がありました。

 

 

災害備蓄をして、現実的な自宅待機生活のイメージがあれば、地震への不安は軽減できますよ。

 

是非この機会に、ご自宅の備蓄を確認してみて下さいね。

 

 

次回のブログでは、実際のわたしの備蓄をご紹介したいと思います。

 

ご参考になれば幸いです。

 

是非ご覧ください。

 


挫滅症候群をコピー

 

今週の体重

先週59.8㎏⇒今週59.3㎏

 

体重をアップする理由
【頑張らないダイエット③】 お手軽にも程がある!"超時短"筋トレ法

 

参考資料

1 「防災の手引き-災害に備えて-」 練馬区危機管理室危機管理課編集・発行 令和4年2月
2 「東京防災」 東京都総務局総合防災部防災管理課編集・発行  平成29年3月

 

※令和6年3月17日:ブログの冒頭に「概要」を追加し、文章の校正をしました。

 

 

≪前回のブログ  -  次のブログ≫

 

 

陸上自衛隊に15年勤務。レンジャー隊員。公認心理師産業カウンセラー

 

在職時は、年200件以上の面談に対応するカウンセラーの任務を行うと共に、隊員に対して災害派遣の心構え」を教育をしていました。

 

そんな自衛隊での教育や、自身の災害派遣の経験をアレンジして、現在は一般向けに「災害の心構え」をお伝えするセミナー講師。

 

 

『どんな災害も乗り越える』

 

 

その心構えを”自衛隊式”でレクチャーしています。

 

 

このブログでは、防災のこと、身心の健康、そしてちょっとだけ自衛隊の話を綴っています。

 

自衛隊での経験やセラピストとして学んだことが、皆様のお役に立てば幸いです。

 

ブログの更新は毎週水曜日。

 

月に一度、ブログテーマのアナウンスをしています。

 

アナウンスをご希望の方は、ご連絡ください。

 

連絡先はこちら
LINE公式アカウント:https://lin.ee/ky0Ngjp
Mail:sukkirioasis@gmail.com

 

読者になりたい方はこちら

 

最後までご覧いただきありがとうございました。感謝です。

 

引き続き感染対策をして、安心安全の社会を作っていきましょう。

 

 

WEBページ

 

公式X(エックス)

『身体の健康・心の健康・防災』のニュースをポストしています。

https://twitter.com/sukkirioasis

⇨フォローして、是非情報を受け取ってくださいね。

 

経歴・資格など

公認心理師(国家資格)、産業カウンセラー、リラクゼーションセラピスト(2級)、元陸上自衛官、レンジャー隊員、上級体育指導官、予備自衛官(衛生官)

〔※「Windship」及び「Windship treatment」は登録商標です。〕

 

前回のブログ

【災害備蓄のリアル②】生き延びるための3つのマストアイテム

令和4年11月9日

「備蓄って、何を基準に用意すればいいの?」。その答えは『人間が絶対に我慢できないこと』→排泄・水分・不安です。この3つを解消するアイテムをご紹介します。是非ご覧ください。

お疲れ様です。自衛隊卒セラピストの岡田凰里(おかだおうり)です。ブログを読んで頂いてありがとうございます。

 

 

冬も目前ではありますが、東京では、まだ日中が暖かい日があります。

 

木々は日に日に色づいて、紅葉を楽しめるようになってきました。

 

わたくしごとで大変恐縮ですが、経営するリラクゼーションスペース「スッキリオアシス」が、11月6日で3周年を迎えました。

 

開業してからほとんどの期間を、コロナ禍の中で営業してきましたが、無事3周年を迎えられたのも、皆様のお陰と深謝しております。

 

今後も、皆様の健やかで心地よい生活を、誠心誠意サポートしていく所存です。

 

よろしくお願いいたします。

 

 

さて、今月のブログは『災害備蓄のリアル』についてお伝えしています。

 

前回のブログでは、災害備蓄をリアルに考え直す必要がある理由について、お伝えしました。

 

緊急事態宣言下の外出自粛の経験や、東京都の首都直下地震の被害想定が変更されたことで、一斉帰宅抑制が”強く”要請されると予想されるからでした。

 

一斉帰宅抑制とは、その場で72時間待機することが、要請されるものでした。

 

もし自宅にいた際は、自宅で約3日間、全く外出をせずに過ごさなければならないことが考えられます。

 

 

こうなってくると、災害備蓄を現実的に考えておかなければなりません。

 

 

そこで今回のブログでは、災害備蓄について、何を基準にして用意すればよいかをお伝えします。

 

自衛官として数々の災害派遣を経験した、わたしの実体験を基にしています。

 

ご参考になれば幸いです。

 

今回のブログは以下の内容になっています。

1 災害備蓄のおさらい

2 基準は「我慢できないこと」

3 マストな3つのアイテム

   (1)    簡易トイレ

   (2)    保存水(+塩)

   (3)    ソーラーチャージャー

4 一生後悔する「備えゼロ」

5 まとめと次回のテーマ

それでは始めていきますね。

 

 

1 災害備蓄のおさらい

災害に備えて備蓄をしよう

 

こう思ったときに、何を参考にして準備をしますか?

 

これだけネットが発達した世の中ですから、色々な情報がありますよね。

 

防災の専門家のブログや動画サイトで、備蓄について紹介しているものがあります。

 

そして芸能人の方でも、防災に熱心な方がいらっしゃいます。

 

もちろん、そういった情報を参考にしていただいてもいいと思うのですが…。

 

 

わたしがおススメしているのは、自治体が出している手引きを参考にすることです。

 

 

役所の窓口に行けば、誰でも貰うことができます。

 

そしてウェブサイトからの閲覧に、対応している自治体もあります。

 

わたしは東京の練馬区に住んでいますので、練馬区の「防災の手引き」、そして東京都が出している「東京防災」を参考にしています。

 

 

被災した時のリスクは、各地域によって異なります

 

 

ですので、まずはお住まいの自治体の資料に目を通すようにしてください。

 

 

さて、練馬区の防災の手引きでは、家庭での備えについて、

「水の備え」

「食料の備え」

「燃料の備え」

「停電の備え」

「トイレの備え」

の5つの備えをするように記載されています。

 

そして、

可能な限り1週間分の備蓄を!

 

と、7日分の備蓄をするように薦めています。

 

 

実際に災害備蓄をされている方もいらっしゃると思うのですが、7日分の家庭の備蓄を準備するのは、とても大変なことです。

 

 

一番のネックは、恐らく収納でしょう。

 

 

普段の生活で使わない上に、いつ使うかわからないものを収納しておくのは、非常にストレスだと思います。

 

こうなってしまうと、備蓄をすること自体が億劫になってしまいますよね。

 

そんな方に、ちょっとお伝えしたいことがあります。

 

 

自治体の手引きは、「万全の備え」を紹介しています。

 

 

もちろん自治体が住民のために薦めるものですから、万全を期すのも当然です。

 

もちろん、手引き通りに準備するのが理想的です。

 

それに越したことはありません。

 

わたし自身、最低の3日分の備蓄はしています。

 

 

ただ…

 

理想と現実が違うこともありますよね(^^;

 

実はまだ、準備していないなんて方もいらっしゃるかもしれません。

 

そして、特に考えてないけど、とりあえずものだけ準備してある、なんて方もいらっしゃいますよね。

 

そこでそんな方のために様々な現実を踏まえて、外出をせずに自宅待機をする上で、

絶対に準備しておくもの

 

について、その基準をお伝えしようと思います。

 

 

2 基準は「我慢できないこと」

わたしは自衛官の頃、何度も災害に関する任務を経験しました。

 

災害の現場を経験するとともに、指揮所等でも勤務し、災害を俯瞰的に見る経験もしました。

 

また、陸上自衛隊で最も厳しいと言われる、レンジャー訓練を修了しています。

 

極限状態において、人間が身体的、精神的にどうなるかを経験しています。

 

このような経験を踏まえて、災害備蓄の基準についてお伝えしますね。

 

 

その基準は

人間が我慢できないこと

 

これを基準に、準備してください。

 

そして、災害に被災した際に人間が我慢できないことは、次の3点だとわたしは考えています。

 

・排泄

・水分

・不安

 

この3つです。

 

排泄は、人間の身体的な生理機能で、絶対に我慢できないものです。

 

そして水分がないと、人間は生きていくことができませんので、これも我慢するのは難しいものです。

 

そして不安は、人間の精神的な作用として、最も我慢するのが難しいと、これまでの経験から感じます。

 

ですので、この3点に対する準備は、必ずしておいていただきたいんです。

 

それでは、この3つの我慢できないことに対して、どのような準備をすればいいか、お伝えします。

 

 

3 マストな3つのアイテム

ここでご紹介する3つのアイテムは、外出のできない自宅待機の生活に、必須のものです。

 

いくら地震などの災害で無事だったとしても、準備がなしで落ち着いて待機することは、100%できません。

 

どんなに準備が億劫だったとしても、絶対に準備をしておいてください。

 

それではご紹介していきますね。

 

 

(1) 簡易トイレ

人間の生理的な機能として、絶対に我慢できないのが排泄です。

 

尿、便、そして女性の場合には生理。

 

これは人間が生きていく上で、必要不可欠な作用です。

 

水分や食料を取らなくても、排泄は起こります。

 

ですので、その対策として簡易トイレを準備してください。

 

一人1日5回が目安になっています。

 

家族分の簡易トイレを最低3日分、準備してください。

 

そして女性の方は生理用品を、普段の生活から多めにストックしておきましょう。

 

そして、簡易トイレに関しては、余裕を持った準備をしておくことをおススメします。

 

無理に我慢をしてしまうと、尿道炎などの病気の発生率が上がります。

 

ですので、我慢しないで済む準備をしておきましょう。

 

わたし自身は、30セット⇒6日分準備しています。

〔※能登半島地震を受けて、60セット追加しました:令和6年3月18日追記〕

 

 

(2) 保存水(+塩)

次に水分についてです。

 

水分は我慢できるものの、限界があります。

 

一切取らずには生きていけません。

 

人間は断食しても、水さえあれば50日以上生きていけます。

 

水分を全く取らなかった場合には、約6日間しか生きることはできません。

 

 

自宅待機生活を無事に乗り越えるためにも、水分は不可欠です。

 

 

非常時の飲料水は、一人1日3リットルが目安になっています。

 

場所を取ってしまいますが、保存水は確実に準備しておきましょう。

 

ただ、水分については我慢することが可能です。

 

 

わたし自身の実体験では…

 

 

って、あまり具体的に内容をお伝えできないんですよね(^^;

 

レンジャー訓練での経験ですので(^o^;

 

申し訳ありません。

 

ただ、わたし自身の経験を踏まえると、

「1日3リットルの準備」+「我慢」

 

で、3日間は余裕を持って過ごすことができるでしょう。

 

わたし自身は、2リットルペットボトルを6本⇒4日分準備しています。

 

そして、もちろん3日間を水分だけで過ごすことは可能なんですが、それに合わせて塩分を準備してください。

 

動こうとしたときに、塩分が足りていないと、動けないんです。

 

恐らくはご自宅にお塩があると思いますので、そこまで気にすることはないとは思うんですが…。

 

もしお塩が自宅に全くないという方は、少量でも構いませんので、購入しておいてください。

 

そして塩は、ミネラルが含まれている「天然塩」にしてください。

 

生成された塩(塩化ナトリウム)は、ミネラルが含まれていませんので、体液のバランスが悪くなります。

 

気にし過ぎじゃないか…と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、非常事態には、微差が大差になります。

 

普段の生活から、天然塩を使うことをおススメします。

 

 

仮に待機生活で絶食していた際に、身体を動かさなければならなくなった場合には、塩を小指の先に着くぐらいの分量をなめて下さい。

 

それだけでも、身体の動きが違ってきます。

 

 

ちなみにですが、仏教の修行では9日間「断食、断水、不眠、不臥」という修行に成功した、酒井雄哉大阿闍梨の記録があるそうです…(^n^;

 

ま、修行のために自宅待機するわけではないので、ご参考まで。

 

 

(3) ソーラーチャージャー

最後に、不安に対する対策です。

 

非常事態に際する人間の行動を、驚くほど左右するのが”不安”です。

 

非常事態の際に不安に襲われると、普段の生活からは想像できない行動をしてしまうのが人間というものです。

 

記憶に新しいと思いますが、コロナ禍では「自粛警察」が発生しました。

 

これは不安に駆られて、過剰な行動をしてしまった結果です。

 

 

「家族と連絡が取れない」

 

「災害の状況がわからない」

 

「取るべき行動がわからない」

 

 

こんな状況では不安が増していくのは、当然のことです。

 

そして、不安を抱えながら待機をするのは、身心共に極端に疲労が溜まります。

 

こうなると、待機が解除された後の行動に、悪影響があります。

 

 

そんな不安を解消するのが、情報ツールであるスマホ(携帯電話)です。

 

 

その充電を切らさないことが、不安に対する対策になります。

 

普段の生活でさえ、携帯の充電が切れそうになると、不安になりますよね。

 

非常事態になると、その不安は何倍にもなります。

 

そこで太陽さえあれば充電できる、ソーラーチャージャーを準備しておいてください。

 

太陽光発電機ですね。

 

 

もしかしたら

「太陽が出ていなかったら、充電できないじゃないか!」

と思うかもしれません。

 

 

確かにその通りです。

 

 

非常用充電器には、様々な種類のものがあります。

 

蓄電池タイプのものや、水分だけで発電できるようなものもあります。

 

もちろんそのような物であれば、確実に充電ができます。

 

 

ただ、収納と費用対効果の問題があります。

 

 

災害の準備というのは、誰でも億劫になるものです。

 

そして滅多に使うものではないので、極力お金をかけたくないものです。

 

それを加味した際、わたしはソーラーチャージャーが一番コスパがいいと感じます。

 

仮に天候が悪い時に使用したとしても、充電の減りを遅らせることはできます。

 

 

必ず準備しておいてください。

 

 

ちなみに、ソーラーチャージャーを購入した際は、一度使ってみて下さいね。

 

いつもそのようにご案内しています。

 

こんな中で相談を受けて、おススメのソーラーチャージャーを紹介した方から、

「普段使っている充電器のケーブルが使えなかった」

 

と、教えていただいたことがあります。

 

一度使っておくと、

「いざという時に使えない」

 

なんてことも防ぐことができます。

 

 

以上が、自宅待機生活を生き延びるための、必要最低限の3点セットになります。

 

ご参考までに、わたしが購入した3点セットがどんなものか、ブログの最後にリンクを張っておきますね。

 

 

なお、この3つはあくまで最低限のマストアイテムです。

 

持病などがある方は、それに合わせた準備をしておいてください。

 

そしてこのマストアイテムの購入をきっかけにして、自治体の推奨している備蓄をするようにしてくださいね。

 

 

4 一生後悔する「備えゼロ」

実際に災害に被災したことのある方は、そこまで多いわけではありません。

 

日本は災害大国ですので、いつ自分が被災するかわかりませんが、それでも未経験者の方が多いのが現状です。

 

一生に一度起こるかどうかわからない災害に対して、

 

 

「自分は大丈夫」

 

 

「災害なんて他人事」

 

 

「準備がなくてもなんとかなる」

 

 

そんな風に感じてしまうのも、仕方ないことだと思います。

 

 

ただ、備えゼロで被災してしまった際には、

 

 

『なんで準備しておかなかったんだろう…』

 

 

と、必ず後悔します。

 

 

そして災害を経験した後に、しっかり準備することになるでしょう。

 

 

ここでちょっと考えていただきたいんです。

 

 

大災害に被災するのは、一生に一度あるかないか

 

 

被災後に準備しても、手遅れなんです。

 

 

そして、明確にお伝えしておきたいことがもう一つあります。

 

 

『災害に対する準備を
  全くしていなかった』

 

 

このことに対する後悔、罪悪感は一生ぬぐうことはできないんです

 

 

非常に残酷ではありますが、これが現実です。

 

 

災害時に受けるストレスのことを、「惨事ストレス」といいます。

 

この惨事ストレスは、普段のストレスとは異なる、特殊なストレスです。

 

このストレスを、なんの準備もなく受けてしまった場合、特に心理的に、取り返しのつかないダメージを受けることになります。

 

 

災害に対する準備は、被害を最小限にするためだけではありません。

 

 

災害を乗り越えて、日常を取戻す

 

 

むしろこのために準備する比率の方が高いと、わたしは感じます。

 

 

これが実際に、何度も災害派遣の任務を経験して感じることです。

 

 

災害を乗り越えて、普段の生活を取り戻すためには、最低限の準備は必要不可欠です。

 

 

もし、今回のブログでご紹介したマストアイテムの準備のなかった方は、是非この機会に購入していただければと思います。

 

 

5 まとめと次回のテーマ

今回のブログでは、外出ができない自宅待機生活を乗り越えるための、3つのマストアイテムをご紹介しました。

 

簡易トイレ

 

保存水

 

ソーラーチャージャー

 

でしたね。

 

 

そして、なぜこの3つがマストアイテムなのかを説明しました。

 

人間が「我慢できないこと」を基準にして準備すると、必ず準備しておかなければならないモノが見えてきます。

 

そして準備がなかった際の、心理的な影響についても言及しました。

 

災害の準備は、身体にとっても心にとっても、必要不可欠です。

 

是非この機会に、備蓄を再確認していただければと思います。

 

 

次回のブログでは、準備のレベル別に「自宅待機生活のシミュレーション」をお伝えします。

 

是非ご覧ください。

 


3つのマストアイテム

●簡易トイレ

(※令和6年3月18日に商品を更新しました。令和6年能登半島地震を受け、わたしが実際に買い足したものです。)


 


●保存水

(購入したものがなくなっていたので、同等の商品をご紹介します。)

 

●ソーラーチャージャー

(※安価なものは、充電機能が弱いようです。ご紹介しているものは、わたしが実際に購入し、充電機能は確認済みです。)

 

 

今週の体重

先週59.3㎏⇒今週59.8㎏

 

体重をアップする理由
【頑張らないダイエット③】 お手軽にも程がある!"超時短"筋トレ法

 

参考文献

人間の許容限界事典 新装版 山崎昌廣/坂本和義/関邦博 編集 朝倉書店 2017年2月 第3刷

 

参考資料

1 「防災の手引き-災害に備えて-」 練馬区危機管理室危機管理課編集・発行 令和4年2月
2 「東京防災」 東京都総務局総合防災部防災管理課編集・発行  平成29年3月

 

※令和6年3月18日:ブログの冒頭に「概要」を追加し、文章の校正をしました。

 

 

≪前回のブログ  -  次のブログ≫

 

 

陸上自衛隊に15年勤務。レンジャー隊員。公認心理師産業カウンセラー

 

在職時は、年200件以上の面談に対応するカウンセラーの任務を行うと共に、隊員に対して災害派遣の心構え」を教育をしていました。

 

そんな自衛隊での教育や、自身の災害派遣の経験をアレンジして、現在は一般向けに「災害の心構え」をお伝えするセミナー講師。

 

 

『どんな災害も乗り越える』

 

 

その心構えを”自衛隊式”でレクチャーしています。

 

 

このブログでは、防災のこと、身心の健康、そしてちょっとだけ自衛隊の話を綴っています。

 

自衛隊での経験やセラピストとして学んだことが、皆様のお役に立てば幸いです。

 

ブログの更新は毎週水曜日。

 

月に一度、ブログテーマのアナウンスをしています。

 

アナウンスをご希望の方は、ご連絡ください。

 

連絡先はこちら
LINE公式アカウント:https://lin.ee/ky0Ngjp
Mail:sukkirioasis@gmail.com

 

読者になりたい方はこちら

 

最後までご覧いただきありがとうございました。感謝です。

 

引き続き感染対策をして、安心安全の社会を作っていきましょう。

 

 

WEBページ

 

公式X(エックス)

『身体の健康・心の健康・防災』のニュースをポストしています。

https://twitter.com/sukkirioasis

⇨フォローして、是非情報を受け取ってくださいね。

 

経歴・資格など

公認心理師(国家資格)、産業カウンセラー、リラクゼーションセラピスト(2級)、元陸上自衛官、レンジャー隊員、上級体育指導官、予備自衛官(衛生官)

〔※「Windship」及び「Windship treatment」は登録商標です。〕

 

前回のブログ

【災害備蓄のリアル①】首都直下地震の被害想定が変わりました!

令和4年11月2日

令和4年5月25日に、東京都の首都直下地震の被害想定の変更が公表されました。これまでの取り組みにより、「減災」になっています。それに伴って予想される、備えについてお伝えします。是非ご覧ください。

お疲れ様です。自衛隊卒セラピストの岡田凰里(おかだおうり)です。ブログを読んで頂いてありがとうございます。

 

 

11月に入りました。

 

今年も残すところ残り2か月ですね。

 

寒さが日に日に増していくのを、肌で感じます。

 

まず初めにお伝えしなければならないことがあります。

 

先月のブログは「食欲の秋とダイエット」をテーマしました。

 

そして『意識して口にしないたった1つのモノ』の回で、人工甘味料についてお伝えしたんですが、誤りがありました。

 

人工甘味料を取ると、インスリンが分泌される

人工甘味料を取ると、インスリンの分泌が亢進される

 

が正しい情報です。

 

大変失礼しました。

 

その回のブログについても修正してありますので、内容を確認したい方は、ご覧ください。

 

このブログの最後に、リンクを張り付けておきます。

 

 

さて、今月のブログは『災害備蓄のリアル』についてお伝えします。

 

 

備蓄の重要性は、以前から言われているし、今更…、なんて感じる方もいらっしゃるかもしれません。

 

 

確かにおっしゃる通りです。

 

 

具体的な備蓄の情報は、自治体からも出ていますし、実際にもう備蓄している方もいらっしゃると思います。

 

今更考え直す必要なんて、ないんじゃ…、と感じるのももっともです。

 

ただ、

新型コロナウイルス感染症の緊急事態に伴う外出自粛を経験した

・東京都の首都直下地震の被害想定が変更された

 

この2点を踏まえると、特に考えておかなければならないことがあると、わたしは考えています。

 

 

それは『一斉帰宅抑制に伴う待機』についてです。

 

 

もしかすると、「帰宅抑制」という言葉を初めて聞いたという方もいらっしゃると思います。

 

今回のブログでは、首都直下地震の被害想定の変更内容と、一斉帰宅抑制について説明します。

 

そして、それを踏まえた上で災害備蓄について、お伝えしていこうと思います。

 

今回のブログは以下の内容になっています。

1 防災力強化による減災

2 一斉帰宅抑制とは

3 帰宅抑制で想定される現実

4 自宅待機をリアルに考える

5 まとめと次回のテーマ

それでは始めていきますね。

 

 

1 防災力強化による減災

東京都による首都直下地震の被害想定の変更は、令和4年5月25日に公表されています。

 

被害想定がどのように変更されたかというと、それは減災です。

 

 

つまり、被害が少なくなったんです。

 

 

東京都は、東日本大震災以降、首都直下地震等に備えて、様々な取り組みを行ってきたそうです。

 

耐震化推進条例の制定」

 

「住宅等の耐震診断や耐震改修の促進」

 

「木密地域不燃化10年プロジェクト」

 

等々…。

 

 

そして首都直下地震には様々な想定があります。

 

一番被害が大きくなると想定されているのは

「都心南部直下地震

 

その他にも
「多摩東部または西部直下地震

「都心東部または西部直下地震

 

が想定されています。

 

その発生確率は、今後30年以内に70%とされています。

 

そしてこの10年行ってきた減災対策の効果は、以下の通りとなっています。

 

「耐震化の減災効果」

・建物全壊棟数

 12万棟→8万棟

・揺れによる死者数

 5,100人→3,200人

 

「不燃化の減災効果」

・焼失棟数

 20万棟→12万棟

・火災による死者数

 4,100人→2,500人

 

以上のようになっています。


地震の被害を完全にゼロにはできないにしても、このような取り組みが、被害を少なくしてくれています。

 

 

行政の皆様、そして関連企業の皆様の努力に感謝いたします。

 

 

ありがとうございます。

 

 

さて、減災された想定ではありますが、首都直下地震が発災した際には、どうしても被害が出てしまいます。

 

残酷な現実ですが、これは人間の力ではどうしようもないことです。

 

自然の力にはかないません。

 

そしてその被害者を救助するために、消防、警察、自衛隊などの皆様が活動されます。

 

その活動を妨げないために行われるのが

『一斉帰宅抑制』

 

になります。

 

 

2 一斉帰宅抑制とは

一斉帰宅抑制とは、首都直下地震などの大規模地震が発災した際に、「その場にとどまる」ことです。

 

東京都帰宅困難者対策条例に定められています。

 

なぜとどまらなければならないか…。

 

 

それは大きく2つ。

 

 

「群衆雪崩等による2次被害の防止」

 

「救助活動の円滑化」

 

 

このためです。

 

 

群衆雪崩は、先日韓国で凄惨な事故があったばかりなので、イメージしやすいかもしれません。

 

地震が起こった際には、とても不安になります。

 

その不安のまま、たくさんの方が逃げるように動いてしまうと、群衆雪崩により、2次被害が発生してしまいます。

 

その被害は、韓国の事故の被害をご覧いただければ、想像に難くないと思います。

 

 

次に救助活動の円滑化についてです。

 

災害発生時、人命救助のデッドラインは72時間と言われています。

 

発災後、72時間以降は生存率が極端に減ります。

 

わたし自身、災害派遣の第1派として派遣された経験がありますが、やはり当初の3日間は休むことなく活動をしていました。

 

こんな時に、難を逃れた方が一斉に帰宅しようとしてしまうと…。

 

救助車両が、行き来できなくなってしまいます。

 

こうならないためにも、発災後72時間、つまり3日間はその場に留まるよう、協力が求められます。

 

 

これが一斉帰宅抑制です。

 


それでは一斉帰宅抑制の協力が求められた際、どのような現実が待ち受けているのでしょうか。

 

 

3 帰宅抑制で想定される現実

東日本大震災が発災した際、都内での建物や道路の被害はほとんどなかったと記憶しています。

 

当時のわたしは現役の自衛官

 

休みで自宅にいました。

 

発災後すぐ、自宅を出て駐屯地に向かったのを覚えています。

 

駐屯地に向かっている最中、帰宅する大勢の皆さんが、列をなして歩道を歩いているのを拝見しました。

 

わたしだけ逆方向に向かって自転車をこいでいたのを、今でも覚えています。

 

建物や道路などの被害がなかったので、あのように帰宅することができましたが、首都直下地震が起こった際には、そうはいきません。

 

職場が自宅のすぐ近くという方は、帰宅できるかもしれませんが、ほとんどの方はそうではないはずです。

 

公共交通機関が停止するのはもちろん、道路も封鎖されたり、一般車両では通行できない状態になることでしょう。

 

 

 

こうなると、どうしても移動をすることができなくなります。

 

 

 

こんな時のために、東京都は条例で、事業者に対して従業員の3日分の災害備蓄をするよう、努力義務を課しています。

 

これは、事業所に従業員が一時待機するためのものです。

 

また、事業所に被害があってとどまれない場合は、近くの一時待機施設を頼ることもできます。

 

一時待機施設は、発災した際に偶然都内にいた方(帰宅困難者)にも開放される施設です。

 

外出時は、事業所や一時待機施設に待機して、約3日間過ごすことになるでしょう。

 

 

 

それでは自宅にいた場合には…?

 

 

 

外出ができない上に、自宅で3日間待機することになる可能性が、非常に高いと考えられます。

 

 

4 自宅待機のリアルを考える

ブログの冒頭で、

 

新型コロナウイルス感染症の緊急事態に伴う外出自粛を経験した」

 

ということが、このブログを書くきっかけになっているとお伝えしました。

 

 

新型コロナウイルス感染症での外出自粛については、条例等で定めたわけでもなく、協力依頼という形で実施されました。

 

特に2年前の一番最初の緊急事態宣言のときには、日本全国で自宅に待機するという生活を経験しました。

 

 

こういう経験をしたのが我々です。

 

 

大規模地震が発災した際に、一斉帰宅抑制がかかった時には、自身の安全のためにも、人命救助のためにも、それに従おうという気持ちが強くなるはずです。

 

 

さらに被害想定で、死者数や家屋の被害が減災されたということは、それだけ無事な方が増えるということです。

 

 

無事な方が増えるということは、帰宅抑制をより強く訴える必要があります。

 

 

なぜなら大勢の方が動いてしまうと、群衆雪崩や救助の滞りが、より発生しやすくなるからです。

 

 

つまり、もし自宅にいて被災した際、自宅も自身も無事であれば、自宅に待機するように”強く求められる”可能性が非常に高い、とわたしは考えています。

 

 

こうなったとき、備蓄がないからと言って、慌てて食料などを買いに行こうと思っても…

 

 

売り切れて必要な物が買えなくなっていることでしょう。

 

 

そして慌ててしまって、二次被害に遭ってしまう可能性も非常に高くなります。

 

 

さらに新型コロナの外出自粛では、電気ガス水道の生活インフラは止まりませんでしたが、大規模地震が発災した際には、生活インフラは止まります。

 

 

こうなると備蓄の有無は、死活問題です。

 

 

そして特に夫婦共働きのご家庭では、ご夫婦はそれぞれの職場に待機、お子様だけで自宅待機という場合もありえます。

 

 

こう考えると、自宅で最低3日間過ごせる備蓄を、改めてリアルに考えておく必要があると考えます。

 

 

これが今月のブログで、災害備蓄のリアルについてお伝えしようと考えた理由になります。

 

 

5 まとめと次回のテーマ

今回のブログでは、首都直下地震の被害想定と一斉帰宅抑制についてお伝えしました。

 

その中で、災害備蓄についてなぜ今更、改めて考える必要があるかについてお伝えしました。

 

いつ起こってもおかしくないと言われている首都直下地震ですが、それに備えるのは、どうしても億劫になってしまうと思います。

 

ただ、準備なく被災してしまったときの不安は、とてつもないストレスになります。

 

そして、準備しようと思えばできたのに、それをしていたかったという罪悪感は、実は一生ぬぐうことはできないんです。

 

是非このブログをきっかけにして、もう一度備蓄の点検をしていただければと思います。

 

次回のブログでは、数々の災害派遣に従事した経験を基に、何を基準にして災害備蓄を準備していけばいいのかをお伝えします。

 

 

是非ご覧ください。

 

 

今週の体重

先週59.4㎏⇒今週59.3㎏

 

体重をアップする理由
【頑張らないダイエット③】 お手軽にも程がある!"超時短"筋トレ法

 

参考資料

1 東京都HP「首都直下地震等による東京の被害想定(令和4年5月25日公表)
2 東京都帰宅困難者対策ハンドブック 令和2年9月

 

※令和6年3月18日:ブログの冒頭に「概要」を追加し、文章の校正をしました。

 

 

≪前回のブログ  -  次のブログ≫

 

 

陸上自衛隊に15年勤務。レンジャー隊員。公認心理師産業カウンセラー

 

在職時は、年200件以上の面談に対応するカウンセラーの任務を行うと共に、隊員に対して災害派遣の心構え」を教育をしていました。

 

そんな自衛隊での教育や、自身の災害派遣の経験をアレンジして、現在は一般向けに「災害の心構え」をお伝えするセミナー講師。

 

 

『どんな災害も乗り越える』

 

 

その心構えを”自衛隊式”でレクチャーしています。

 

 

このブログでは、防災のこと、身心の健康、そしてちょっとだけ自衛隊の話を綴っています。

 

自衛隊での経験やセラピストとして学んだことが、皆様のお役に立てば幸いです。

 

ブログの更新は毎週水曜日。

 

月に一度、ブログテーマのアナウンスをしています。

 

アナウンスをご希望の方は、ご連絡ください。

 

連絡先はこちら
LINE公式アカウント:https://lin.ee/ky0Ngjp
Mail:sukkirioasis@gmail.com

 

読者になりたい方はこちら

 

最後までご覧いただきありがとうございました。感謝です。

 

引き続き感染対策をして、安心安全の社会を作っていきましょう。

 

 

WEBページ

 

公式X(エックス)

『身体の健康・心の健康・防災』のニュースをポストしています。

https://twitter.com/sukkirioasis

⇨フォローして、是非情報を受け取ってくださいね。

 

経歴・資格など

公認心理師(国家資格)、産業カウンセラー、リラクゼーションセラピスト(2級)、元陸上自衛官、レンジャー隊員、上級体育指導官、予備自衛官(衛生官)

〔※「Windship」及び「Windship treatment」は登録商標です。〕

 

前回のブログ

 

修正したブログ

【 距離感と 境界線で 共生を 】凄惨な『熊害(ゆうがい)』から命を守る

令和4年9月28日

冬眠近くになるとよく聞く、熊による被害「熊害(ゆうがい)」。駆除をすると賛否両論が巻き起こります。実際に熊に遭遇した経験と共に、現実的な対策をお伝えします。是非ご覧ください。

お疲れ様です。自衛隊卒セラピストの岡田凰里(おかだおうり)です。ブログを読んで頂いてありがとうございます。


もう9月も終わりですね。

 

秋が、近づいているのが感じられます。

 

 

さて、今月は防災月間です。

 

 

月の前半では4年前に発災した、平成30年北海道胆振東部地震』をテーマに、

9/7 最大震度観測地『厚真町』のその後

9/14 景観が与える心理的な影響

 

をお伝えしました。

 

そして前回のブログでは、KAZUⅠ号の事故を振り返って、

9/21 海の安全と水難事故の残酷な現実

 

をお伝えしました。

 

 

今月のブログが、防災の一助になれば幸いです。

 

 

いつもであれば、月末のブログはわたしが赴いた、「美味しいお店」「心地よい場所」のご紹介をするようにしています。

 

ただ、今月はどうしてもお伝えしたい内容があります。

 

 

それは『熊害(ゆうがい)』についてです。

 

 

知床に取材に行ったときに、ヒグマに対する注意喚起を至る所で目にしました。

 

そしてネットニュースでは、全国各地至る所で熊に関する被害を、毎日のように拝見いたします。

 

 

農作物の被害だけでなく、人的被害まで出ています。

 

 

このような現状を踏まえて、今週のブログでは熊の被害の事例や、わたし自身の実体験を交えて、『熊害』を防災という観点からお伝えします。

 

今回のブログは以下の内容です。になっています。

1 熊ってかわいい!?

2 人間は『捕食対象』になる

3 距離感と境界線で熊害を防ぐ

4 北海道取材を通して

5 まとめと来月のテーマ

 

それでは始めていきますね。

 

 

1 クマってかわいい!?

熊害の話なのに…

 

 

何を言っているんですか!!

 

 

そんな声が聞こえてきそうですね(^^;

 

 

確かにおっしゃる通りなんですが、クマをモチーフにしたものって、たくさんありますよね。

 

 

クマのプーさんが一番有名でしょうか。

 

ディズニーのキャラクターですよね。

 

テディーベアなんかもありますね。

 

こちらも愛好家の方が、たくさんいらっしゃいます。

 

 

そして、くまもん(^^;

 

 

それ以外にも、クマのぬいぐるみは無数にあります。

 

人間にとって、クマはそれだけ「かわいい!」と感じる動物というわけです。

 

そして動物園に行った時も、こんな様子を見てしまうと…

 

なんだか、ほんわかした気持ちになりますよね(^^)

 

こんなの見ちゃったら、クマに親近感を持ってしまいますよね。

 

 

しかも、「くまクマ熊ベアー」なんてアニメもやっています(^n^;

 

 

って、結局全部クマやないけ!

 

 

しかも職業『クマ』ってなんや!!

 

 

あ、ちなみに「くまクマ熊ベアー」は、もとはライトノベルだそうです(^.^;

 

ま、こんなアニメが放映されるのも、それだけクマが愛されている証拠だと思います。

 

 

確かにかわいいんですが…

 

 

あくまでそれは、『見ている分には』です。

 

 

2 人間は『捕食対象』になる

ネットでニュースをチェックしていると、今月は特に熊に関するニュースを毎日拝見します。

 

 

目撃情報

 

 

畑の被害

 

 

人身被害

 

 

農作物の被害がある上に、実際に重傷を負っている方がいらっしゃいます。

 

そして、熊害を防ぐためにも、厳然たる事実を明記しておこうと思います。

 

 

 

熊にとって、人間は捕食対象。

 

 

 

熊は人間を食べるんです

 

 

 

熊の被害を防ぐことは、自分たちの命を守るのと同じことなんです。

 

 

 

この事実が、獣害ではなく「熊害」に焦点を当てた理由です。

 

 

熊は基本的にはおとなしい性格と言われています。

 

さらには臆病で、人間を恐れて逃げるとも言われます。

 

ただそれは、熊のテリトリーの外にいるときだけの話です。

 

テリトリーに踏み込んでしまった場合には、そうはいきません。

 

 

実はわたし、熊のテリトリーに入ってしまい、威嚇の唸り声をあげられた事があります。

 

本当に恐ろしかったです。

 

命のやり取りの緊張感を味わいました。

 

熊鈴を鳴らしながらその場を離れ、難を逃れました。

 

こういう時にはひるまないで、命を守る行動をするのが大切なんだと、つくづく感じました。

 

 

登山道を外れて山に入ると、どうしてもこういったことが起きてしまいます。

 

熊害に関するニュースで

山菜採りの方が…

とか

キノコ狩りの方が…

 

なんてことをよく聞きますが、やっぱり山菜やキノコって、登山道沿いには生えていないんですよね。

 

人間が野生動物のテリトリーに入るときには、熊鈴や熊スプレーを持っておくことが必須です。

 

 

山は慣れているから

 

今まで遭遇したことないから

 

自分の身にそんなこと起こるワケないから

 

 

こう感じている時が、一番危険な状態です。

 

 

必ず準備して、山に入りましょう。

 

 

そして、熊から人間のテリトリーに入ってくる場合もあります。

 

 

山に餌がない場合には、熊も死活問題です。

 

畑に現れたり、場合によっては市街地にも出没します。

 

実際に各地で、目撃情報や被害がニュースになっています。

 

 

熊が人間のテリトリーを侵してしまったときには…。

捕獲

駆除

 

が必要になります。

 

 

そして人間が熊に襲われた場合、非常に凄惨な結果になります。

 

 

日本で最悪の熊害と言われるのは

三毛別羆(さんけべつヒグマ)事件(※1、2、6)

 

北海道での羆(ヒグマ)による事件です。

 

死者7名

 

負傷者3名

 

亡くなられた方の中には、捕食された方もいらっしゃいます。

 

 

これが熊害なんです。

 

 

もしご興味のある方は、この事件を題材にしたノンフィクション小説がありますので、ご一読いただければと思います。

 

図書館で借りられると思います。

 


羆嵐(くまあらし)」

 吉村昭

 

 

ブログの最後に、羆嵐のコピーボタンをつけておきますね。

 

 

この小説でも表現されているように、熊の捕獲や駆除は命懸けの行動です。

 

 

こうならないためにも、お互いのテリトリーを守りたいものです。

 

それでは、そのテリトリーはどのように守っていけばいいのでしょうか。

 

 

3 距離感と境界線で熊害を防ぐ

熊を駆除する

 

こんな話になると、

「動物がかわいそう…」

「駆除しないで!」

「人間の身勝手だ!!」

 

こんな声が上がってきます。

 

確かに、クマにはかわいい側面もあります。

 

ぬいぐるみやアニメの題材になるくらいですからね。

 

かわいそう、という気持ちになるのもわかります。

 

そして、もしかしたら人間の身勝手で、駆除しなければならない場合もあるかもしれません。

 

ただ、こういった声をあげる方に質問します。

 

 

自分自身が野生の熊に対峙した時に、同じことがいえますか?

 

 

命のやり取りの緊張感は、独特です。

 

体験したことのある方は、2度と経験したくないと感じます。

 

 

野生動物は、犬や猫などの愛玩動物とは全く別物。

 

 

仲良く楽しく共生する」なんてことは、不可能なんです。

 

 

共生をするためには、距離感をしっかり保ち、境界線を明確にして、お互いのテリトリーを侵さないことが不可欠です。

 

ただ、人間が気を付けていても、熊の方から境界線を越えてきてしまうことがあります。

 

そして被害が出てしまうと、どうしても駆除が必要になる場合があります。

 

その駆除を担当する方に感謝こそすれ、

「駆除反対!」

「残酷なことをするな!」

 

こんな言葉をかけるのは、理不尽だと感じます。

 

 

 

 

 

駆除を担当されている皆様、安心と安全を守っていただき、ありがとうございます。

 

心より感謝いたします。

 

 

 

 

 

先日知床に取材に行った際には、ヒグマに対する注意喚起を至る所で拝見しました。

 

そして観光者に対して、チラシが配布されていました。

 

 

距離感を保って、観光を楽しむためのチラシがこちらです。

 

 

 

 

 

そして、違法行為に対する注意喚起のチラシもありました。

 

 

 

 

裏面の写真を拡大すると…

 

 

 

 

2022年4月1日から違法行為になったのは、次の2点です。

 

 

日本ではヒグマは北海道にしか生息していませんので、観光に訪れた際には、見てみたいと思うのは当然の感情だと思います。

 

 

ただ観光する際には、チラシにもあるように距離感が大切です。

 

 

そして人間と熊の境界線を、はっきりさせること。

 

 

野生の中で生活しているのか、文明の中で生活しているのか。

 

 

ここには、目に見えない境界線があります。

 

 

まずは人間側が、境界線を侵さないようにしましょう。

 

 

そのためには、文明社会の農作物や食べ物を与えないのが、その第一と言えると思います。

 

 

わたしは元陸上自衛官

 

 

訓練の際には、山中で宿営することがありました。

 

 

その時に野生動物に対して、気を付けていたことがあります。

 

 

 

 

それは、食べ物のごみを絶対に外におかないこと。

 

 

 

 

実はこれ、陸上自衛官であれば当たり前のことです。

 

わたしは新隊員の頃に、先輩から習いました。

 

そして自分に後輩ができた時に、教えました。

 

わたしは自衛官という仕事をさせて頂いたので、野生の境界線について知ることができました。

 

もし自衛官になっていなかったら、こんなことは知らないまま生きていたかもしれません。

 

このブログを、野生との境界線を知るきっかけにして頂ければ幸いです。

 

 

4 北海道取材を通して

今回の北海道取材で、北海道の雄大な自然に初めて触れました。

 

本当に圧倒的な風景で、観光にはもってこいの場所だと思います。

 

それと同時に、本州ではあまり感じない、身の危険も感じました。

 

 

マダニ

 

 

キタキツネ

 

 

そしてヒグマ

 

 

マダニはもちろん本州にもいますが、重篤感染症を媒介します。

 

自然に触れるときには、肌を露出しない格好をしたり、忌避剤などを利用することが推奨されています。

 

そしてキタキツネは寄生虫エキノコックスの宿主で、この寄生虫重篤な肝機能障害を引き起こします。

 

キタキツネには、決して触れてはいけません。

 

実は、本州でも愛知県の知多半島に「エキノコックスが定着した」と、国立感染症研究所が見解を示しているそうです。(※8)

 

知多半島にいる野犬が、宿主になっているようです。(※9)

 

エキノコックスも、北海道だけのものではなくなっています。

 

 

さらに、今回のブログでご紹介した羆(ヒグマ)

 

 

日本では、北海道だけにしか生息していません。

 

人間をも襲う、野生動物です。

 

 

どの野生も、命に係わる自然の驚異です。

 

 

わたしは陸上自衛隊にいましたので、もしかしたらこのような野生の驚異に対して、敏感なのかもしれません。

 

もちろんその土地に住んでいる方は、注意して生活されていると思います。

 

ただ、環境省による「クマ類出没対応マニュアル」には、こんなデータがありました。

 

振興山村の人口と全国の人口の動態を比較したものです。

 

 

2010年までのデータですが、全国の人口は増加しているにも関わらず、山村の人口は減少しています。

 

 

このデータから何を読み解くか。

 

 

それは
「野生の驚異を実際に肌で感じた経験のある方、つまり野生に対する畏れを持っている方が減っている」

 

 

と、読み取れるのではないでしょうか。

 

野生に対する畏れを持つ方が減れば、必然的にその危険を知っている方も減ります。

 

防災と言われると、地震や風水害などに目が行きがちです。

 

もちろんそれらは甚大な被害をもたらしますので、しっかりした対策が必要になります。

 

それと共に、野生に対する畏れを持ち、境界線を明確にし、距離感を保って災いを防ぐ。

 

こういったことも「防災」になることを、改めてお伝えできればと思います。

 

 

5 まとめと来月のテーマ

今月のブログでは防災月間に当たって、北海道取材をもとに防災についてお伝えしました。

 


自然災害の圧倒的な破壊力に対処するには、限界があること。

 

災害後の心理的な影響に対処する方法。

 

そして自然と野生に対する畏れ。

 


普段の生活では、あまり気にしないことだと思います。

 

ただ、気にしていないでいられるのは、自分たちの知らないところで何重もの安全対策が行われているからです。

 

安全対策をしていただいている皆様に、感謝いたします。

 

ありがとうございます。

 

ただ、その安全対策にも限界があります。

 

ですので、一人一人が防災に対する気持ちを、頭の片隅に留めておく必要があります。

 

日常で防災のことを常に意識しておくのは、気疲れしてしまうのでおススメしません。

 

そんなことを常に考えていたら、心地いい生活が送れませんから。

 

ただ、災害の準備をしておいたり、自然や野生に対する畏怖の念を持っておくと、いざという時の行動が違ってきます。

 

 

このブログが、そのきっかけになれば幸いです。

 

 

来月からが秋本番!!自然に触れるには、絶好のシーズンです♪

 

距離感と境界線に気をつけながら、秋の観光を是非是非楽しんでくださいね(^o^)b

 

 

 

 

以下来月のブログのご案内です。

 

来月10月は秋本番、「食欲の秋」ですね!

 

4月に「頑張らないダイエット」のブログを書いてから、ちょうど半年。

 

毎週計測してきた体重を振り返りながら

食欲の秋とダイエット

 

をテーマにお届けします。

 

是非ご覧ください。

 


小説「羆嵐」を検索


熊に遭遇した際の対処要領

クマ類に遭遇した際にとるべき行動

環境省HPにリンクします)

 

熊対策の支援 交付金

農林水産省 農村振興局 鳥獣対策・農村環境課 鳥獣対策室

・被害対策の基本について 03-6744-7642(直通)

交付金での支援内容について 03-3591-4958(直通)

 

参考文献
1 「羆嵐」 吉村昭著 2020年12月54刷 新潮社
2 「慟哭の谷」 木村盛武著 1995年2月 共同文化社

 

参考資料
3 くまクマ熊ベアーHP https://kumakumakumabear.com/
4 ウィキペディアHP 「くまクマ熊ベアー
5 環境省HP 「クマ類出没対応マニュアル」 
6 ウィキペディアHP 「三毛別羆事件
7 農林水産省HP 「農作物被害状況
8 福井新聞ONLINE 寄生虫「エキノコックス」、愛知県で犬の感染相次ぐ 人体に入ると重い肝機能障害 2021年10月12日
9 日本自然保護協会HP 「愛知知多半島のエキノコックス

 

知床のチラシ

10「#ニンゲンもクマも距離感が大切」及び「ディスタンスカード」 
 出典:環境省ホームページ https://hokkaido.env.go.jp/kushiro/pre_2020/post_106.html) 
 発行:釧路自然環境事務所(適正利用・エコツーリズム検討会議カムイワッカ部会) 

11「近すぎませんか?」 
 出典:環境省ホームページhttps://hokkaido.env.go.jp/kushiro/pre_2022/post_174.html) 
 発行:釧路自然環境事務所 

 

今週の体重

先週59.3㎏⇒今週60.4㎏

 

体重をアップする理由

【頑張らないダイエット③】 お手軽にも程がある!"超時短"筋トレ法

 

※令和6年3月25日:ブログの冒頭に「概要」を追加し、文章の校正をしました。

 

 

≪前回のブログ  -  次のブログ≫

 

 

陸上自衛隊に15年勤務。レンジャー隊員。公認心理師産業カウンセラー

 

在職時は、年200件以上の面談に対応するカウンセラーの任務を行うと共に、隊員に対して災害派遣の心構え」を教育をしていました。

 

そんな自衛隊での教育や、自身の災害派遣の経験をアレンジして、現在は一般向けに「災害の心構え」をお伝えするセミナー講師。

 

 

『どんな災害も乗り越える』

 

 

その心構えを”自衛隊式”でレクチャーしています。

 

 

このブログでは、防災のこと、身心の健康、そしてちょっとだけ自衛隊の話を綴っています。

 

自衛隊での経験やセラピストとして学んだことが、皆様のお役に立てば幸いです。

 

ブログの更新は毎週水曜日。

 

月に一度、ブログテーマのアナウンスをしています。

 

アナウンスをご希望の方は、ご連絡ください。

 

連絡先はこちら
LINE公式アカウント:https://lin.ee/ky0Ngjp
Mail:sukkirioasis@gmail.com

 

読者になりたい方はこちら

 

最後までご覧いただきありがとうございました。感謝です。

 

引き続き感染対策をして、安心安全の社会を作っていきましょう。

 

 

WEBページ

 

公式X(エックス)

『身体の健康・心の健康・防災』のニュースをポストしています。

https://twitter.com/sukkirioasis

⇨フォローして、是非情報を受け取ってくださいね。

 

経歴・資格など

公認心理師(国家資格)、産業カウンセラー、リラクゼーションセラピスト(2級)、元陸上自衛官、レンジャー隊員、上級体育指導官、予備自衛官(衛生官)

〔※「Windship」及び「Windship treatment」は登録商標です。〕

 

今月のブログ

・9/7

・9/14

・9/21